『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)の前日譚となる新たなスピンオフ『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』(以下『ナイト』)。1月19日(月)より、本国アメリカと同時に日本でも配信された本シリーズのメインキャスト二名に取材を行った。
主人公であるサー・ダンカン(通称ダンク)を演じるピーター・クラフィ。そしてダンクの従者であるエイゴン・ターガリエン(通称エッグ)役のデクスター・ソル・アンセル(『ハンガー・ゲーム0』)。原作者であるジョージ・R・R・マーティンが「小説からそのまま抜け出してきたようだ」と言わしめた二人が、本作の魅力や『GOT』のスピンオフ作というプレッシャーについて、語ってくれた。
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『ゲーム・オブ・スローンズ』人気キャラの祖先!前日譚『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』主役ダンクとは?
2026年1月19日(月)より、世界中で話題となったドラマ『 …
プレッシャーを跳ね除けた、ピュアな情熱と絆
――素晴らしい作品に出来上がっている本作ですが、お二人にとってはこれが初のTVシリーズ主演作ですね。デクスターはまだかなりお若いですが、『GOT』のスピンオフということで、プレッシャーを感じましたか、それとも出演する嬉しさの方が大きかったですか。
デクスター:『GOT』は見たことがないのですが、世界で一番というくらい人気フランチャイズ作品だということはわかっていたので、とても嬉しかったです。今だに(出演が)信じられないです。
ピーター:私自身が原作も含め『GOT』のファンだったので、非常に緊張しました。小説はもとよりTVドラマ版の視聴者にとっても、きちんとしたものを届けたいと思っていました。間違いなく私にとってはチャレンジではありましたが、人生で最高の出来事だと言えます。
デクスター:僕にとっても最高です。
――『ナイト』も原作小説がありますが、そちらは読まれましたか。またお二人には非常に素晴らしいケミストリーが見受けられます。どのようにそのような関係を築き上げましたか。
デクスター:ピーターとのオーディションの時から、彼と一緒にダンクとエッグをやりたいと感じていました。ピーターは素晴らしい人なので。一緒にゲームセンターに行ったり、FIVE GUYS(バーガーショップ)で食べたり、うちでパーティーしたり(笑)しました。
ピーター:そうだね(笑)
デクスター:そうやって、プライベートでも作品の中でもいい関係を築いていきました。
ピーター:原作に関してですが、ライターであるアイラ・パーカーの脚本が素晴らしく、原作を“翻訳”した内容でした。ですがその脚本と共に原作も読むことで、セリフだけでなくダンクの身体的特徴なども本から学べました。先ほども言いましたが、私自身が『GOT』の大ファンなので、そのファンたちが納得するものを生み出さないといけないと思っていました。原作があるものを映像化する場合、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』などもそうですが、オリジナルに忠実であることが大切だと感じています。映像化が原作とかけ離れたものになるのは嫌なんです。ですが、そういった意味で本作は、原作に忠実なので本当にそこは自信を持っていますし、(すでに更新が決まっている)シーズン2もそうなりますし、もしシーズン3があればもちろんそのまま原作に沿って進んでもらいたいと思っています。

本家とは一線を画す、地に足のついた“人間ドラマ”
――本作は、本家の『GOT』に比べて、はるかに“ファミリー向け”である点が素晴らしいと思います。本家よりも良い、または違う点はどのようなところでしょうか。
ピーター:“ファミリー向け”作品かと言われれば、そうではないでしょうが(笑)後半、非常に残酷な戦いもありますし、少しヌードもあります。でも、仰っている意味はわかります。本家より良いかどうかは別として、方向性は違います。もっと新鮮に感じると思います。
デクスター:うん。もっと笑えるシーンがありますよね。『GOT』は見たことないんですが…。『ナイト』は人間くさい作品なので、それがいい感じだと思います。
ピーター:あと、『GOT』は色々な世界がありキャラクターもたくさん出てくるので、視聴者は色々なキャラクターの視点で出来事を見ていきますが、『ナイト』は(ダンクという)一人のキャラクターの旅路を描いているので、その1視点をずっと見るのが好きかどうかは、人によるかもしれません。でもとても地に足のついた作品です。
――お互いから学んだ点はありますか。
デクスター:いい俳優になることを学びました。ピーターも含め他のキャスト皆から。
ピーター:僕からも? ほんと?
デクスター:もちろん! でもそれは僕も同じだよ! デクスターは最初に会った時は9歳で、すでにこの仕事もしていて、将来も有望で大人に囲まれていてもきちんとしていて本当に尊敬しました。今は俳優仲間ではありますが、一人の友達だと思っています。
デクスター:僕も! 僕に関しては、大人に囲まれていたのでそのぶん成長したかなと思っています。子どもばかりが出演する作品ではないので。
ピーター:すごい大変な環境でのチャレンジだったのに、素晴らしかったよ!
デクスター:ありがとう!
――ダンクとエッグ、それぞれにとって精神的に克服しないといけないのはどういうところだと思いますか。
ピーター:ダンクにとってはまず生き延びるということですが、彼は自信が欠如しています。そしてインポスター症候群を感じています。(師匠であるヘッジナイトの)サー・アーランの価値を受け継いで生きていこうとしていますが、まだそれに見合ってないないと思っています。ダンクは、いつかは“ナイト”になるというロマンティックな夢を抱きつつも、常に自信がないままウェスタロスを目指しているのです。そして“自分はできる、大丈夫だ”と常に自身に言い聞かせているんです。あとダンクはお腹も弱いのでそこも克服する点です。
デクスター:エッグは、(ネタバレになるので)言えないことがあるので…。
ピーター:僕もだよ。ダンクにもまだ言えない部分があります!
デクスター:えっと、言えることは、エッグはただ幸せになりたいと思っています。家族を嫌っているんですが、ダンクのことは大好きで。どこか安心できる場所でハッピーに暮らしたいと考えています。

