Netflix『バイオハザード:インフィニット ダークネス』レオン役の森川智之&クレア役の甲斐田裕子に直撃インタビュー!

今年25周年を迎える『バイオハザード』シリーズ初の連続CGドラマとなる『バイオハザード:インフィニット ダークネス』。7月8日からの配信開始に先駆け、主人公二人の声を担当する森川智之と甲斐田裕子に直撃インタビューを行った。

『バイオハザード:インフィニット ダークネス』は、『バイオハザード』シリーズの人気キャラクター、レオン・S・ケネディ(声:森川智之)とクレア・レッドフィールド(声:甲斐田裕子)の二人を主人公にストーリーが展開していく。海外映画・ドラマの吹替でもおなじみの森川と甲斐田に、本作の魅力やキャラクターを演じるうえで心掛けたことなどを伺った。

――本作では、レオンはホワイトハウス内で正体不明のゾンビと遭遇する一方、クレアはペナムスタン在留中に出会った少年の絵をきっかけに独自の捜査を始める......と、それぞれの視点で物語が動きます。本作の話を聞いた際の率直な感想をお聞かせください。また、台本を読んで感じたことは?

森川:とにかく映像に負けないようにしたいと思いました。『バイオハザード』シリーズは新作が出るたびにCGが進化していく。距離感とかにおいを感じるくらいリアルなので、台本を読みながらどんな映像になるんだろうと想像していました。

甲斐田:CGドラマ化の話を聞いて、まずクレアの出番はどのくらいあるのかな?って(笑)想像していたよりも出番があって嬉しかったです。レオンとはずっと一緒に行動するわけではなく、それぞれがお互いの道でゴールを目指していく点は、ゲームと同じでしたね。

森川:今回は特に、レオンとクレアの歩む道の違いが明確に表れているよね。

甲斐田:いつも違う道を行きながら、たまに交わって、また違う道に......の繰り返し(笑)

――『バイオハザード』シリーズ初心者の方に向けて、本作の魅力を教えてください。

森川:本作は『バイオハザード』シリーズに初めて触れる人でも楽しめる内容になっています。これまでの伏線や小ネタが散りばめられているので、長年のファンの方にももちろんお楽しみいただけます。本作を視聴して「これはどういうこと?」と気になったら、前後にあたる作品を見てもらえれば、初心者の方でもやさしく『バイオハザード』の世界に入っていけるかな。

甲斐田:今回はゲームではなくCGドラマなので、安心して観られますよね。先日、ゲームをプレイしたんですけど、初っ端から殺されまくって(笑)ドラマなら自分でプレイしなくても一歩引いたところからストーリーを楽しめるので安心です。

森川:ドラマはコンテニューしなくていいもんね!(笑)

――本作のテーマの一つに「恐怖」がありますが、お二人は何に対して「恐怖」を感じますか?

森川:本作でもあるキャラクターが言っていますが、やっぱり「人」ですね。恐怖は人間が生み出すものですし。

甲斐田:私も「人」です。たった一人が怖いというよりは、人数が増えて組織化したときの同調圧力が怖いです。正しいことを言っているのに、それが認められないとか。今の世の中でもそういうニュースが多いですよね。

森川:確かに、重なるところはあるよね。

甲斐田:ドラマとかフィクションの世界なら、レオンやクレアみたいな人が出てきてバシッと悪を成敗してくれるんですけど。そういう人がいない現実世界は怖いなと思います。

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――『バイオハザード』シリーズで長く愛され続けているレオンとクレアですが、その人気の秘訣は?

森川:レオンは、みんなが求めるヒーロー像そのもの。ピンチに陥っても、逃げずに攻めていく強さがある。あとは、完全無欠ではない等身大の青年であるところも魅力的だと思います。最初、新米刑事として登場したときは初々しかったけど、さまざまな経験を重ねてどんどん格好良く成長していく。その成長ぶりが、ファンからしたら堪らないんじゃないかな。

甲斐田:クレアの魅力は、なんと言っても"正義感の強さ"。大きな悪にも怯むことなく立ち向かっていく芯の強さは、ただの女子大生だった初登場時から変わりません。ほかには、弱者への慈愛に満ちているところや、「この人についていけば大丈夫!」という不思議な安心感が親しみやすさを生んでいるのだと思います。

――お互いから見て、レオンとクレアの二人についてどう思われますか?

森川:相当な修羅場を搔い潜っただけあって、ひさしぶりに会っても軽く冗談を言い合える関係性なのがいいですよね。

甲斐田:これまで、森川さんと一緒に収録することは一度もなかったんです。だから、森川さん演じるレオンの声は完パケ(完成された映像)をもらったときに初めて聞くんですけど、登場するときの格好良さは段違いだなと! 特殊なマイク使ってるんじゃないの? って思っちゃいます(笑)

森川:付き合いが長いので、お互い勝手知ったるというか。

甲斐田:自宅で台本チェックしているときから森川さんの声が聞こえてきますもん。

森川:僕も甲斐田さんの声が聞こえてくる(笑)でも、それはいいことだよね。さすが、第13回声優アワードで外国語映画・ドラマ賞を一緒に獲った二人!

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――お二人は10年以上レオンとクレアを演じられていますが、今回演じるうえで気を付けられた点は?

