Netflixのドラマ版『One Day』を映画版と比較!映画版よりも良い点とは?

デヴィッド・ニコルズの小説「ワン・デイ」を下敷きにしたNetflixの英ドラマ『One Day/ワン・デイ』は、2011年公開の映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のドラマ版となる。米Colliderが、映画版よりもドラマ版が優れている点を挙げているので紹介したい。
(以下、物語の展開に関する内容が含まれます)

ドラマ版『One Day』が映画版よりも良い点

映画版もドラマ版も、7月15日に大学の卒業式で意気投合して親友になった、エマとデクスターの20年以上にわたる友情を、毎年7月15日の一日を切り取りながら描き出していく。

映画とドラマ版ともに、卒業式で出会ったエマとデクスターがお互いに惹かれ合いながらも、結局は体の関係にならなかったことで親友になり、長年にわたって友情を深めていくという展開は同じだ。

しかし、ドラマ版では卒業式の翌日、デクスターとエマは一緒にアーサーズ・シートという山に登りながら語り合い、お互いについて学び合って有意義に過ごし、最初の別れが思った以上に辛かったという経験をする。

その強い気持ちが、20年以上にわたって続く二人の友情の基礎になる訳だが、映画では卒業式の後、すぐに翌年の7月15日へタイムラインが移っている。よって、エマとデクスターが遠く離れた町に住むことになっても、なんとか機会を見つけて再会したいと思うほどの友情を育んだ──という説得力に欠けてしまう。

この物語において、卒業式の夜は非常に重要だと言える。二人が初めて心の絆を結んだ瞬間であり、後にエマとデクスターは、この日のことを何度も振り返るからだ。ドラマ版の第4話でギリシャへ一緒に旅をした際、デクスターがビーチでエマの背中に日焼け止めを塗った時、エマは初めてデクスターに触れられた卒業式の夜に想いを馳せる。

ギリシャ旅行の後に二人の友情は何度も試練に直面するが、それでも卒業式の夜の鮮烈な想いと体験が心に深く刻まれているため、二人は問題を乗り越えていくことが出来たのだ。

映画版でクライマックスに登場したシーン

またドラマ版では、第1話で二人がアーサーズ・シートへ登るシーンが、性格も背景も価値観も全く違うエマとデクスターが、お互いに対する理解を深めていく過程として上手く使われていた。対する映画版では、二人がアーサーズ・シートへ行く場面は最後の最後に登場し、その時に二人の間で恋心が芽生えていたことが仄めかされていた。

アーサーズ・シートへの登山をクライマックスに取っておいた映画に対し、このシーンを冒頭で描いたドラマ版のクリエイティブ的な判断を、Colliderは評価している。ドラマ版の最終話は、デクスターが娘と一緒にアーサーズ・シートへ登る感動的なラストが第1話のシーンと重なり、デクスターと亡くなったエマの波乱万丈な人生と悲しい恋が一周する、素晴らしい締め括りになっていたからだ。

尺が2時間ほどの映画と、何話にもわたって物語を綴ることが出来るドラマシリーズは大きくフォーマットが異なり、様々な面で一長一短だが、デヴィッド・ニコルズの小説に関してはドラマシリーズ向けだと言えるかもしれない。

『One Day/ワン・デイ』はNetflixで独占配信中。アン・ハサウェイがエマ役、ジム・スタージェスがデクスター役を演じた映画版『ワン・デイ 23年のラブストーリー』は、U-NEXTにて配信中。

(海外ドラマNAVI)

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Photo:©Netflix