以前ご紹介した「シーズン1で打ち切られるべきだった人気海外ドラマ5選」に続き、今度は打ち切るべきでなかった人気海外ドラマ5選をご紹介。結末まであと1歩だった作品や本格的なヴィラン登場直後に終了してしまった作品など、打ち切るには早すぎたと残念に思わずにはいられない作品をピックアップ。
打ち切るべきでなかった海外ドラマ
『マインドハンター』
2017年にNetflixで配信開始したクライムミステリー。元FBIプロファイラーのジョン・ダグラスによる著書「FBIマインド・ハンター セックス殺人捜査の現場から」をハリウッドの一流監督のひとりデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮と監督を務めてシリーズ化した心理スリラーで、猟奇的な連続殺人犯の犯罪心理を分析することで事件解決に挑もうとするFBI捜査官のホールデン・フォード(ジョナサン・グロフ)とビル・テンチ(ホルト・マッキャラニー)、そして心理学者ウェンディ・カー(アナ・トーヴ)を追う。
2019年にシーズン2で打ち切られてしまったが、70年代後半にFBIの行動科学科がどのようにサイコパスやシリアルキラーの研究を始めたのか、実話に基づくストーリーをもっと見たいと待ち望む熱狂的なファンの声は絶えない。その影響力は凄まじく、シーズン3製作を求める嘆願書に数千人の視聴者が署名をしたほど。しかしフィンチャーはシーズン3が製作されることはないと断言。様々な理由があると説明していたが、最も大きな要因はコストだという。
『センス8』
映画『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉妹が監督、企画、製作総指揮、脚本を務めたSFドラマ。世界8か国に住む8人の男女が突然テレパシーを使って互いの能力を共有し、コミュニケーションをとることができるようになるというストーリーで、ファンを獲得した。
目玉の一つはアクションシーンだったが、そのクオリティを実現するためには過去10年のSFシリーズの中で最も高い予算が投じられたという。クリフハンガーを残してシーズン2で打ち切りが決定したが、ファンから惜しむ声が絶えず、このクリフハンガーの答えを明かす映画が製作された。151分の完結編はシーズン2の第12話として配信されているが、出来ればシリーズとして続いてほしかった。
『The OA』
2016年にNetflixで配信開始したミステリードラマ『The OA』。失踪してから7年、驚きの能力を備えて再び姿を現した女性を主人公に、個性的な物語と映像美でファンを魅了した。科学的かつ哲学的、さらには宗教的コンセプトまで盛り込んで深みのある世界観を創り出していたが、2019年にシーズン3で打ち切りに。
十分な視聴者数を獲得できなかったことが理由とされたが、Netflix本社前で抗議活動やハンガーストライキまで行われ、熱狂的なファンを持つ作品であることを証明した。
『Marvel デアデビル』
2015年からNetflixで配信開始したアメコミアクション『Marvel デアデビル』。暗躍するヒーローのデアデビルという顔をもつ盲目の弁護士マット・マードックが二つの顔を使って悪しき犯罪者たちと戦いを繰り広げるアクションドラマでアメコミファンを中心に世界中で絶賛された。Disneyが権利を取り戻したためNetflixで展開していたMarvelシリーズプロジェクトは打ち切りに。
しかしチャーリー・コックス演じるデアデビル人気は凄まじく、異例のMCU入りを果たしたほど。Disney+に権利移行後も『シー・ハルク:ザ・アトーニー』にカメオ出演をしたほか、新たにリバイバル版『Daredevil: Born Again(原題)』が製作中。再びチャーリーが演じるデアデビルを見られるのは嬉しいが、あのままシリーズが続いていたら…という思いが消えるわけではない。
『フリークス学園』
1999年にたった1シーズンのみ製作された伝説的青春コメディ『フリークス学園』。『40歳の童貞男』で長編監督デビューを果たして以来、コメディ映画の第一線で活躍し続けるジャド・アパトーが製作総指揮を務めたキャリア初期の作品で、ジェームズ・フランコやセス・ローゲン、ジェイソン・シーゲルなどのスターたちの原点ともいえる作品。
落ちこぼれを主人公にした学園ドラマという珍しい切り口で瞬く間に共感を呼んだが、シーズン1放送終了前の時点ですでに打ち切りが決定。20年経ち親世代になったかつてのファンのみならず、現在進行形で学園生活を送る若者にも刺さり、20年経った今もなおカルト的人気を誇るだけに、打ち切られたことが悔やまれてならない。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『マインドハンター』©Patrick Harbron/Netflix/『センス8』©Netflix/『デアデビル(C)2015 Marvel & ABC Studios/『フリークス学園』