マーベルとNetflixが贈る『Marvel ルーク・ケイジ』に、シーズン2が登場。驚異的な肉体のパワーを手に入れた男がヒーロー"ルーク・ケイジ"となり、ハーレムの街を悪の手から守ろうと奮闘する。今シーズンでは、さらに魅力を増した敵がルークの前に立ちはだかる。
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■脱獄犯が街の英雄に
マーベルの多くのヒーローと同じく、ルーク(マイク・コルター『グッド・ワイフ』)も元は普通の人間。元恋人を巡って親友の恨みを買い、罠にはめられて刑務所に送られてしまう。所内で持ちかけられた取引は、人体実験。人間離れした腕力と不死身の肉体を手に入れ、不当な扱いを受けた日々に別れを告げるべく、脱獄する。所持金もなく途方に暮れるのも束の間、その強靭な身体を生かし、ハーレムの街を守るヒーローとしてその名を馳せるのだった。
シーズン2では、街は自分のものだと言い放つ新たな敵、ブッシュマスター(ムスタファ・シャキール『LAW & ORDER』)が登場。英雄としての名声が日増しに高まるルークに対抗意識を燃やし、ハーレムの街の女王を自負するマライア(アルフレ・ウッダード『デスパレートな妻たち』)の存在も気がかりだ。名声には興味がないルークだが、かつて愛する人を失った悲しみから、街を守ることを自身の使命と捉えている。強力かつ残虐なブッシュマスターを相手に、ルークはハーレムの平和を維持できるのだろうか。
■シーズン2の敵に注目
ドラマを一層引き立てているのが、悪役の魅力。米Hollywood Reporterは、記憶に残る敵が登場したとし、その存在を歓迎している。素早い攻撃を繰り出すブッシュマスターを前に、パワーはあるが動きの鈍いルークは徹底的に痛めつけられる。
宿敵といえるルークとブッシュマスターだが、時として兄弟のようにさえ感じられることも。米Washington Postは、ブッシュマスターはルークと組んで、強力な帝国を築きたいとさえ考えていると紹介。決して相いれることのない二人だが、状況が違えばお互いに良きパートナーとなっていたかもしれない。敵役のムスタファは、威圧的だけでなく、魅力的でもある立ち居振る舞いを披露し、この悪役に不思議な求心力を与えている。
■プレッシャーがルークを育てる
ブッシュマスターと対峙するルークを成長させるのは、街のヒーローに向けられるプレッシャー。彼の意思に反して、街を守る英雄への期待は高まるばかり。ルークは常に心理的葛藤にさらされることになる。強靭な肉体を持ちながらも、人間らしい感情を守り抜くことは可能なのだろうか? あるいは、英雄としての名声を利用することはどこまで許されるのだろうか...?
米Newsweekでは、こうしたルークの自問自答を通じ、主人公の成長物語をリアルタイムで目撃できることが番組の良さだとしている。アクション満載の典型的なマーベル作品とは異なり、少しずつ観ては、自身の答えを友人と確かめ合いたくなるような作品だ。
Washington Postは、ミスティ・ナイト(シモーヌ・ミシック)に注目。片腕を失った元警官の彼女は、強力な義手の使い手。その有り余る力を正義のために使うべきか、それとも本能に身を任せるべきか決めかねている。精神的苦しみを抱えた登場人物たちの内面に迫る点こそ、本作の最大の魅力だと言えるだろう。
『Marvel ルーク・ケイジ』シーズン2は、6月22日(金)からNetflixで配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『Marvel ルーク・ケイジ』出演キャスト
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