『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』が打ち切りになった理由

2020年に惜しまれつつも幕を下ろした大人気超常現象ドラマ『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』。その終わり方については賛否があったが、Movie Webがその理由を明かしている。

(この記事にはネタバレを含みます。)

 

予定していたことが実現不可能に

15シーズン続くロングランヒットを記録した『SUPERNATURAL』。様々な脅威との戦いを繰り広げてきたウィンチェスター兄弟だったが、そんな彼らでさえ立ち向かう用意ができていなかったのが新型コロナウイルスのパンデミックだ。2話の撮影を残して、製作中止を余儀なくされることになり、2020年に撮影を再開して幕を下ろすことができたが、その最終回には賛否が寄せられる結果になってしまった。

製作総指揮を務めるアンドリュー・ダブは、パンデミックによって当初の計画から大きな変更を加えなければならなかったことを告白。Entertainment Weeklyに対し、当初大規模な計画があったと明かした。

「ディーン(ジェンセン・アクレス)は天国で終わりを迎える予定はいつもあった。サム(ジャレッド・パダレッキ)の人生を早送りで見るシーンも予定にはあったけれど、最後の場面は別の場所になる予定だったんだ。ボブ・シンガーとシーズン15について、そして避けられない終わりについて話し合った時、サムとディーンにとって天国のように感じられるものを考えた。それは二人が旅の途中で出会った人々(少なくともバンクーバーに来るよう説得できた人たち)が再建されたロードハウスに集まって、バンド・カンザスが演奏する(非公式だけど象徴的な)主題歌“Carry on Wayward Son”を演奏する場面だった」と当初の計画を明らかに。

しかし撮影が再会された2020年8月には状況は大きく変わっていたという。「あれだけ多くの人々を密閉した空間に集めることや、ロサンゼルスからお気に入りのキャストを何人も呼んで、半日ほどの撮影のために2週間も隔離させるのは現実的ではなかった。バンド・カンザスもいつもなら協力的だったけど、今回は難しいと感じていて、そんな彼らのことを完全に理解できた」と難しさを語った。

さらにスケジュールの問題もひとつの壁に。すでにファイナルシーズンに入っていたため、2021年のテレビシーズン開始前に放送を終えなければならなかった。さらにジャレッドは、2021年1月に放送開始したドラマ『WALKER/ウォーカー』の出演が決まっており、スケジュール的に製作陣は急いで制作を進めなければならなかったという。

「エピソード19と20に向けて、新型コロナウイルスの規制がどうなるかを知った時点で脚本を書き直したけれど、それによりいくつかの変更があった。特にエピソード20では、当初予定していたことが実現不可能になってしまったんだ…。今のディーンが車で広い道を走るシーンは気に入っているけど、当初のアイデアを思い返すことが時々ある。サムとディーンの家族や友人たち、そして最高のロックバンドが揃った傑作のセットでのシーンを…。存在しなかったとしても、それが恋しい」と幻のエンディングに思いを馳せる。

最後の二つのエピソードにパンデミックの影響があることは誰の目にも明らか。登場する俳優が減り、俳優同士の距離感も遠い。クローズアップショットが多く使われ、全体的なスケールが小さく感じるような演出だった。しかしこれもパンデミックの影響下で最善を尽くした結果であり、誰も責めることはできなそうだ。まさに不運なタイミングの犠牲者になってしまった『SUPERNATURAL』。もしもパンデミックがなかったら…と思い続けているのはファンのみならず、キャストやスタッフも同じのようだ。

『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』全15シーズンは、U-NEXTHuluなどで配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』©Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.