イスラム国による米記者殺害を受け、『スリーピー・ホロウ』が「首なし騎士」のPRを謝罪

ワシントン・アーヴィングの小説をベースとした、米FOXのホラー・ミステリー『スリーピー・ホロウ』。同作は今月2日、番組の重要なキャラクター「首なし騎士」にちなみ、"HeadlessDay(首なしの日)"と銘打ったPRキャンペーンを開始したが、同日イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に拘束されていた米国人ジャーナリストが処刑され、首を切る様子をとらえた映像がネット公開されたため、急きょプロモーションを中止することになった。

米TMZによると、キャンペーンは『スリーピー・ホロウ』シーズン1のDVD発売を記念して企画されたもの。"HeadlessDay"のハッシュタグを設け、斧を持った「首なし騎士」が「斧のお陰で小顔になったと思わないか?」などとつぶやくブラック・ジョークを次々リリースしていくという内容だった。プロモーションの製作にあたったスタッフは、まさか同日に残虐な処刑映像がネットに流れるとは想像だにしなかったようだ。

この日、処刑されたのは2013年8月に内戦下のシリアで拘束された米国人記者スティーヴン・ソトロフ氏(31歳)とおぼしき男性。8月中旬に初めての犠牲者として処刑された米国人記者ジェームズ・フォーリー氏と同様、ナイフで首を切られ殺害された。イスラム国は米軍によるイラク側での空爆中止を要求しており、まだ数人の米国人を拘束しているものと思われる。

同キャンペーンを企画したマーケティング会社は、次のような謝罪コメントを発表し、ただちにプロモーションを中止した。「"Sleepy Hollow Headless Day"キャンペーンが非常にタイミングの悪いものとなり、深くお詫びいたします。キャンペーンのメールは、すでにスティーヴン・ソトロフ氏の悲報が報じられる前に送信されていたものです。今回の事件を重く受けとめ、ソトロフ氏とそのご遺族に心よりお悔やみを申し上げます」。また、番組を製作する20世紀フォックスも、キャンペーンの時期の悪さを謝罪するコメントをリリースしている。(海外ドラマNAVI)

Photo:『スリーピー・ホロウ』(C)2013 Fox and its related entities. All rights reserved.