森川:『バイオハザード』シリーズは、毎回時代設定が異なるところがポイントの一つ。今回のレオンは30代目前で、僕的には演じやすい年齢感でした。21歳のレオンを演じた『バイオハザード RE:2』が一番しんどかったので(笑)とはいえ、本作でもレオンの正義感や信念の強さはブレることがないので、そこは意識しました。あと、今回はゲームではなくドラマなので、全体を通して楽しみながら役作りできたかな。そういう意味では、収録時に手ごたえを感じましたね。

甲斐田:本作は『バイオハザード ディジェネレーション』(2008)の1年後の設定なんですけど、10年以上前に収録していた作品の1年後を演じるので、当時を思い出すのに苦労しました。私はよく演技がふけがちって言われるので、ドシっとしすぎない20代後半のちょうどいいラインを目指さなきゃって。でも、私も一番苦労したのは大学生のクレアを演じた『RE:2』かな(笑)

――作品ごとに演じる役の年代が異なりますが、どうやって演じ分けていますか?

森川:声質はもちろんですが、特にメンタル面を重視しています。正直、声の高低差のコントロールはそこまで難しくないんです。それよりも、物事の見方、考え方みたいなところを台詞で表現できるよう意識しています。たとえば、若いときって経験値が浅い。まっすぐにしか物事を見れなかったり......そういう不器用なところが表現できるよう気をつけています。

甲斐田:私も、気の持ちようだなと思います。ほかには、呼吸の仕方を意識して使い分けています。若い声を演じるときは、呼吸をちょっと浅くして、成熟していったら安定した呼吸に......といった差別化ですね。

――特に若い年齢を演じる際のメンタル面は、どう作り出していますか?

甲斐田:過去の自分を思い出すというよりは、実際に今を生きている若い世代の人を観察します。あとは、当時演じていた自分の声をもう一度聞いたり。

森川:それが呼び水になるよね。記憶って薄らいでいくじゃないですか。だから、ヒントとなるものを見て自分の記憶を呼び起こす。「あの時はこういう声だった」って完璧に記憶できればいいんですけど、それはできないので。

甲斐田:以前、自分より年上の役を演じるときにどう表現したらいいか迷っていたことがあります。そんなとき、電車で隣に座っていたご婦人が話していたトーンが私の求めるものそのもので! そうやって、日常の中で聞き耳を立てて研究することもありますね。

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――本作はフル3DCGアニメですが、実写作品と見紛うリアルさを感じます。収録にあたり、実写作品の吹替との違いはありましたか?

甲斐田:映像は収録の段階からほぼ出来上がっていましたね! アニメっていう意識はまったくなかったです。取り組む気持ちとしては「吹替作品」。

森川:原音もついていたし、僕も吹替の感覚で収録しました。

甲斐田:台本も指示が細かかった。聞こえないんじゃない? ってシーンに「息」って指示があったりして。このシーンの「息」は「気づきの息」だなというように、自分の中で納得をしながら下読みをしていました。特に、今回は実写みたいに映像がリアルとはいっても3DCGなので、人間らしさを出すためにも息遣いを丁寧に拾っていきました。呼吸がしっかり聞こえると、生気が出てくるかなって。

森川:台本に書かれていない、"文字じゃない台詞"のほうが意外に大事というのは僕も思いますね。そこが、アニメとは違うのかな。アニメはカットで場面が切り替わっていきますけど、今回は映画と同じでシーンで録っていくから、その場にずっと存在しているような感覚がありました。

――お二人とも、レオンとクレアを10年近く演じられています。実写作品の吹替でも多くの俳優の専属声優として長年ご活躍されていますが、苦労されることはありますか?

森川:本作のレオンと実写作品のキャラクター......たとえば『ミッション:インポッシブル』シリーズのイーサン・ハント(演:トム・クルーズ)では、演じ方が変わってきます。レオンの場合、レオンを演じている俳優さんがいないので映像の中の彼がすべて。そういう意味ではニュートラルに役と接することができます。すんなりと役に落とし込むことができるんです。実写作品の吹替の場合は別のリサーチが必要。「トムは今回どういう気持ちで役を受けたんだろう?」「どんな気持ちで演じているんだろう?」などを考えながら演じます。そのために、海外のインタビュー映像を見るなど情報収集をしてから臨みます。

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作品情報

Netflixオリジナルアニメシリーズ
『バイオハザード:インフィニット ダークネス』

原作・製作・監修:株式会社カプコン
監督:羽住英一郎
脚本:武藤将吾、羽住英一郎
エグゼクティブプロデューサー:小林裕幸(カプコン)
製作プロデューサー:篠原宏康(トムス・エンタテインメント)
プロデューサー:古屋厚(ROBOT)
CGプロデューサー:宮本佳(Quebico)
フル3DCGアニメーション制作:Quebico
制作プロデュース:トムス・エンタテインメント
クリエイティブアドバイザー:トニー石塚(Sony Pictures Entertainment)
音楽:菅野祐悟
コピーライト:©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

日本語吹き替えキャスト:
レオン・S・ケネディ:森川智之
クレア・レッドフィールド:甲斐田裕子
ジェイソン:立木文彦
シェンメイ:潘めぐみ
パトリック:野島健児
グラハム大統領:井上和彦
ウィルソン国防長官:田原アルノ
ライアン大統領補佐官:小形満

話数:全4話
配信日:Netflixにて2021年7月8日(木)より、全世界独占配信
Netflix作品ページ:www.netflix.com/biohazard_anime
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(海外ドラマNAVI)

Photo:

森川智之&甲斐田裕子
『バイオハザード:インフィニット ダークネス』Netflixにて2021年7月8日(木)より、全世界独占配信