■塚田英明プロデューサー
――『POWER RANGERS S.P.D.』の元になっている『特捜戦隊デカレンジャー』は、塚田さんが初めてチーフプロデューサーとして関わった作品とのことですが、当時、『デカレンジャー』のリメイク版が逆輸入されるなんて想像されていましたか?
『デカレンジャー』に1年遅れて、アメリカで『POWER RANGERS S.P.D.』の放送が始まった時から、実は吹き替え版を作りたいという気持ちがあったんです。しかも、どうせやるならオリジナルキャストが集まって吹き替えできたら...と。『デカレンジャー』から7年経っていますが、オリジナルキャストはみんなバリバリの現役。「これは!」と思い声をかけたところ、みんな快諾してくれました。
――なるほど、オリジナルキャストによる吹き替えは、塚田さんが7年前から温めていた企画だったんですね。では、実際に吹き替え版の製作に携わってみてのご感想は?
やはり、英語を日本語に翻訳してセリフを再構築する際、役者の口にセリフの字数を合わせるのが難しいですね。アメリカンジョークの解釈にも、時に頭を悩ませています。「これ、現地でもウケたギャグなんだろうか?」と首をかしげる場面もあって(笑) 基本的には、できる限り「原語に忠実に」というコンセプトで取り組んでいます。
――『POWER RANGERS S.P.D.』ならではの魅力は?
『デカレンジャー』を作った者として、『S.P.D.』の方がいいとは言えませんが(笑)、とにかく作品としてのクオリティが高いです。セットも豪華ですし、うらやましいくらいに爆破も大きいです(笑)。ニュージーランドの撮影スタジオを視察した際には驚きました。何せ、その撮影所、まるまる全部『POWER RANGERS』専用なんですよ! スケールが違います。アクションもより派手になって、豪華なセットとの相乗効果を生み出していますね。ただし、日本ならではのある種の"わびさび"というか、微妙なニュアンスなんかは省かれていることがあります。その分、分かりやすいのが特徴ですね。
――塚田さんは、9月から始まった『仮面ライダーフォーゼ』でもプロデューサーを務めていらっしゃいますが、ご自身の仕事のために海外ドラマを参考にすることなんてありますか?
『仮面ライダー フォーゼ』はシリーズ初となる学園モノ。日本ではなく海外の学園モノをイメージしていたので、ジョン・ヒューズの映画を参考にしました。たとえば『ブレックファスト・クラブ』とか。海外ドラマでは、『Glee/グリー』がお気に入りです。DVD-BOXを買って、シーズン1をすべて観ました。それにしても『Glee』って面白いですね!
――塚田さんが『Glee』好きとは意外でした! 最後に、海外ドラマNAVIの読者にメッセージを一言!
『POWER RANGERS S.P.D.』のメインターゲットは子どもですが、大人が観ても十分鑑賞に堪える作品です。アクションに見応えがあり、SF作品としてのクオリティも高いので、目が肥えている方でも楽しんでいただけるはずです。ぜひご覧ください。
載寧さん、田中さん、そして塚田さん、本当にありがとうございました!
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【プロフィール】
塚田英明 東映プロデューサー:1971年11月20日生まれ。『名奉行遠山の金さん』第7シリーズで初のプロデューサー補を務めた後、『仮面ライダーアギト』で初めて特撮作品のプロデューサーに。『忍風戦隊ハリケンジャー』で、サブプロデューサーとしてスーパー戦隊シリーズに初参加し、『特捜戦隊デカレンジャー』で初のチーフプロデューサーを経験。現在、『仮面ライダーフォーゼ』のチーフプロデューサーも務める。
【DVDリリース】
ヒーロークラブ『パワーレンジャー S.P.D.』エマージェンシー! スペースパトロールデルタ!!
DVDレンタル&発売中! 価格:2,800円(税込2,940円)
◆以降、DVD発売スケジュール
「POWER RANGERS S.P.D.DVD-BOX1」
2011年11月21日(月)発売
「POWER RANGERS S.P.D.DVD-BOX2」
2012年 1月21日(土)発売
販売:東映株式会社 発売:東映ビデオ株式会社
※DVDのリリースに関しての詳細は、決定次第、東映ビデオHPにてお知らせ致します。
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