『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』にダブル主演したマシュー・マコノヒーとウディ・ハレルソンが主演&製作総指揮を務めるApple TVの新作コメディ『ブラザーズ』。30年来の付き合いで大親友の二人が“架空の本人役”マシュー&ウディを演じる予測不能で最高にハチャメチャなセルフパロディの異色コメディだ。二人の長年の友情を揺るがすのは、実は異父兄弟(実の兄弟)かもしれないというまさかの疑惑で…。マシューとウディに、出会いや二人の関係、本作が生まれた経緯やパロディの自分と実際の自分の違いなど、様々な話題について語ってもらった。
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マシュー・マコノヒー×ウディ・ハレルソン主演の異色コメディ『ブラザーズ』9月23日(水)配信開始!
『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』に主演したマシュ …
「この男は何者だ? 面白い奴だな」と思ったのが始まり
――今回のドラマ『ブラザーズ』でのお二人はご自身をさらにデフォルメしたようなキャラクターを演じられていますが、実際の自分もこうであったらいいのにと思うような、付け加えた設定や脚色はありますか?
マシュー:かなり脚色を加えたからね。もっと自分自身がこうだったらと思うような点か…ウディ、何かある? 「マコノヒー、もっと普段からこうしてくれよ」と思うような部分はあった?
ウディ:いや、彼は最高だったよ。自分自身のままでありつつ、少しだけテンションを高めた感じだったね。
マシュー:君自身もそうだったろ?
ウディ:まあ、少しだけね。

――お二人はハリウッドでも屈指の長く固い友情で知られています。お互いの最初の記憶と、相手の最高の長所、そして最大の短所を教えていただけますか?
マシュー:初めて出会った時期について、僕らの記憶はズレているんだ。
ウディ:僕には(初対面の)記憶があって、彼にはないってことだけどね(笑)
マシュー:そう、ウディが主張する初対面の時期よりも僕の記憶は1年くらい後なんだ。でも、多分ウディが正しい。CAA(クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー)のパーティで会った時のことは覚えているよ。昼の1時に彼がやってきて、「おいマコノヒー、テキーラのショットをやらないか?」って言ってきたんだ。「おいおい、まだ昼の1時だぞ。午後に予定があるんだ」と返したら、「たった1杯のショットで何が変わるってんだ?」と言われてね。結局その1杯が引き金になって記憶が飛んでしまい、僕の記憶から抜けているのかもしれない。僕がはっきり覚えているのは、その1年後の映画『エドtv』の撮影現場だ。彼が道を通って歩いてくる音が聞こえてね。ロードバイク用のビンディングシューズ(※ペダルに固定する専用靴)を履いていたんだ。
バイクに乗るわけでもないのに、衣装の一部として日常生活でそのシューズを履いていた。コンクリートの歩道からカンカンと音が響いていてね。「この男は何者だ? 面白い奴だな」と思ったのが始まりさ。
ウディ:お褒めいただき、ありがとう。
マシュー:彼の好きなところの一つに「ビギナーズ・マインド(初心)」がある。といっても、子どもっぽいのではなく無邪気なんだ。毎回、初めて見るかのようなリアクションをする。僕のコーディネートを褒めてくれるのも40回目くらいなのに、まるで初めて見たかのように感動してくれるんだ。過去の39回を忘れているのか、それとも本当に純粋な初心で見ているのかは分からないけれど(笑)
ウディ:いや、君がおしゃれだからだよ。会う度に新しいスタイルを見せてくれるだろ。
マシュー:そうだね。
ウディ:毎回とは言わないまでも、ほとんど常にスタイリッシュだよ。

