宇宙を舞台に凸凹チームの活躍を描くマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『アベンジャーズ』シリーズに登場している人気キャラクターのグルート。彼が一言しか話せない意味を英Digital Spyが報じている。
木のヒューマノイドであるグルートが口にできる言葉は、「私はグルート」というフレーズのみ。どんな場面であろうとも話すのはその台詞のため、声を担当するヴィン・ディーゼル(『ワイルド・スピード』シリーズ)にとってはキャリア史上最も楽な仕事に思えるかもしれない。しかし同じ言葉に思えても、それぞれ異なる内容を示しているため、ヴィンは短い台詞の中に各シーンに合ったニュアンスを出さなければならず、何度も録り直してシリーズ1作目だけで1000回以上あの台詞を言ったと告白している。
地球人である主人公のスター・ロードことピーター・クイルは宇宙のどんな言語にも対応した翻訳機を首に埋め込んでいるという設定だが、彼でもなぜかグルートの台詞は理解することができない。「私はグルート」という一見すべて同じ台詞でその時々のグルートが何が言いたいのかが分かるのは、長年の相棒であるロケットだけだ。そんなグルートの極限まで単純化された台詞にはちゃんと意味があるそうで、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの脚本・監督を手掛けるジェームズ・ガンは、理由を以下のように説明している。
「グルートには、何語にでも対応できる翻訳者がいるわけではない。彼には(相棒のロケットという)翻訳者がいるんだ。つまり、我々はあの特殊な言葉が分かればグルートのことを理解できるわけではない。グルートと関わることで彼を理解できるんだ」
言葉という表面上のもので理解するのでなく相手の本質を理解することでコミュニケーションができるという理由は素敵だが、グルートを知り尽くすロケットだからこそ彼の言葉が理解できるという説に従うなら、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でソーがグルートの言葉が分かると発言していたことはどうなるのだろうか? それに関してガンは「よくやることだけど、ソーは冗談を言っていたんだよ」と語っている。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズは現在3作目の全米公開が2021年に予定されており、ガンが引き続き監督・脚本を担当することが決まっている。また、ヴィンによれば2022年2月公開予定の『マイティ・ソー』シリーズ4作目に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のキャラクターが数人出るそうなので、もしかしたらそちらでも単純に聞こえて実は奥深いグルートの台詞を楽しめるかもしれない。(海外ドラマNAVI)
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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
(C)Marvel Studios 2017