多発する凶悪事件に果敢に立ち向かう特殊部隊S.W.A.T.の活躍を描いた1970年代の大ヒットドラマ『特別狙撃隊S.W.A.T.』の舞台を現代に移して、よりパワーアップしたアクション超大作『S.W.A.T.』。『クリミナル・マインド』のシェマー・ムーアが主演を務める本作のシーズン2が、6月28日(金)よりスーパー!ドラマTVにて独占日本初放送となる。
今回、本作で外画作品の吹替えに初挑戦したドラマや舞台で活躍する俳優、相葉裕樹に直撃! 吹替えを務める向こう見ずなジム・ストリートの魅力はもちろん、試行錯誤をしたという吹替えの感想や好きな海外ドラマについて語ってもらった。
――吹替えを務めるジム・ストリートの魅力を教えてください。
無鉄砲でルールを破ってしまうことが多々あり、本当に先を見ずに行動してしまうタイプです。でも、ポテンシャルが高く、才能あるキャラクターでもあります。
当初は、かなり横柄な態度をとっているのですが、S.W.A.T.のチームのみんなとコミュニケーションをとるようになり、なんとかうまくいくようになっていくんですが、やっぱり彼の向こう見ずなところからS.W.A.T.隊員を外されてしまうことになるんです。でも、どこか人間としての可愛げのあるキャラクターですね。
――ジムの初登場(猛スピードでバイクを飛ばし、警察に追いかけられている)シーンは衝撃的でした。そのシーンを見たときの第一印象を教えてください。(シーズン1の第1話「S.W.A.T. 緊急出動!」)
「えっ、これがジムなんだ」と思いました。まずは、誰がジムなんだろうと思いながらドラマを見ていたんです。「スゴイなあ、ハチャメチャな人が来た。こんな人がS.W.A.T.に入るんだ。よくこんな人を許したなあ」って(笑) S.W.A.T.に入れる段階で止めるべき人間じゃないかなって感じました(笑) なんとか入隊しますが、銃撃されている中に一人で犯人に対して突っ込んだりしますし。
でも男としてその姿は、カッコいいなって魅力的に感じました。トラブルメーカーでもありますが、ムードメーカー的なところもある。そういうハラハラドキドキさせてもらうことがすごく多いキャラクターなので、ジムがいることでこの作品がどんどん進んでいくんです。『S.W.A.T.』という作品の中では、要になるキャラクターですね。
――そんなジムに共感するところはありますか?
何か誇示したい部分とか、上の人に嚙みついてしまうところ、先を見ずに突っ走ってしまう部分とか、後先考えずに行動してしまう部分は、分からなくもないですよね。10代、20代前半の頃は、自分自身もそういうところはあったと思います。ただジムの場合、「まあ、いい大人だよな」と思いながら(笑) そこはやっぱり、まだほんとに成熟しきっていない、どこか子どもっぽいところがあって、愛嬌に繋がっているキャラクターだと思います。
でもそういうところが、ドラマを見ている方にも嫌われないし、どこかワクワクして応援したくなる。ストーリーを追いたくなるキャラクターに描かれているので、ジム・ストリートの魅力になっていると思います。
――破天荒なジム・ストリートの声を務めるにあたって、どんな役作りをされましたか?
まず、外画作品に声を当てることが初めてでしたので、試行錯誤を繰り替えしていました。「僕の声質が果たして演じるアレックス(・ラッセル)さんの声にハマるのか? 正解の声色はなんだろうか?」という不安もあったので、自分で声を録音して確認を繰り返していました。
また、マイクの前でしゃべる数が他の方よりも圧倒的に少なかったので、時間をかけて経験を積んでやっていこうと思いました。ものすごいスキルをもった先輩方が集まっていますので、先輩方から技術を盗もうと、現場に入って学んでいます。演技をする上での基本的な呼吸間であったりだとか、声色であったり、ドラマの状況とか、相手との関係性によって変わってくると思うんですけど、とにかく今起こっていることに集中して演じています。
――吹替えをするジムの声がマッチしていると思いながらドラマを拝見しています。
いやー、難しいです。「まだまだいけるのに」っていうのが正直な気持ちです。僕自身ドラマを客観的に見てですけど、「もっとできるはずなのに」って。「こうしたい、あーしたい」というのがあっても、スキルが追いついていない部分があるんです。やっぱり先輩方と比べると、すごく感じます。
――以前のインタビューでは、「吹替えが初挑戦なのでわからないことが多く、焦ってしまうことがある」とおっしゃっていました。現在シーズン2の収録をされているということで、当初から気持ちの変化や違いなどはありますか?
正直毎回、必死です。収録の準備をした、していないで、明らかに結果に差が出ると感じています。どれぐらいこの『S.W.A.T.』に準備時間をかけられるかによって、出来栄えは変わってくると思います。とはいえ限界はあるので、経験を積みスキルを上げて、正解を叩き出せる時間をどんどん短くしていきたいと思っています。
シーズン1の1、2話の最初の頃と最後の方を聞き比べると、自分で見ていても多少は慣れてきたのかなって思っています。あとは、収録現場の空気感とかには慣れてきました。先輩方がほんとに和気あいあいとした雰囲気を作ってくださるのでやりやすいです。すごく感謝しています。
――同じく、本作が海外ドラマの吹替えが初めてとなるディーコン役の加藤和樹さんが以前、「ホンドー役の咲野(俊介)さんから"楽しんでやってよ"とアドバイスをもらい、リラックスできた」とおしゃっていました。相葉さんも咲野さんとの印象に残っているアドバイスやエピソードなどありますか?