マシュー:先日のエミー賞で、彼がベストドレッサーに選ばれたのを知ってる? 赤いシャツを着ていたやつさ。ドラマ『ウィドウズ・ベイ』が2つ目の賞を獲得した時の画像を見たかい? プロデューサーのすぐ後ろで赤いシャツを着て立っている男だよ。
ウディ:僕は『ウィドウズ・ベイ』のチームにプレゼンターとしてトロフィーを渡しただけなんだ。ステージに上がってきた彼らに挨拶をしようとしたら、トロフィーを手渡した流れで、スピーチをしている女性のすぐ後ろにそのまま残ってしまってね。
マシュー:ガッツリ真後ろに陣取っていたよ。
ウディ:最初は自分が輪のど真ん中にいることに気づいていなかったんだ。ふと横を見たら、(同じくプレゼンターを務めていた)マシューが少し離れた袖の方に立っていて。「あれ? 彼も輪の中にいると思ったら端にいるぞ。僕だけこんな真ん中にいる」って気づいた。その時点で「今さら画面の外にコソコソ逃げる方が格好悪いな」と思って、開き直ってそのまま立っていたんだ。
マシュー:そこがウディの最高に好きなところなんだよ。「下手に動く方が格好悪いから、開き直ってここに居座ろう」と決める感じがね。
――前回の共演作『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』から、俳優同士としての関係性はどのように進化しましたか? また、本作で演じたフィクション版の自分たちは、現実の友情をどのように反映していますか?
ウディ:まったく似ていないよ。『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』の時の彼はラスト・コールになりきっていて、撮影中の10日のうち9日はひっぱたきたくなるくらい鼻につく奴だったからね(笑) マシューは丸一日役に入りっ放しで、一日の撮影が終わるまでまともに会話すらできなかった。
でも今回の『ブラザーズ』では、彼がマシュー・マコノヒー自身を、しかも完璧に演じているから、本当に楽しかった。まるで言うことを聞かない小学生に戻ったみたいに、ずっと二人で笑い合っていたよ。
マシュー:そうだね。『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』では違ったけれど、『ブラザーズ』では本当にそうだった。

――長年の友人であるお二人ですが、普段の自然な関係性をカメラの前で演じるのはいかがでしたか? 役作りと実際の友情の境界線はどこにあるのでしょう?
ウディ:実は、思っている以上にずっと難しかったよ。最初は自分自身の奇妙なパロディというか、おバカな演技をしすぎてしまってね。後で映像をチェックした時に「これは酷い、再撮影の機会があったら絶対に修正したい」と思った。幸いにも再撮影のチャンスがあったから、変にふざけすぎない着地点に修正できたんだ。
マシュー:自分自身を演じたり描写したりするのは、想像以上に難しかった。絶対にウケると思って演じたシーンも、プレイバックで見返すと「あれ、思ったほど面白くないな」と感じたりしてね。それに、30分枠のコメディドラマはスピード感が命だ。各シーンに明確な「フリ・展開・オチ」が必要とされる。けれど、僕の人生のスタイルはどちらかというと「ロングジョーク」なんだ。朝にフリを効かせて、オチが来るのは夜か、下手をすれば来週になるようなタイプだからね。でも、この手のシリーズでは素早くオチまで持っていかなければならない。
ウディ:シットコムという媒体の難しさには本当に感心させられるよ。舞台や映画よりもずっとハードルが高いと感じる。だからこそ『ウィドウズ・ベイ』のような複雑な作品を完璧にこなす連中は凄いね。
――インタビューの冒頭に、お二人の出会いの時期について意見が分かれているというお話がありましたが、お互いの第一印象と、それが年月を経てどう変化したかを教えてください。
マシュー:ウディと一緒なら、アカデミー賞に行こうが、JPモルガン(米大手金融機関)の役員会に行こうが、とにかく水着を持参した方がいい。彼と過ごす一日はどこへ連れて行かれるかがまったく読めないんだ。ロサンゼルスで昼の1時に「一杯飲もう」と始まったはずが、午後の4時になぜかカナダにいる、なんてこともあり得る。
ウディ:彼が僕につけてくれた新しい異名が気に入ったよ。「赤シャツのウディ」と「キャプテン・オブ・ノー・コンテクスト(いつも脈絡なく行動する男)」。どちらも覚えておくよ。

――マシュー、ご自身の母親役としてホーランド・テイラーが完璧だった理由と、お母様ご本人の感想を教えてください。
マシュー:ホーランドは圧倒的な存在感を放っているよ。まさにホームランバッターだ。僕らがシングルヒットやバントで繋いでいるところで、彼女は打席に立つ度に打球を場外まで飛ばしてくれる。
ウディ:本当に素晴らしい演技だった。(元テキサス州知事の)アン・リチャーズを演じた時もそうだったけれど、ホーランドの代わりは誰にも務まらないよ。
マシュー:完璧だったね。で、僕の母親の反応だけど…実はまだ本編を見ていないんだ。今夜のプレミア試写会で初めて見ることになっている。でも間違いなく怒るだろうね。いまだに「私はまだ映像を見ていないけれど、あなたたちが一つだけ重大なミスをしたのは分かってる。私本人を私役にキャスティングしなかったことよ」って言い続けているくらいだからね(笑)
ウディ:数日前にも直接言われたよ(笑)

