11月7日(金)公開の映画『プレデター:バッドランド』で、エル・ファニング演じるアンドロイド「ティア」役の日本版声優を務めた、声優・早見沙織にインタビュー! 『プレデター』シリーズに新たな風を吹き込む本作の魅力、そしてエルへの思いについて語ってもらった。
『プレデター:バッドランド』ティア役日本版声優・早見沙織さんインタビュー
──まず今回のオファーを受けた経緯を教えてください。
実は、オファーをいただく前から本作を知っていました。エルさんのインスタグラムをフォローしていて、トレイラーが流れてきたんです。とても面白そうで、どんな物語だろうと気になっていました。その後、オファーをいただいたので本当に驚きました。
──ティアはアンドロイドでありながら、非常に感情表現が豊かなキャラクターです。演じる上でどのようなことを意識されましたか? また、印象的な場面についても教えてください。
ティアはアンドロイドですが、陽気でチャーミングなキャラクターです。特に映画の序盤でプレデターのデクと出会うシーンでは、ずっと一方的に話しているくらいおしゃべりです。私も開放的な気持ちで楽しもうと、収録に臨みました。
「アンドロイド」とだけ聞くと、無機質であったり感情の起伏が乏しかったりするイメージを抱きがちですが、ティアについてはあまり意識していません。何よりティアが作中で一番表情豊かで、場を明るくさせるような存在です。
私は、エルさんのお茶目でコミカルな表現やお芝居が大好きです。過去に吹き替えさせていただいた作品でも、そういったシーンの表情や台詞の抑揚のつけ方が印象に残っていたので、本作でも彼女の持つ雰囲気を声で表現できるよう意識しました。
印象的な場面は、デクに崖の上に放り投げられるシーンです。人間であれば、怯えるか怒ると思いますが、ティアは「何この感覚!」と楽しんでいます。とてもティアらしさが出ていますし、エルさんの演技も本当に可愛らしくてお気に入りです。

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──早見さんはこれまでも多くの作品でエルの日本語吹替を担当されていますよね。エルに声をあてるのはドラマ『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』以来かと思いますが、ドラマシリーズと映画の吹き替えで違いはありますか?
ドラマ作品の『THE GREAT』はシーズンを通して、よりフィットしていく感覚がありました。同じ座組で毎週のように収録していくこともあり、馴染んでいく感触があったのだと思います。
一方で映画の吹替は複数回に分けることは少なく、短期間で収録することが多いです。そのため集中力がより必要ですし、定められた時間内に掴みきらなければならないので、より緊張感がある気がします。
──早見さんが考えるエルの魅力を教えてください。また、アフレコの際はどんなことに気を付けましたか?
過去の作品はどれも収録が楽しく思い出深いので、本作のオファーをいただいたときは本当に嬉しかったです。エルさんのお芝居や表現は多岐にわたっていて、今回のティアの明るくて可愛らしい、コメディーよりな表現も魅力の一つですよね。反対に心を閉ざしていたり、表情の動きがなかったりする役柄も多く演じていらっしゃって、どんな役もこなせる素敵な役者さんだと思います。
本作では、陽気でおしゃべりな部分もあれば、とてもシリアスな表情を見せる場面もあります。その振り幅をどう表現していくかは悩みどころでした。正解がわからないまま臨み、音響監督をはじめチームの皆さんにアドバイスをいただきました。振り幅をしっかりつけていいとディレクションがあり、それを手がかりにして作り上げています。

──デクはプレデターの言葉を話すので、オリジナル版で英語を話すのはティアがほとんどです。日本語吹替版の場合これが日本語になるわけなので、早見さんの声を聞く時間が多そうですね。
そうなんです。最初は楽しみながら収録できたらと思っていましたが、時間が経つにつれ、私ばかりが喋っていることに気づきました。デクの台詞は基本的に字幕なので、劇場で吹替版をご覧になる方はずっと私の声を聞くことになる、それを自覚してからはプレッシャーを感じ、より気合が入りました。
──『プレデター』シリーズへの印象について、あらためてお聞かせください。
『プレデター』を知ったのは幼少期でした。本作に関わる前までの印象は、得体が知れない怖い存在で、何よりも強いハンターというイメージがありましたが、本作でガラッと変わりました。
アフレコに備えて、本作と同じダン・トラクテンバーグ監督が手掛けた『プレデター:ザ・プレイ』と、1987年に公開された、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の第1作目『プレデター』を再視聴しました。
そこであらためて気づかされたのが、これまでの作品ではプレデターの姿がなかなか出てこないということです。存在は感じられるも、はっきりとは現れない。そして後半になって登場する。見えていなくても視聴者の脳内でプレデターを想像させる、強い個性が魅力だと思います。
しかし、本作ではプレデターが主人公ですから、初めから姿を現しています。デクが何を考えて日々を生きているのかがティアとのコミュニケーションの中でわかり、彼を身近に感じることができました。そして、デクとティアのコンビネーションも絶妙です。プレデターにバディができるとは、誰も想像していなかったと思います。タッグを組み、息を合わせるプレデターを見られるのはとても新鮮です。

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──今作にはシリーズのファンが喜ぶ要素もあるそうですね。
ティアはウェイランド・ユタニ社に作られたアンドロイドです。映画好きの方は、聞いたことのある社名ではないでしょうか。 ご存じの方は、ぜひ映画を観ながら考察を巡らせてみてください。
──最後に、本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
「プレデターって何?」という方にこそ見てほしいです。歴史のあるシリーズは、最新作から見ることに躊躇ってしまう人も多いかと思いますが、そんな方にも楽しんでいただけると思うので、ここが入り口で大丈夫ですとお伝えしたいです。
何よりもプレデターとアンドロイドのコンビネーションが見ていて気持ちがいいですし、どうなってしまうのか!? というハラハラもあるので、純粋に作品として楽しんでいただけると思います。
映像も迫力があり、美しい自然を大スクリーンで堪能できます。五感を駆使して楽しめる、映像を「見る」のではなく「体験する」作品になっていますので、ぜひ劇場で見ていただけると嬉しいです。

『プレデター:バッドランド』公開情報
映画『プレデター:バッドランド』(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)は2025年11月7日(金)全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)


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