【ネタバレ】リックとミショーンの逃亡計画は…『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』第3話レビュー

U-NEXTにて日米同時配信中の大ヒットサバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』の新たなスピンオフ『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』。第3話「葛藤」では再会を果たしたリックとミショーンの苦しい状況が描かれた。(※本記事は第3話「葛藤」のネタバレを含みますのでご注意ください)

リックとジェイディスの過去と現在

物語は、何年か前へと遡ったフラッシュバックから始まる。市場を歩くリックとジェイディスの二人。ジェイディスはまだ髪の長いあの頃のままで、橋爆発後にヘリでリックを助けて間もないタイミングだろうか。だが、リックは「お前は外へ出られないところに俺を連れてきた」と、ジェイディスに感謝するどころか怒りをあらわにする。命を助けてくれたことに少しくらい感謝してもいいのではとも思うが、それもできないほどリックにとってここは劣悪な場所なのだとも感じた。反対にジェイディスは、CRM(市民共同体軍)の世界再生のための500年計画に感銘を受け入隊しており、ここ(CRM)での未来も悪くないと説明する。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

そこから場面は切り替わり、第2話「見つけた」のラストに出てきたリックの部屋にいるジェイディスとのシーンに戻る。ジェイディスは、リックがミショーン(今はデイナという偽名を名乗っている)を連れてきたことを批判しつつも、連れてきた以上、彼女はここに定住するべきだと語る。第2話でも話していたように、もしリックとミショーンが逃げることがあれば、自分たちの協定がバレないように自らの手で全員殺すことになると。だが、その強い意思に疑問を持つリック。「逃げると言った俺を前は脅さなかった。今は何が違う?」 するとジェイディスはこう答える。「(以前は)無理だと分かってたから。だけど二人一緒なら、何でもできる」と。リックとミショーンの強さをよく知る人物から出る本音だが、この後また別の人物がある意味その強さ(特にミショーンの)に怯えることになる。

いきなりの脱出計画。携帯電話の絵描きが登場

第1話のラストでヘリが攻撃された際に命を落としたオカフォー中佐の葬儀の後、リックとパールの前に現れたビール少将は、リックが敵か味方かまだ分からないと話す。一方、パールは最上級曹長に昇進。家族のように思っているリックに対して、自分がリックに頼まれて口利きした“デイナ”(ミショーン)がビールの目に留まったことをひそかに警告し、自分の足を引っ張らないようにと頼む。

それをきっかけに、リックは逃亡計画を立てる。だがミショーンには秘密だったが、これはミショーンのみを逃がすための計画だった。首尾良く逃亡したミショーンは、落ち合うはずの場所でリックの置手紙を発見。「君が逃げないと二人ともここで死ぬから、俺が残って君をジュディスの元へ帰す。俺を愛してるなら行ってくれ」とその手紙には綴られていた。翌日、ミショーンが結局逃げず、ウォーカーをいつもにも増して過激に退治する姿を見てリックは落胆する。「そりゃそうだろ、ミショーンが一人で“ありがとう!”と思って逃げるわけがないのに」と思ったのは筆者だけではないだろうが、この辺がちょっとリックの天然な部分だなと感じる。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

リックへの当てつけか怒りか分からないが、周りからも称賛される仕事ぶりを見せるミショーンをひそかに呼び出したリックは、怒りが収まらない彼女に直接告げる。「逃げるには内部にいる誰かの助けが必要だ。俺がその役目をする!」 だが、ミショーンはそんなリックの言葉を無視していた。喧嘩したカップルのような状態の二人。そんな中、街なかを歩くミショーンの目に飛び込んできたのは、あの携帯電話に描かれているイラストの屋台「ベンジローの似顔絵店」だった。そして店主のベンジローと会話を交わして涙する。リックが数ヵ月ごとにこの店に来てはミショーンたちの新しい絵を依頼しており、あの“もう少し信じてみて”という文言の通り、ミショーンとジュディスに再会できるという希望を持っていたと知ったためだった。

強すぎるミショーン、そしてまたも驚愕のエンディング!

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

“デイナ”(ミショーン)の強さに驚きつつも疑念を抱いていたパールは、彼女をカスカディアでのウォーカー一掃のミッションに同行させる。パールは爆弾の起爆装置が重すぎて動かせないが、後方で待機していろと言われたミショーンは命令に背き、一人で装置を移動させる。その後リックも加わり、装置を所定の場所にセットさせた二人は数百人のウォーカーの排除に成功した。爆破の際、木の陰に隠れた二人はまたもカップルモードに。「誰かに見られるんじゃないのか!? もうやめて持ち場に戻った方が…」と見ている方はハラハラ。

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その後、圧倒的な強さで“デイナ”がウォーカーを殺す姿を見て、彼女を生かしておけば脅威になると理解したパールは、ミショーンを狙撃しようとする。「きっとリックが止めるだろう」と思った通りリックが登場。あの荒れ狂うミショーンの姿は本当に見ていて清々しかった。だが、軍隊で出世したことをあれほど喜んでいるパールが、「強さが武器」になりそうな“デイナ”の存在を、“道具”として使えそうだと思わずに“脅威”と感じたのは興味深い。実は、マネージメントにあまり自信がないタイプなのかもしれない。

そんなパールはリックに、「もう“デイナ”の顔は二度と見たくないから元の配属に戻してこい」と告げる。リックとミショーンの関係をはっきり分かっていないパールだが、なぜそこまでミショーンを恐れるのか、それともそれは恋敵的な心情なのか…。今後のパールとリックの関係も気になる。

場面は変わり、ジェイディスがミショーンとリックの前に登場。彼女を見て明らかに動揺するミショーンに、リックは怒りながらこう告げる。「もう終わりだ。俺たちのすべてが壊れた」と。そして物語の終盤。気まずい雰囲気の中、大雨の中で揺れるヘリに乗っていたリックとミショーン。だが長い沈黙の後、ミショーンが驚くべき行動に出る。なんと向かいに座っていたリックを抱え、ともにヘリから飛び降りてしまったのだ! 悪天候の中、ヘリから飛び降りて果たして生きていられるのか?! 第4話のサバイバルはどこにいるかも分からない場所から始まりそうだ。

(Erina Austen)

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