ハリウッドの脚本家ルールが変更!『イエローストーン』など全話を担当する脚本家は特別措置

今年5月上旬から続いていた全米脚本家組合(WGA)のストライキがついに終結し、それに伴い、脚本家の労働負荷を避けるための新規制が設定された。しかし、『イエローストーン』のように一人の脚本家や一つのライターチームが全話を担当するケースは、例外と見なされることが明らかとなった。

一人で執筆に専念したい人にもWin-Win

米Deadlineによると、WGAと全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)がこの度結んだ契約では、脚本の執筆作業に関して次のような新規制が設けられたという。「スタジオは全6話以下の番組に関して、少なくとも3人の脚本家と3人の脚本家兼プロデューサーを雇用しなければならない。全7話~12話の番組については最低でも5人の脚本家と3人の脚本家兼プロデューサー、全13話以上の番組については最低でも6人の脚本家と3人の脚本家兼プロデューサーを雇う必要がある」

このように番組のエピソード数によって雇用しなければならない脚本家の最低人数が決まっていれば、大量の仕事を少人数で抱え込む事態を避けられる。しかしクリエイターの中には、脚本執筆作業をほかのライターと共有したくない人もいるだろう。このケースには、『イエローストーン』のテイラー・シェリダンや『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』のマイク・ホワイトなどが該当するが、新契約には、「一人の脚本家、または一つの脚本家チームが全エピソードを執筆する場合には適用されない」と記されているとのこと。

よって製作スタジオは、一人で執筆に没頭したい脚本家が手掛けるプロジェクトに、不要なライターを雇って余分な費用を投入せずに済むため、双方にとって納得のいく規制だと言えるだろう。

WGAのストライキが終結する前にシェリダンは、「創作におけるアーティストの自由は束縛されてはなりません。もしスタジオが私に、“君が一度も会う必要がない、部屋で座っているだけの脚本家4人に54万ドルの小切手を切らないといけない”と言われたら、それはスタジオと組合の問題です。もし、私が頭の中で創り上げたストーリーのために、ほかの人とクリエイティブな作業を確認しなければならないなら、おそらく私がテレビで物語を伝えることはなくなるでしょう」と述べていた。

なおWGAの組合員は、米現地時間9月27日(水)より仕事を再開している。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

Photo:テイラー・シェリダン(米DeadlineのXより)