『HAWAII FIVE-0』マルチエンディングエピソード上陸決定! 発案者のマシ・オカが語る!

20130509_s01.jpgAXNにて6月8日(土)に放送される大人気アクションドラマ『HAWAII FIVE-0』シーズン3の第12話。全米では2013年1月に放送されたエピソードだが、視聴者があっと驚く企画が仕込まれていたのだ。その企画とは「マルチエンディングエピソード」。第12話を放送中に、3人の容疑者の中から視聴者が「最も犯人らしい」と思う人物を番組を見ながら投票させ、その結果に従って番組のエンディングを放送するという全米テレビ界初の試みだった。このエピソードがいよいよ日本でも放送されるということで、企画発案者であり、もちろんマックス役として出演中の俳優マシ・オカに直接話をうかがってきた。

――今回放送されるマルチエンディングエピソードのアイディアはどういったきっかけで生まれたものだったんですか?

ちょうど(製作総指揮のピーター・)レンコフ氏が「新しいことにチャレンジしたい、型を破りたい」ということおっしゃっていて、僕もいろいろなプロデュースをしている中で、こういうの面白いかな? と思って、レンコフ氏と話している時にアイディアを出してみたんです。

このアイディア自体は、このドラマでもtwitterとかいろいろなソーシャルメディアを多用してますし。いろいろな人たちがこの番組を見て、特にハワイだとライブで、生で『H50』を観ながらツイートするのが醍醐味みたいなんです。 番組サイトのコメント欄を見ると面白いですね。「あーなんでまたそんなことするのー!?」とか「あーまた二人が喧嘩してるー!!」「あっ!そこ行っちゃダメ!危ない!」とか...結構いろいろなコメントがあるんですね。振り返ってみると僕も選択肢のある冒険は好きだったし、『H50』がそんな番組になったら面白いかなあと思って。特にアメリカでは『アメリカン・アイドル』とか視聴者参加型の番組があったので「こんなことできないかなぁ~?」ってレンコフ氏に話したんです。で、面白いアイディアだから実現したいね、なんて思ってたら、CBSから急に、「今度そのエピソードをやってください!」って言われて...それでこのアイディアを導入することになりました。

――アメリカでオンエアされた時、マシ・オカさん自身が「この犯人が投票数を稼ぐんじゃないか?」って思った人と、実際の視聴者の反応に違いはありましたか? Twitterなどの反応は見たんですか?

OAの時はtwitterも見ていましたよ! おもしろいなって思ったのが、東海岸と西海岸で結果が違ってたんです。(OA時間に時差があるから)東海岸の反応を見て、西海岸はわざとそれに合わせなかったっていうこともあったみたいですが(笑)
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――それは東海岸と西海岸の視聴者との間に対抗心があるということなんでしょうか?

対抗心があるということなのか、それとも自分たちのエリアでOAされた結果と別のを観たいという興味心なのかもしれませんが。でも、それがすごいおもしろいなぁと思っていました。本当はハワイの人にも投票権をあげたかったんですけど、システムの都合上難しかったみたい。『ER 緊急救命室』はじめ、他の番組でも生放送で東海岸と西海岸の二回放送したことがあって、そのときの反応もやはりちょっと違っていました。

視聴者もエンディングの違いを見比べて、結構詳しく論議してたようです。今回のエピソードを皆さんすごいおもしろがってくれて、また見たいと言っていました。視聴率も結構良くて、結構な人数が投票してくれましたし。今シーズンの中では三位以内に入る視聴率を取ったと言ってましたよ。

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――では、今回日本で放送した場合、どのエンディングが人気となると思いますか?

20130509_s06.jpg日本だったら...逆に深読みしそうなので...う~ん...TAかなぁ? どれが正解&不正解っていうのがないので、難しいですね。三人とも怪しいですし、どのエンディングを選ぶかによってみんな犯人になりますからね。

――今回のエピソードは、視聴者が選ばなかったエビソードも全部webなどで配信したそうですね。となると、選択肢分全部撮影しないといけないことになりますが、普通のエピソードの撮影と違って大変だった点は?

今回はストーリーが出来上がってから、そのマルチエンディングストーリーを導入してくださいってことだったので、撮影部分は最小限に抑えられました。
3通りのエンディングを全部見ると、実は同じカットを使ってるところもあるんです。最小限の撮影でいかに面白くできるかに挑戦しましたが、次回こういうことがあるときは、さらに面白く、大きなことが出来ればいいなと思っています。

今回の撮影の時は、毎日働いてる主役のアレックスやスコットに負担をかけないように、彼らのカットは同じものをうまく使ってるんです。逆にゲストの方をたくさん使って制作スタッフはすごい上手く3パターンを完成させました。

――アレックスとスコットは、マルチエンディングの話が来た時「面白い、やろう!」という感じだったんでしょうか?

最初は「なんだこれ!?」って言ってました(笑)。最初は僕のアイディアっていうことは、伏せていたので。実際に撮影に入ったらアレックスとスコットは、一回だけ取ればいいということ、同じところでセリフを何回か言うだけだから負担はかからないよということを説明したら納得してくれました。台本だけで見ると、何が何だかわからないが、撮影を進めて行くと「あっこういうことなんだ」ということが分かったようで。
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――実際に放送されて、視聴者の反応とかも耳にしたあと、お二人は何か話してましたか?

