今年5月にミネソタ州ミネアポリスで、無抵抗の黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件をきっかけに、黒人の人々の権利を守る運動「Black Lives Matter」が世界中で巻き起こった。その影響により、アメリカの刑事ドラマや警官の描かれ方が見直され始め、その点について犯罪アクションドラマ『S.W.A.T.』のキャストとクリエイターが語っている。
『S.W.A.T.』でダニエル・"ホンドー"・ハレルソンを演じるシェマー・ムーアと、クリエイターを務めるショーン・ライアンとアーロン・ラサーン・トーマスが米Entertainment Weeklyのインタビューに応え、これからシリーズがどう変わっていくかについて議論した。
「ジョージ・フロイド氏の死がきっかけで起こった暴動が、刑事ドラマの描写に影響を与えると思いましたか?」と質問され、シェマーが次のように答えている。「僕にとっては、上から目線や説教臭くならずに、威厳ある高いクオリティのコンテンツを考えることがすごく大切なんだ。その機会はあったと感じたし、悟った状態でい続けることは大きな責任が伴う」と言い、シェマーは主演するだけでなく製作も務めているため、刑事ドラマや警官の描かれ方に責任を感じているようだ。
続けて、「これから視聴者は、TVドラマで覚醒した警官をもっと目にするようになるのでしょうか?」と聞かれ、トーマスは、これまでにそういった警官をTVで見た覚えがないとコメント。「悟りを開いた警官がどんな風に見えるのか、これまで目にしたことがあるかどうかわからない。アフリカ系の子どもとして育ったから、そんな"目覚め"た(TVドラマの)警官の名前を挙げられるかどうか確かじゃないね。アンディ・シポウィッツ(『NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署』のキャラクター)やコジャック(『刑事コジャック』の主役)みたいなのはたくさん見たけど。『CSI:科学捜査班』のギル・グリッソムもだ」
トーマスは、これまでTVドラマでは黒人に対する警官の接し方などが正しく描かれていなかったと強調し、今後はそういった要素を取り入れて新たなフェーズに突入したとも述べている。
加えてシェマーは、これまでにも『S.W.A.T.』では部隊と黒人コミュニティの関係を取り上げており、伝えたいメッセージとエンターテイメントのバランスが取れていることにも言及。TVドラマが世界中の不正を正すことはできないが、少なくとも視聴者に考えさせることは可能で、『S.W.A.T.』は登場人物の人間的な側面を上手く描けていると思うとも語っていた。
「Black Lives Matter」が、いかに物語に反映されているか注目したい『S.W.A.T.』シーズン4は、米CBSにて11月11日(水)より放送スタートしたばかりだ。日本ではシーズン3がスーパー!ドラマTVにて放送中。(海外ドラマNAVI)
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