今夏にWOWOWにて放送がスタートする『ワイルドカード~捜査バディは天才詐欺師!?~』。本作の日本語版吹替を担当する早見沙織と木島隆一に海外ドラマNAVIが単独インタビュー! 本作の見どころや、アフレコ現場での裏話、好きな海外ドラマなどについて語ってもらった。
『ワイルドカード~捜査バディは天才詐欺師!?~』とは
『ワイルドカード~捜査バディは天才詐欺師!?~』は、カナダのバンクーバーを舞台に、海上部隊に左遷された刑事エリスと詐欺師マックスが訳あってパートナーを組み、事件を解決していく凸凹バディ犯罪捜査ドラマ。
『リバーデイル』のヴァネッサ・モーガンが演じる、詐欺師から犯罪コンサルトに華麗な転身を図るマックスの声を務めるのは早見沙織。そして、『グレイズ・アナトミー』のアンドリュー・デルーカで知られるジャコモ・ジャンニオッティ演じるエリスの声を、木島隆一が同作に引き続き担当する。
『ワイルドカード~捜査バディは天才詐欺師!?~』早見沙織&木島隆一インタビュー全文
――まずアフレコ現場でのご様子についてお伺いします。雰囲気はいかがですか? アドリブは多いのでしょうか。
早見:作品の空気が明るいので、全体的に和やかです。ずっといい空気で収録できていると思います。
木島:用意されているスクリプトがもうすごい量ですよね。今のところ、アドリブを入れるような余裕はないです(笑)
早見:テンポも速くて、台詞を言うっていうよりは楽しく会話しているみたい。原音に足並みを合わせていく作業自体が、アドリブ的です。
――お二人ともアニメ作品でも活躍されていますが、実写作品ならではの違いはあるのでしょうか?
木島:芝居をするという意味では大きく違いはないです。しいて言えば実写作品の場合、演じてらっしゃる方がすでにいるので、その呼吸を読む作業がありますね。どういう気持ちを作って演技をしているのかを読み取る時間が必要です。アニメの方は、ある意味では0からスタートというか、一緒に作っていく感じが強いので、その点に違いがあるのかなと思います。
早見:個人的には、実写作品の吹き替えはアクションの声が特徴的かなと。アニメだと動きを見ながら割と自由に入れられるのですが、吹き替えのバトルシーンなどは、台本に「息、息、息、息…」と書いてあるんです。
木島:アニメは動きが出来上がっていないケースもありますもんね。
早見:そうですね。激しいバトルシーンでも、先に台詞を録ってあとから画を合わせることが多いですが、実写作品は映像がすでにあるので。俳優さんの動きで自然に出ている音を全て拾っていくのが面白いですよね。息一つとっても、俳優さん本人は呼吸しようと思ってしているわけではないでしょうし。
――マックスはとにかく明るくてイケイケな印象を抱きました。早見さんといえば、清楚なキャラクターが多い印象があったので少し意外に思いましたが、声を担当してみていかがでしたか?
早見:たまにコテコテのギャルのような、こういった性格のキャラクターを演じる機会をいただきますが、やはり役によってアプローチは全然違いますね。以前、マックスのようにノリと勢いのあるキャラクターを担当したときに、言葉の軽やかなテンポ感を意識したことがあって、それを思い出していました。
それにプラスして、マックスは少しだらしないというか、べたっとした雰囲気を最初は表現していたのですが、ディレクションを重ねていくうちにそれはやめようという話になりました。ベースのトーンは決めつつ、楽しんでやろうという感覚の方が、意外にハマるのかな? と思っています。しっかりとできているか、ドキドキです(笑)
木島:いやいや、大胆なお芝居で素敵ですよ!
早見:そういっていただけると嬉しいです。
――木島さんは『グレイズ・アナトミー』に引き続き、ジャコモが演じる役の吹き替えを担当されていますよね。オーディションではなく指名でのオファーだったのでしょうか。
木島:はい、指名でした。俳優さんが同じでも、作品が変われば全く違うキャラクターなので、ジャコモさんだからどうというわけじゃないと思って挑んだつもりでしたが、やっぱり『グレイズ・アナトミー』でずっとそばにいたので、自覚していない癖があって。最初の収録で何度もテイクを重ねて、今のエリスの形になりました。
僕自身、自分と向き合う機会になりましたが、ジャコモさん自体もエリス役を通して自分を見つめる瞬間もあるのかなって想像しちゃって、演じやすかったです。また、彼が非常に格好良くて、良い声なんですよ。ソフトでさーっと出てくる感じ。エリスの誠実さが芝居に乗るといいなと思いながら収録しました。
――もしジャコモに会う機会があったらどんな話をしてみたいですか?
