3月20日より配信され世界中で話題をさらったNetflixのドキュメンタリー番組『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』は早くもドラマ化の企画が次々と上がっているが、今回新たにオスカー俳優を主演にした企画が持ち上がった。米Varietyなどが報じている。
『タイガーキング』は、トラに魅せられたエキセントリックな私設動物園の園長、ジョー・エキゾチックが犯した罪の数々や私恨、トラの繁殖にまつわる知られざる裏の世界を描くドキュメンタリー番組。「事実は小説よりも奇なり」を地でいく内容がウケて、配信開始後10日間の米国内における合計視聴者数が3430万人に上った。これは、同じNetflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3が樹立した3630万人に迫る好成績だ。
今回持ち上がった企画で、強烈極まるキャラクターのジョーを演じるのは、映画『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞主演男優賞を獲得し、『ナショナル・トレジャー』『ゴーストライダー』『ファイス/オフ』『月の輝く夜に』など100本以上の作品に出演し、プロデューサーとしても活躍するニコラス・ケイジ。映画俳優として活動してきたニコラスにとっては本作が初のドラマシリーズ出演となる。2007年に米Syfyのファンタジードラマ『ドレスデン・ファイル』の製作総指揮を務めたが、その際は出演はしていなかった。
ニコラスが主演する全8話のこの新作は、リーフ・リーグスタッドが執筆した記事「Joe Exotic: A Dark Journey Into the World of a Man Gone Wild(原題)」が元となる。エミー賞候補になったNetflixの疑似ドキュメンタリー『アメリカを荒らす者たち』のダン・ラガナが脚本、ショーランナー、製作を担う。主演のニコラスも、ポール・ヤング(『キアヌ』)、ブライアン・グレイザー(『24 -TWENTY FOUR-』)らとともに製作総指揮に名を連ねる。
リーグスタッドは「『アメリカを荒らす者たち』の時からファンだったラガナ氏が私の記事に命を吹き込んでくれると知り、夢のようです。彼が製作する本作をとても楽しみにしています。さらにジョー役にニコラス・ケイジというキャスティングも完璧だと思っています」とコメント。一方、ラガナは「本作では、(ドキュメンタリー版とは)全く異なる視点でキャラクターを見ることになるでしょう。すでに皆さんはこのストーリーの一つの側面を知っていますが、この新作ではタイムラインを広げ、この物語の隅から隅まで満喫できるものになるでしょう」と発言し、ヤングは「ニコラスは本作にとって理想的な俳優です。彼はジョーに人間味をもたらしてくれるでしょう」と続けている。
なお、『タイガーキング』はすでに他でもドラマ化が進んでいる。先日報じられたのは、『Glee/グリー』『アメリカン・ホラー・ストーリー』といった人気ドラマを生み出してきたライアン・マーフィーと、『コード・ブラック 生と死の間で』などで知られるロブ・ロウがタッグを組むドラマシリーズ。また、ジョーが人を雇って殺害しようとしたトラの愛護活動家キャロル・バスキンを主人公にしたミニシリーズも企画されており、そちらでは人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』出身のコメディエンヌ、ケイト・マッキノンが主演・製作を務める。
配信開始から1ヵ月あまりで関連作製作が3作も進められている『タイガーキング』。いずれの作品も気になるところだが、ついにドラマ界へ本格進出するニコラスの新作には特に期待したい。
ドキュメンタリー番組『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』はNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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『リービング・ラスベガス』でアルコールによって身を滅ぼしていく破滅的な男を演じ、32歳でオスカーに輝いたニコラス・ケイジ。ジョー・エキゾチックより一つ下の現在56歳
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