人気リーガルサスペンス『SUITS/スーツ』のハーヴィー・スペクター(ガブリエル・マクト)は、自信に満ちたエリート弁護士だ。そんな、他人を寄せつけないカリスマ性を持つ彼を大きく変えたエピソードについて、米Screen Rantが論じているので紹介しよう。
(以下、ネタバレを含みます) 人気法廷ドラマ『SUITS/スーツ』では、9シーズンにわたり …

『SUITS/スーツ』ハーヴィー・スペクターより優れた海外ドラマの弁護士【5選】
ハーヴィーに深みを与えた重要な転換点
シーズン4の終盤で、長年にわたるハーヴィーの良き友人である秘書ドナ・ポールセン(サラ・ラファティ)が「あなたのことを愛している」と告白し、もう一緒に働けないと悟った彼女が事務所を辞める展開となる。
ハーヴィーは彼女の想いに応えたいと感じながらも、それを認めることができなかった。恋愛感情を表に出せば職場での立場が揺らぐうえ、これまで築いてきた“冷徹なプレイボーイ弁護士”というイメージが崩れてしまうからだ。結果として、彼は自分の感情を押し殺し続け、そのストレスが限界に達したときに初めてパニック発作を起こしてしまう。
シーズン5第1話「拒絶」では、ハーヴィーが初めてセラピーを受ける決意をする。完璧主義者で他人に弱みを見せることを何よりも嫌っていた彼が自分の脆さを認め、専門家の助けを求めることは、これまでの彼からは想像もできない大きな一歩だった。このエピソードはシリーズの中でも転換点といえる重要な回で、ハーヴィーという人物を新たな方向へと導いていくことになった。
しかし最初のうち、ハーヴィーはセラピストに心を開こうとはしなかった。問題は処方箋で解決できると思い込み、感情と向き合うことを避けようとする。しかし、セラピーを受けるという行為そのものが、彼にとっては大きな意味を持っていたのだ。自分の内側を見つめる勇気を得たことで、彼は少しずつ変わり始める。周囲への接し方も以前とは違い、他人の感情に対してより敏感で、思いやりのある人物へと成長していく。
セラピーを通じて、ハーヴィーは幼少期のトラウマや、心の奥に押し込めていた痛みを語るようになる。そこで明かされる過去の出来事が、彼の冷ややかな態度や過剰に勝ちを求める背景にあったことを視聴者に理解させ、キャラクターに深みを与えた。つまりセラピーは単なる治療ではなく、彼が本当の意味で“人間らしさ”を取り戻すためのプロセスだったのだ。
もちろん、セラピストとの関係が一時的にロマンスへと発展してしまうなど、後の展開には賛否があった。しかし、最初のカウンセリングの場面は、間違いなく『SUITS』の中でも象徴的な瞬間だった。それまで無敵に見えたハーヴィーが、初めて弱さをさらけ出すことで、視聴者は彼を新しい視点で見るようになったのだ。
シーズン5以降のハーヴィーは、もはや以前の“勝つためなら手段を選ばない男”ではなくなった。自分の過去を受け入れ、感情を抑え込まずに表現できるようになったことで、彼の言動には柔らかさと誠実さが生まれていく。そして何よりも、ドナとの関係が再び動き出し、互いに支え合うパートナーへと変化していった。
ハーヴィーがセラピーを通して自分と向き合い変わっていく過程は、視聴者にとっても“心の鎧を脱ぐことの大切さ”を教えてくれるエピソードだ。彼の仮面が剥がれた瞬間に、ドラマはより豊かで人間味にあふれた物語へと進化していったのだ。
『SUITS/スーツ』全シーズンは、NetflixとHulu、U-NEXTで配信中。(海外ドラマNAVI) 米NBCで放送中の『Suits LA』。4月20日放送の最新 …

『SUITS/スーツ』スピンオフでハーヴィーとドナの“その後”が明らかに!


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