アレックスやスコットとはあんまり話ができてなかったけど、ダニエルとは結構仲がいいので、楽しかったと言っていましたね。で、レンコフ氏とも話して、今度やる時はさらに面白いものを作ろうと二人で言って。

マルチエンディングは脚本ができた後で発案されたアイディアだったので僕らとしてはちょっと悔しいところもあるんです。でも今回、これだけのことが出来る技術があるということを証明できたし、視聴者の方にもすごい楽しんでいただいたので、ぜひ次回は第4シーズンでまた同じようなことを、もっと凝ったものをやりたいね、とレンコフ氏と言っていますよ。

――マルチエンディング用に最初からストーリーを考えるっていうこと?

そうですね。

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――今回の企画の他にも、いつかやってみたいアイディアはありますか?

まだ今開発中なので言えないっていう話もありますが(笑)、やはり視聴者参加型っていうのがすごいおもしろいと思うんです。YouTubeとかを見ても、一人でやってるコンテンツよりも、何億人で作るコンテンツの方がおもしろいと思いますね。もちろん一人一人の作品を比べてみると、経験のある人とか才能ある人の方がやはりちょっと見応えがあるんですが、大概の場合は、一人で作ったものと、一億人の人生の経験から作られたものとを比べたら、全然敵わないんです。一億人のPoint Viewがあるってことですから。つまり、番組のファンには敵わないんですよ!

やはり視聴者が何万人、何百万人といると、いろいろな意見やアイディアがありますよね。僕らの考えてないことがバンバン出てくるし、視聴者さんは僕らよりずっと先を見ているって感じすらあります。それがすごくおもしろいので、ぜひ視聴者さんの声を使って、番組を作っていくということをやれたらいいなぁと思っています。

プロダクションもスケジュールがあるし、TVとなればそう簡単に視聴者参加型の番組を作ることは難しいですが、いつかそういったものを作れればいいなぁと思ってますね。

例えば、アメリカでは法廷ドラマが多いので、コマーシャルに入るところで、裁判員に向かって「判決は決まりましたか?」という問いかけがあり、裁判員が「決まりました」と言ったところでコマーシャルに入る。そして、コマーシャルの間に視聴者がtwitterなどで、無罪もしくは有罪を決めてもらう。その結果、その被告人の人生がどう変わって行くのかっていうのかを見せるリーガルドラマがあったら楽しいかなと思ってます。

今回のマルチエンディングはいわゆる誰が犯罪者か当てる感じで、答えは三つあるだけだったんですが、もしこっちを選んだらこういう風に世界が変わる、とか、その視聴者の選んだ選択によって、その人の人生がどう変わっていくのかを観ていけるドラマができたらおもしろそうだな、とは思っています。

――もしそれが現実になって、そのドラマに出演することになったら大変でしょうね。

そのときは僕は裏方に回ります(笑)今回も結構役者さんが駄々をこねていたので。ちょっと無責任なんですけど、この1話に関しては、僕の出番は3秒くらいでした。だから楽でした(笑)
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――この『H50』 のような犯罪ドラマはアメリカドラマのジャンルの中で、競争の激しいジャンルだと思います。最近だと『GRIMM』のように犯罪ドラマとファンタジーを合体させたような変化球な作品も出てきたり...そんな中、この『H50』がどのように成長していって欲しいと思っていますか?

犯罪の数も限りがあるので、長い期間作っている作品だと最新シーズンで初期シーズンのコンテンツが流用されることもある話で。そういう点では『H50』はアレックスとスコットのやり取りがすごいおもしろいので、もう少しキャラを成長させて、役者としても感情移入出来る犯罪、重みのある犯罪っていうのがもっとあったらいいなと思いますね。そして、レンコフ氏が言うように、型破り的なことをもっとやっていけば、同じ犯罪であっても違う入り方をすることによって、また新たな気持ちで見ることができると思うんです。

その一方、僕らの視聴者たちが、ドラマに期待しているということも分かっているので、その期待を裏切らないように大切にやっていくことも大事だと思います。
いわゆる日本の時代劇の『水戸黄門』が長く続いた理由の一つに、見ていて安心感があることじゃないですか。必ず悪人がいて「お主も悪よのぉ~」っていうのがあって、「この印籠が目に入らぬか!?」で終わって正義が勝つ...っていうのが必ずあったじゃないですか、そういった「お約束」を期待している方々もいるので、それを忘れずに、そして新たなものにチャレンジ出来ればいいなとは思っています。

――最後になりますが、今回ドラマの企画発案という段階まで関わられましたが、マシ・オカさんにとってドラマの魅力とはなんでしょうか?

ドラマっていうのはキャラクターが家族みたいになっていくので、成長していくのを見守る感じがすごい楽しいんです。僕自身もマンガなどで育っていますが、マンガだと物語が永遠に続く感じがするんですが、アメリカのドラマもそうなんですね。どれだけ続くか、で、どれだけ続きながらキャラたちを演出して育てるか、面白くさせるかっていうチャレンジがあると思います。そして映画では伝えられないストーリーをドラマでは伝えることができるので、そこがやはり面白いですね。

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『HAWAII FIVE-0』マルチエンディングエピソード
AXNにて6月8日(土)23:00から放送!

<当日の放送について>
AXNウェブサイト上で誰が犯人か?を投票すると、リアルタイムで集計。
その場で最も多く票を集めた犯人のエンディングを放送します。

さらに、後日アメリカ版エンディングも放送!
また、全3パターンのエンディングは、AXNウェブサイトで配信。

犯人を決めるのはあなた! ぜひご参加ください!