スマホよりTVを見て!米CBSが始めた宣伝方法、『NCIS』『FBI』視聴者は混乱

大ヒットドラマ『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』(以下『NCIS』)や『FBI:特別捜査班』(以下『FBI』)シリーズを手がける米CBSが、放送時のコマーシャル枠でこれまでなかったことを行い、視聴者を混乱させていると言われている。米TV Lineが報じた。

この秋、『NCIS』放送時のコマーシャル中に突然スピンオフの『NCIS: Hawai"i(原題)』の長いシーンが流れ、もともと見ていた『NCIS』のエピソードの終わりを見逃したと勘違いしている人が多いという。この新しいスタイルのCBSのプロモに対する反応は、賛否両論のようだ。

ある視聴者は「とても変ね。はじめて見たときは、フィードが間違っているのかと思った」と言い、別の人は「『FBI』を見ていたのに、テレビが不具合を起こして急に(スピンオフの)(『FBI:International(原題)』になったと思って、とても混乱した」と述べた。また「このコマーシャルに入れ方はすごく嫌だ」と嫌悪感をあらわにするものもいるが「ちょっと違和感があるけど、彼らがやろうとしていることはわかる」と理解を示す人もいる。

ではCBSは何をしようとしているのだろう? 簡単に言うと、コマーシャルの間もテレビから目を離させないようにしているということだ。映像作品がひしめく昨今のエンターテイメント業界では、「視聴者を惹きつけるために新しいテクニックを試さなければならない」と、CBSの関係者は語る。我々が慣れ親しんできた10秒のコマーシャル映像は「一般的にはもう効果的ではない。皆忙しく、携帯電話を常に見ているからだ」と言う。

従来米国では、スピンオフなどの次の番組のコマーシャルは、前の番組の終了後すぐに放送されている。つまり、『NCIS』の放送が終わった直後に「この後は『NCIS: Hawai"i』が始まります」という宣伝が入るのだ。

だが、この新しいやり方では、見ていた作品の最後を見逃したと驚き、スマホよりテレビを見てしまうというのが狙いで、視聴者はCBSの手口にはまっていると言っても良いだろう。プロモ部門の仕事は、視聴者に商品、つまりこの場合はスピンオフ作品を見せ、興味を持ってもらい、うまくいけばこのままチャンネルを変えずに見てもらうことだからだ。

また、CBSは宣伝のために「The Fight for Justice Never Sleeps(正義のための戦いは決して終わらない)」という宣伝キャンペーンで、夜10時台のドラマをアピールしている。このキャンペーンは、『NCIS: Hawai"i』、そして『CSI: 科学捜査班』の続編となるリブート版『CSI: Vegas(原題)』、『BULL/ブル 法廷を操る男』などの番組が、前の時間帯に比べて視聴率が向上しているという事実に基づいている。22時台のドラマの宣伝に力を入れることは、後続のローカルニュースや、深夜のトーク番組『The Late Show with Stephen Colbert(原題)』へ視聴者を誘導するということにもなる。同トーク番組は、米ABCと米NBCのライバル番組の視聴者数を上回る数字を誇っている。(海外ドラマNAVI)

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『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』シーズン16(c)2018 CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved
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