木島:彼はイタリア出身なので、イタリアのおいしいものを教えてほしいです! イタリアには行ったことがないので、ぜひ行ってみたいですね。本作の舞台はカナダですが。
早見:カナダ行ってみたいですね!
木島:エリスの所属する警察の海上部隊も気になりますよね。本物を見てみたい。
――お互いのキャラクターに対する印象はどうですか?
木島:マックスはそばにいたら元気をもらえる感じ。友達にいたらいいなって思います。詐欺師の友だちはいないので、そのあたりはちょっとわかりませんが(笑)学生時代にマックスみたいな人がいたら楽しいでしょうね。
早見:マックスはクラスの中心人物的な立ち位置ですよね。エリスも、そばにいてくれたら嬉しい存在です。安心感がありますし、ストッパーになってくれたり、突っ込んでくれたり。時には羽目を外すこともあって。固いだけではなくて、優しいところがいいなと思います。
木島:エリスは本当に良い奴ですよね。
――本作には、マックスとエリス以外にも個性豊かなキャラクターが登場しますよね。
早見:個人的には、エリスの上司のリーさんが大好きです。マックスとしては、やはりパパでしょうか。パパと電話するシーンが多いのですが、普段と比べると少し表情が変わるんです。
木島:シモンズとイエーツもいいですよね。シモンズはまだ良心がありそうだけど、イエーツはもはやいじめ職人ですよ(笑)
早見:逆に、若干いじめ返されているときもあります(笑)
木島:そうそう。でも、あれはマックスが入ってきたからで、エリス一人の時は黙ってるしかできなかった。そういう意味でも、マックスが来てくれてよかったって思いますね。
あと、これは収録現場での話ですが、ジョージ役の咲野(俊介)さんが来るたびに盛り上げてくださるんですよ。ああいう格好いいベテランの方がいてくださると、とても助かりますね。
――ちなみに、お二人は普段から海外ドラマは視聴されるんですか? 好きな作品やジャンルを教えてください。
木島:もちろん『グレイズ・アナトミー』です! それ以外では、「スター・ウォーズ」シリーズが好きなので『マンダロリアン』とか。一回見たのに、また最初から見始めていています。SF好きなので『スター・トレック』とかも大好きです。
早見:本作と同じバディジャンルですと、日本のドラマですが『相棒』の大ファンです。海外ドラマだと、サスペンスやミステリーが好きですね。小さい頃から『CSI:科学捜査班』を見ていたので、『CSI:ベガス』のお仕事をいただいたときは感動でした。
――本作は、どういうドラマが好きな人にピッタリだと思いますか?
早見:全体的にカラッとしていて、見やすいですよね。海外ドラマを見るのが日常的な人もいらっしゃると思うのですが、日々のルーティーンの中に新しく入れやすい作品かなと思います。
木島:あまり重たくないですよね。タイトルには「ワイルド」とありますが、激しい感じではないかなと。刑事ものになじみがない人でもとっつきやすいと思います。面白いキャラクターがたくさん登場するし、エピソードごとに犯人を推理しながら見ると楽しいかも。
早見:マックスが別人に変身する様子も結構ポップなんです。本気で成り済ますというより、コミカルな感じで。キャラが立っているから、アニメ好きの方も面白く見られるかなと思います。
――最後に、日本語吹替版ならではの魅力を教えてください。
早見:原音ですと、マックスが変装するときは英語の訛りで表現しているのですが、日本語では全て標準語の中で変化をつけています。その違いを表現するのは大変でしたが、日本語吹替版ならではですよね。
木島:あとは単純にセリフ量がすごいことになっているので、字幕で見ると字を追うのが大変だろうなって思います。日本語吹替版で見た方が、ストーリーはわかりやすいのではないでしょうか。
早見:個人的にはマックスに突っ込むエリスの声がすごく好きです(笑)決める感じではなく、さらっと流したり。
木島:とおっしゃっています(笑)
早見:それと、予告です! 原音なしで、私たち二人の掛け合いになっています。
木島:話によると、僕たちの音声を聞いて予告用の原稿を作ってくださっているとか。
早見:結構自由にやらせてもらっていますよね。ぜひ期待してください!
『ワイルドカード~捜査バディは天才詐欺師!?~』放送&配信情報
『ワイルドカード~捜査バディは天才詐欺師!?~』(全10話)はWOWOWプライムにて8月21日(水)午後11時スタート。第1話~第2話無料放送・配信。WOWOWオンデマンドでアーカイブ配信あり。
(海外ドラマNAVI)