――お二人に関する実際の逸話や噂をもとにしたこの斬新な企画は、どのようにして生まれたのですか?
マシュー:家族ぐるみで何度目かのバカンスを過ごしていた時のことだ。ギリシャの島で、みんなで深夜過ぎまでお酒を飲みながら過ごしていた。そしたら突然、僕の母がウディに「私、あなたの父親(ウディの父親)を知っていたのよ……」と言い出したんだ。その「……」のタメがあまりにも意味深で、当時6歳だった僕の息子ですら「どういう意味か分かっちゃったぞ」という顔をしたくらいだった。
子どもたちは「やっぱり! 二人は本当の兄弟だったんだ!」と騒ぎし始めて、ウディも「絶対そうだ!」と確信した。時系列を調べたら、ちょうど僕の両親が2度目の離婚をして別居していた時期で、母がテキサス西部で誰かと密会していてもおかしくない時期だったんだ。ウディは完全にこれを事実だと信じ込んでいるけれど、僕は信じていない。
ウディ:100%事実だよ。それが8年前の話で、「これをベースに家族コメディを作ろう」となったのが始まりさ。
マシュー:僕はDNA鑑定をする気はないよ。だって、「今まで父親だと思っていた人は、ただの気のいいおじさんだった」なんて事実を突きつけられたくないからね(笑)
――お二人は25年以上前の映画『エドtv』でも兄弟役を演じられましたが、当時から兄弟のようなケミストリーを感じていましたか?
ウディ:昔から相性は抜群に良かったよ。ただ、ギリシャの島でママ・マック(※マシューの母親の愛称)があの告白をするまでは、まさか本当の兄弟かもしれないなんて思いもしなかったけれどね(笑) まるで『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』みたいな展開だった。

――この数年間で学んだ、最も重要な人生の教訓は何ですか?
マシュー:子どもたちがティーンエイジャーになったことで気づいたことだ。親としては「父親」であり続ける必要があるけれど、いつか「友人」のような関係になれたらいいなと思っていた。制度的な父親から友人になるまでの間に「大きな兄」という架け橋のフェーズがあることに気づいたんだ。悩みを抱える十代の子どもたちに対して、上から批評するのではなく、「分かるよ、俺も昔同じ失敗をしたんだ」と経験談を共有できる。この「アニキ」としての立ち位置を今とても楽しんでいるよ。
ウディ:素晴らしい話だね。僕の教訓はもっとシンプルで、「無駄なストレスは一切役に立たない」ということだ。仕事やお金、人間関係でどれだけイライラしても、事態は1mmも好転しない。遅刻しそうで運転中にパニックになっても、到着が早くなるわけじゃないのと同じさ。ストレスを感じても意味がないと割り切ることが大切だと気づいたよ。
マシュー:でも、適度なストレスやプライドは、準備をしっかりさせたり「もっと良い人間、良い父親、良い俳優になりたい」という原動力にもなると思うけれどね。抵抗があるからこそ、それを乗り越えようとするんだから。
ウディ:なるほど。自分が自分に与えた抵抗を乗り越えるわけか。面白いね。それにしてもマシュー、今日のスーツ格好いいな。靴も素晴らしいよ。
マシュー:ありがとう、ウディ。みんな、この男の脚を見たかい?
ウディ:いやいや、見せるようなもんじゃないよ。
マシュー:ウディはこの業界で一番見事な脚をしてるんだ。
ウディ:これが脚ってやつさ(笑)
マシュー:生まれながらのアスリートだな。
ウディ:業界一の見事な上半身を持ってる奴から言われると、重みが違うね。
マシュー:ほらね、これが僕らのコンビネーションの秘密さ。最高の脚と、最高の上半身。君が下を担当して、僕が上を担当するってわけなんだ(笑)