咲野さんはフランクな方で、周囲の方に気を遣ってくださるんです。僕が違うふうに読んだとして、「ここのイントネーションは、こうだよ」って、その場でアドバイスをくださるんです。大先輩ですけど、懐が深い方ですね。座長についていけば間違いないかなって(笑)
――吹替えチームもドラマと同じようにチームワークが強いということですね。
そうですね。時折タン役の手塚(ヒロミチ)くんのことを咲野さんがいじったり(笑) というか、「おい、手塚!」っていう感じで、ほぼ毎日いじられていますね(笑) 演出の依田さんもフランクな方ですので、リラックスして望める収録現場ですね。
――シーズン2の放送も決まって、またみんな集まるということはいかがでしたか?
嬉しかったですね。ほんとにこの貴重な声のお仕事を引き続きやらせていただけるというのは、有難いことです。チャンスがあれば、今後もこういう声のお仕事を続けていきたいと思っていますので、『S.W.A.T.』もシーズン3、4と続いてほしいと心から思っています。
――相葉さんにとって、声の仕事の魅力ってなんでしょうか?
国境を越えられたり、性別や年齢も超えることができますよね。年を重ねても、声が出せたら少年の役を演じることもできますし、そういうところが魅力的なお仕事だなって思います。
あと、自分の姿が映らなくていいっていう(笑) 僕自身、そこも大きいと思います(笑)
――字幕版、吹替版の両方を見る者からすると、吹替版の相葉さんの声は人間的にかわいい人という印象でしたので、愛嬌というところで音響担当のディレクターさんから指示があったのでしょうか?
愛嬌というところでは、特になかったです。もちろんちょっと違うテンションだったときには、「もっとこういうふうな感じで読んで」などその都度指示があります。ジムの持っている愛嬌という意味では、ただつれない態度をしているキャラクターではないので、不器用ですが素直なところもあって、そこがキャラクターとしてしっかり見せられるようにしています。
あと、僕自身が持っている声質が高めですので、ジムにハマればいいなというところでした。ちゃんとジムがしゃべっているように息吹を吹き込むように意識しています。
――声のお仕事で演じてみたい役柄はありますか?
特にこういう役をやりたいというのはないんですけれど、「やらせていただけるのであれば、何でもやらせていただきます」という気持ちですね。声のお仕事に関しては、経験が浅くまだまだですので、まず経験値を積んでいくことを大切にしたいと思っています。
――相葉さんが好きな海外ドラマはありますか?
えー、『ウォーキング・デッド』です。でも、途中で止まっていて、全部見切れていないです...。
――見切ったという作品はありますか?
見切ったがないんですよね。『プリズン・ブレイク』も「面白いな」って思ったんですけど、...途中で止まっているんです(笑)
――傾向でいうと、アクション系・サバイバル系がお好きでしょうか?
あ! そうなのかもしれないですね。ものすごい製作費をかけて作っているじゃないですか。そういうのがほんとに見ていてドキドキしますよね。ストーリーもしっかりしていますし、先が気になる終わり方をしますので。ただ、逃してしまうと途中から見る気がなくなってしまいます。なかなか、難しいポイントだなって(笑)
――でも先ほどもお話にありましたが、『S.W.A.T.』でしたら一話完結で、万が一見逃しても大丈夫ということですよね。
『S.W.A.T.』であれば、いつ見ても大丈夫ですよ(笑) もちろん、人間性が細かく描かれている部分は難しいですけど。ちゃんと起承転結が一話で完結しているので、ちょっと見逃しても、楽しめると思います。
――これから『S.W.A.T.』を見る方、すでにシーズン1を楽しんでいる方、両方の方に今だから言える見どころや注目してもらいたいポイントがありましたら、教えてください。
派手なアクションはもちろんですが、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマもリアルに描かれていて魅力的ですよね。仮にシーズン2から見るという方も、1話完結型の作品ですので、すぐに追いついてこれるんじゃないかなと思います。万が一見逃したとしても、1エピソードで起承転結がしっかりと描かれていますので、途中からでも全然楽しめる作品だと思います。ぜひ、見ていただきたいですね。
――今回、外画作品の吹替えは初挑戦ということでしたが、役柄やプライベートでも、次に挑戦してみたいことはありますか?
アメリカではすでに『S.W.A.T. シーズン2』が放送されていますが、「もし好評でシーズン3があるよ」ということであれば、その時には僕も俳優としてドラマに出たいですね。僕は日本人の観光客として、誘拐されるっていう設定で。僕の声を吹替える必要はないので。ジムに助けてもらって...。あっ! (吹替版だと)変な感じになりますね(笑) 意味わかんなくなりそう(笑)
――最後にシーズン2の放送を楽しみにしている方にメッセージをいただけますか。
『S.W.A.T.』をまだ見たことがない方も、シーズン1の一挙放送がありますのでぜひ見ていただければと思います。ジムがどのようにS.W.A.T.隊員から外されて、彼がどのように変化して、成長していくのかも引き続き、ストーリーを追っていただけたらなと思います。
そして、個性豊かなキャラクターがまたどのように展開していくのかも、派手なアクションもありますので、懲りずに追い続けてください(笑) 宜しくお願いします。
『S.W.A.T. シーズン2』は、6月28日(金)22:00よりスーパー!ドラマTVにて独占日本初放送スタート。またシーズン2放送開始特別企画として、シーズン1の全話一挙放送も6月14日(金)よりスタート。『S.W.A.T.』を見て、視聴記録やレビューを海外ドラマNAVI作品データベースでチェックしよう!
■そしてインタビューの最後に、当サイトをご覧のみなさんへの特別メッセージを頂きました!
Photo:
相葉裕樹/『S.W.A.T. シーズン2』
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スタイリスト:小田優士
ヘアメイク:福岡亜樹