【ネタバレ】ミショーンのこれまでが語られる…『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』第2話レビュー

U-NEXTにて日米同時配信中の大ヒットサバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』の新たなスピンオフ『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』。第2話「見つけた」ではミショーンの過去が描かれた。(※本記事は第2話「見つけた」のネタバレを含みますのでご注意ください)

ミショーンと新たな仲間たちとの友情

第1話「橋の事件から5年後」の最後で、予想外に早い再会を果たしたリックとミショーン。続く第2話では、そんなミショーンがこれまでどのように生き延びてきたかが描かれた。シーズン10で『ウォーキング・デッド』を一旦去っていたミショーンだが、その時にすでに登場していたカップル、エイデンとベイリーが暮らすコミュニティーで以降は過ごしていた。仲間を助けず、見殺しにするというルールのコミュニティーにおいて、“自分は見殺しにしない”というミショーンは周りから厚い信頼を得て、リーダーのようなポジションにいた。第1話の最後に身に着けていた鎧も、エイデンとベイリー、そして物作りが得意なナットというコミュニティーの仲間たちからのプレゼントだったことが判明する。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

リック捜索のため、皆の反対を押し切り北に一人向かうミショーン。そこで見たのは、毎年この時期になると南下するという噂の“ウォーカーたちの大移動”だった。平地に限りなく広がるウォーカーの大群。その光景は恐怖を通り越して圧巻とも言えた。大群をなんとか抜けて進もうとするミショーンだが、馬から落ちてしまう。万事休すと思われた時、ミショーンに感化されたコミュニティーの皆が助けに来てくれる。新たな仲間とともに過ごし、笑顔が多く見られるミショーンの姿が、第1話で廃人と化していたリックの姿と正反対で興味深い。

ヘリコプターからの襲撃と携帯電話の言葉

和気あいあいとした雰囲気のコミュニティーだったが、ある日突如現れたCRM (市民共同体)のヘリコプターに爆撃される。なんとか逃げたミショーンたちだが、その時に散布された塩素ガスの影響でうまく息をすることができなくなる。そしてミショーンは、ウォーカーになったかつての仲間、エイデンとベイリーを討つ。その後は、同じく生き残ったナットと一緒になんとか生き延びてきた。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

妊娠していたエイデンから最後に、リックを諦めて、子どものいるバージニアに行けと言い残されたが、諦めきれないミショーンはナットと二人で、リックが居そうなブリジャース・ターミナルに行く。そこで彼らが目にしたのは、身元の判別もできないほど焼けこげた死体の山だった。リックがこの中にいるのかどうかも分からないと落胆するミショーンは、ナットが言った言葉に泣き崩れる。「携帯の日本語分かる? “もう少し信じてみて”だ」と。携帯に書かれた日本語と可愛らしい文字は、日本人としては少し気になる部分ではある。とはいえ、クリエイターがここで日本語を持ってきてくれた事実に、嬉しく思う。

リックと再会!バレなかったと言いつつも、バレている!?

ナットからも子どもたちの元へ行くようにと再三言われながらも、彼とともにリック捜索を続けていたミショーンは、かつて自分たちを攻撃したのと同じCRMのヘリコプターを見かける。第1話終盤でリックの乗るヘリコプターを爆撃したのは、ほかでもないナットとミショーンだったのだ。ミショーンとリックはお互いの顔を見た途端、涙して抱き合う。しかしその直後、傍にいたナットが墜落事故を生き延びていたヘリコプターの隊員の一人に撃たれて息を引き取る。「ナットはそうなるんじゃ…」とちょっと予測できすぎる末路だったが、これでミショーンはコミュニティーの仲間を全員失ってしまう。

そんな中、撃墜されたヘリコプターの救助のため、別の部隊が来る。「いつか一緒に逃げよう」と約束し、ひとまずは捕虜になったふりをしたミショーンを連れてCRMに戻るリック。リックとは初対面で墜落事故には居合わせただけというふりをしたミショーンは、大軍事国家とも言えるCRMに驚きつつも、拘束されることもなく普通に暮らしている。何もお咎めなく自由に歩き回っているのかとちょっと不思議でもあった。リックと逢引きする余裕もあるようで、そんなにあっさりと身元もバレずに受け入れてもらえるのかと疑問だったが、その疑問はすぐ解消される。そう、ジェイディス/アンがリックの部屋に現れたからだ。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

ミショーンのことを「報告はしない」としつつも、リックがミショーンと二人で逃げるなら大切な人を全員殺すと彼に告げるジェイディス。彼女を演じるポリアンナ・マッキントッシュが180cmと高身長なこともあり、リックの真正面に立ちはだかるシーンは、威圧感いっぱいで素晴らしいカメラアングルだと感じた。再会はできたものの、脱出できない牢獄のような場所に閉じ込められたリックとミショーンは、その関係さえも公にできない。果たして二人は、「愛の逃避行」を実行することができるのだろうか。

(Erina Austen)

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