9月19日(月・祝)に海外ドラマ専門チャンネルAXNで無料放送される「AXN独占生中継!第68回エミー賞授賞式」。そのメインMCを務める春風亭小朝さんとSHELLYさんに直撃インタビュー! 海外ドラマとの関わり合い、授賞式の見どころ、賞をめぐるドラマなどについて語ってもらった。
――まずはお二人のプライベートにおける海外ドラマとの関わり合いを教えていただけますか?
小朝:海外ドラマがないと生活ができないくらいですかね。365日のうち200日くらいは、何かしらの海外ドラマを観てから寝るようにしているんですよ。それ以外の日はAKBのオンデマンドを観ています。
――(笑) 海外ドラマの占める割合が大きいんですね。
小朝:大きいですよ。ここ10年くらいは、映画を観た時に、例えばジャンル分けをして、「このジャンルで、この映画はあのドラマより面白いか?」という風に判断するんですよ。そうすると負ける映画が多くて、海外ドラマにかなり軍配が上がっていますね。それに海外ドラマって日本のより面白いでしょ。だから、いろんな意味で海外ドラマは凄いですね。
――そんな風に海外ドラマを観るようになったのは、いつ頃からですか?
小朝:思い起こせば、『グレイズ・アナトミー』とか『プリズン・ブレイク』『SEX AND THE CITY』『24 -TWENTY FOUR-』あたりなんですよね、スタートは。順番はちょっと分からないんですけど、あの辺からずっと見てました。
SHELLY:私は父がアメリカ人なので、割と当たり前にアメリカのTVは見ていたんですけど、昔はNHKとかでたまに流れる海外ドラマが、父も一緒にみんなで見られて束の間の家族団欒を楽しめる時間でしたね。日本のバラエティ番組は大好きですけど、父が全くついてこられなかったので。だから、海外ドラマをやっている時には必ずチャンネルを合わせるようにしていました。
小朝:何語で見てたの?
SHELLY:英語です。だから、たまに日本語吹替えしかなくて副音声の英語にできない時は「え?」って(笑)
――「TV界のアカデミー賞」と言われるエミー賞の魅力とは何でしょう?
小朝:近年では、価値観が変わったということが一番大きいんじゃないんでしょうかね。「TV界のアカデミー賞」というくくりはもう要らないんじゃないんですか。エミー賞はエミー賞で独立して。アカデミー賞よりエミー賞を支持する方もいるだろうし。役者さんには映画向きとTV向きの方がいらっしゃいますけど、TV向きの方にとってはエミー賞の方が大きいイベントだと思いますね。
SHELLY:華やかなところだと思いますね。出席するスターの衣装もすごくきらびやかですし、司会者も有名な人が務めていたりして、有名人と有名人の掛け合いも面白いですよね。たまに客席が映された時にスターたちの様子を見て、「あ、ここ仲がいいんだ」と思ったり、逆に「あれ、あそこ喋ってないけど、仲悪いのかな」とか勝手に想像して、ドラマの中では目にできないスターたちのリアルな姿が見られるのが好きです。
――ビギナー向けに、エミー賞の見どころを教えていただけますか?
SHELLY:アメリカでは、授賞式に伴侶などを一緒に連れてくるんですよ。日本だと出席するのはノミネートされている本人だけで、やっぱりそれも仕事の一つ、という感じですが、アメリカでは招かれたパーティという雰囲気で、子どもや母親を同伴したりもするんですよね。だから、「隣に座っている人、誰だ?」と思ったら奥さんだったりするんです。普段はネットで見るだけだったその人の家族や、人となりといった素の姿が実際に見られるのは面白いですね。ジョン・ボン・ジョヴィの高校の時から付き合っていた奥さんが見られたりとか。
小朝:まったく同じ意見ですね。
一同:(笑)
――同じような業界にいる人間として、こういう授賞式には感情移入するものですか?
小朝:いや、できないですね。裏がどうなっているんだろうって思っちゃうので。(受賞に関して)これでしょ?なんでこっちなわけ?とかありますから、どういう力関係なんだろうってところが気になっちゃいます。ドキドキしますよね。裏も読むし、当事者の気持ちも考えるし、みたいなのがあるわけですよ。納得いかないってのは結構あるんじゃないですか? 連続受賞って、よほどのものじゃないと駄目じゃないですか。なんで連続する?って話ですよね。特に海外ドラマの女優・男優っていうのは、レベルが高いんで。だからそのレベルで2年続けて獲るっていうのはよほどですよ。
――そういうのをツッコミながら見るんですか?
小朝:いやいや、わけが分からないから、何があったんだ?どういうことなんだ?という感じですね。
――今年のエミー賞で特に注目している部門などはありますか?