――ピーターの演じるダンクは穏やかな人ですが、凶暴な世界に身を置くことになります。その対極的な状況でバランスを取る演技はいかがでしたか。また、デクスターは、本作に出演する中で何が一番大変でしたか。
デクスター:全部大変でしたけど、多分最初のうちは子どもが全然いない大人だけの中にずっといることが大変でした。
ピーター:最初に他の子役が登場するのは、パペットショーのテントでのシーンだよね? 考えたこともなかったけどそれまでずっと大人だけだったんだ…。
デクスター:うん、僕にはきつかった。今はキャストのみんなと友達だけどね。それで演じているうちにチェスとかゲームとかやるようになって仲良くなっていきました。
ピーター:(同じくらいの子は)ビリー・ジェイだけだったよね?
デクスター:そう! あ、ビリーは僕のダブル(シーンによって後ろ姿やリハーサルの時に変わりを務める俳優)なんですが、彼とは今もよく遊んでいます。
ピーター:良かった! 優しいダンクの置かれる暴力的な環境でのバランスについてですが、例えば、動物に優しい人、穏やかな人が、残虐的な場面に出くわすと、自然にそういう性格の人が持っているリアクションが出るものです。そういう人が反対の環境に置かれると、面白い反応が引き出せたりもします。なので、バランスをあえて取るというのではなく、自然にそうなっていると思います。
――先ほどお話にも出ましたが、本作は本家よりもコミカルな部分が多くありますが、ウェスタロスの世界観を崩さないように、そういう点を意識しながら演じましたか。
デクスター:『GOT』を見ていない僕にとって、そういうことは全く意識していなかったです。なので気にしていませんでした。
ピーター:おっしゃっている意味はわかります。私自身、以前コメディスケッチを書いたりしていたので、視聴者を笑わせるコミカルなシーンなども演じることができました。それが本作で私たちがやろうとしていたことです。ですがやはりこの作品は『GOT』のあの世界であり、あのひどいウェスタロスのシリアスな世界観はもちろんこの作品にも残っているので、視聴者の皆さんもそれをはっきり目にすることになるでしょう。ですがほんのわずかな側面ですが、無理やり作ったようなユーモアではなく、普通の人たちとの交流を通して生まれているコミカルなシーンがあります。ですが、“ネタ”のような笑いではありません。貴族であれば、シリアスでギスギスした関係になっていると思いますが、庶民同士の関係なので、ガチョウの卵を買うようなシンプルなことでも、面白いシーンになるんです。ダンクは賢いタイプではなくちょっと抜けている感じの人ですしね。でもこれは自信を持って言えますが、ウェスタロスの世界観は歪めていません。

ーー馬とのシーンもたくさんありますが、トレーニングなど準備について教えてください。
デクスター:最初はもちろん馬にも乗れませんでした。でも今は駆け足で走ってジャンプもしています。
ピーター:すごいよね、僕はジャンプできないよ! 今、もうシーズン2なんですが、とにかく大変でした。でも一生懸命トレーニングしたので、報われましたよ。2頭の馬を除いては、共演者は皆素晴らしかったです。作中でダンクは、サンダー、チェスナット、スイートフットという3頭の馬を所有しています。サンダーを演じる馬のグラッチャは見たことがないくらいすごい天才馬です。シュレックとデューメという名前の馬が、それぞれスイートフットとチェスナットを演じているんですが、作品を見返すと笑えるんです。なぜかというと、デューメとの撮影の時、何百回も噛まれそうになっていたから。私の鼻を噛もうとするたびに、ヘッドバッドで噛ませないように振り払っていました。もちろん、実際馬にヘッドバッドをしたことはないですけどね(笑)なので、デューメイとのあるシーンを見返すと、嬉しくて笑えるんです。それがとても大変だった彼との共演シーンの最後だったのでね!(笑)
デクスター:僕は、自分の出番を待って突っ立っていた時に、馬が寄ってきて頭を舐められました。
ピーター:そういえばシュレックは、デクスターの衣装のマントを良く踏んでいたよね?(笑)
デクスター:うん、よく踏まれてた(笑)
ピーター:首がマントで絞まっちゃいそうだったよね、危なかったよ。まったく、馬は大物ハリウッドスターだよ(笑)大好きだけどね。

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』はU-NEXTにて独占配信中。
(取材・文/Erina Austen)