小朝:何を今良しとしているのかが読みづらいというのはありますね。例えば、今回ノミネートされている『ハウス・オブ・カード』の最新シーズンをついこの間見終わったんですけど、作品が面白くなっているんです。面白くなっているということは伸びたということだから、獲って不思議はないんだけど、多分獲らないと思うんですよ。何が獲ると思いますか?と聞かれたら全く分からないですね。ハッカーが主人公の『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』も好きだし。全部獲ってもおかしくないんですよ。ただ、なんでこれはずっと獲れないのか、というものもあるので、受賞の判断基準が気になりますね。
SHELLY:今年に限った話ではないのですが、ジャンルの分け方は面白いですよね。コメディといっても、「え、これコメディだったの?」という作品が入っていたりしますし、一口にドキュメンタリーと言っても、正統派のものから、すごくふざけた趣向のものも含まれますし。
――今年の授賞式をお二人で中継されるわけですが、どういう風に中継されるイメージですか?
小朝:先程も言いましたけど、どこに落ち着くのか、ということですよね。落ち着いた後に、なぜこれだったのか?という理由を自分なりに考えるでしょうね。あとは、音楽といった技術的な部門については、受賞が分かった後でその視点で見直すとまた違った印象を受けたりするんでしょうね。
――個人的に注目されているのは?
SHELLY:私は自分が好きなコメディですね。
――笑いの世界に身を置いていらっしゃる小朝さんの場合、コメディに関しては辛口になることもあるのでは?
小朝:いや、そんなことはないですよ。コメディの場合、コメディをやっていない人の演技を楽しく見ることはありますね。『アリーmyラブ』の変てこな弁護士(ジョン・ケイジ役のピーター・マクニコル)が、『24』ではすごく切れ者の役をやっていて、全然違う演技をしているんですよ。コメディに出ているコメディじゃない芝居をする人を見るのは楽しいですね。「こんな面があるんだ」って。
――今回の授賞式のホストはジミー・キンメルが務めるのですが、彼には何を期待されますか?
SHELLY:ジミー・キンメル、大好きです。彼がやっているトークショー番組『Jimmy Kimmel Live !』が日本ではやっていないのでネットで見てるくらいなんです。彼は、街中インタビューで一般の人にちょっとバカな質問をしておバカなことを言わせたりとか、有名人にわざと自分の悪口が書かれたツイッターを読ませたりする人なので、そんな彼が授賞式で有名人相手にどこまで切り込んでくれるのか、楽しみですね。
――レッドカーペットの見どころを教えていただけますか?
SHELLY:少しナナメからの視点になっちゃうんですけど、近年、エミー賞やアカデミー賞のレッドカーペットにおける女性への質問が問題になってきてるんですよ。誰の服を着ているのかを聞くのは女性差別で、仕事のことを聞いてほしいって。インタビューする側は盛り上げようと試行錯誤するんですけど、相手側は「それじゃ、あたしはマネキンじゃない」って反発していて。そういう反発する人たちの中には、あえて素足だったり、ノーメイクで登場する人もいるんですよ。だから、今回もそういう人がいないかな、とは思っています。レッドカーペットってみんなすごく華やかにしているんですけど、そんな中で誰かヌケた格好をしている人がいたら、その人なりに伝えたい熱い思いがあるかもしれなくて。そういうところもアメリカっぽいな~って。まあいいじゃんってのがないんですよね。
――最後に、海外ドラマの魅力をあらためて教えていただけますか?
小朝:やっぱり脚本が素晴らしいですよね。脇役って言えないくらいにみんながいい芝居をしますし。日本のドラマと決定的に違うのは、やはり脚本がいいと役者が妙なタメを作らなくていいんですよ。脚本が良くないと、演じる側は説明しないと不安になっちゃうんです。だから余計な演技を加えてしまうんですね。一方、海外の場合は脚本がいいのでそれに任せられる。スポッと入ればいいので、その分、テンポが上がるんですよ。だから、日本の役者に同じことやらせたらもう少しタメるなってところをタメなかったりするんですね。でもちゃんと表現できている。演技力の差もあるけど、やはり脚本の力はかなりありますね。
■放送情報
・「AXN独占生中継!第68回エミー賞授賞式」(無料放送)
...9月19日(月・祝)7:55~12:30
・春風亭小朝さんとSHELLYさんがエミー賞の魅力を紹介する特別ミニ番組「This is EMMY!!」
...9月17日(土)13:00~19:30・9月18日(日)13:00~18:30
「エミー賞放送記念 AXN海外ドラマ祭」の特集内で放送
(※無料放送ご視聴には、110度CS対応デジタルテレビまたはレコーダーと、BS/110度CS対応アンテナが必要です)
AXN公式サイトはこちら
Photo:春風亭小朝さん、SHELLYさん