Netflixの名作犯罪ドラマ『マインドハンター』は、実在した悪名高い連続殺人犯たちを題材にした作品として高く評価され、多くのファンがシーズン3の製作を待ち望んでいたが、シリーズは予算上の理由で打ち切りとなってしまった。
そんな中、新たにNetflixで配信されている話題作『モンスター:エド・ゲインの物語』に登場するエド・ゲインが『マインドハンター』で描かれていない理由と、両作の共通点をScreenrantが説明しているので紹介しよう。
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FBIはエド・ゲインを正式にインタビューしていなかった
『マインドハンター』の物語の核は、FBI捜査官たちが収監中の殺人犯をインタビューし、まだ捕まっていない犯人の心理を分析・予測しようとする試みだった。それは、のちに犯罪心理学の誕生につながっていく。モデルとなった実在の捜査官ジョン・ダグラスは、テッド・バンディやジョン・ウェイン・ゲイシーら数々の連続殺人犯を取材したが、エド・ゲインを正式にインタビューしたことはなかったという。
『モンスター:エド・ゲインの物語』では、ゲインがFBIの面談対象であったかのように描かれているが、これは完全なフィクションである。ダグラスは後に「一度だけ彼に会う機会があったが、あまりに精神が崩壊していて、まともなインタビューにはならなかった」と語っている。
『マインドハンター』と“エド・ゲイン”をつなぐ意外な接点
ダグラスは若い捜査官時代からエド・ゲインの事件に強い関心を持っており、彼の死後も研究を続けた。著書「マインドハンター」の中では、FBIの立場を使って当時の事件資料を閲覧し、1950年代から封印されていた写真の封蝋を開けてもらったことを明かしている。その後も、ゲインの精神状態や心理的特徴を捜査官の教育に活かし、彼の講義には多くの法執行官や犯罪作家が参加した。これが、のちに映画史上最も有名な殺人鬼キャラクター誕生のきっかけとなる。
作家トマス・ハリスは、ダグラスがエド・ゲインについて講演した場に出席し、その内容に着想を得て小説「羊たちの沈黙」を執筆した。作中の殺人鬼バッファロー・ビルは、エド・ゲインを含む複数の実在の犯人をモデルにしており、FBIの捜査官ジャック・クロフォードはジョン・ダグラスがモデルとされている。
また、『マインドハンター』で連続殺人犯ジェリー・ブルードスを演じたハッピー・アンダーソンが『モンスター:エド・ゲインの物語』で同キャラクターを再演しているほか、『マインドハンター』メインキャラクターの三人ホールデン、ウェンディ、ビルを思わせるキャラクターも『モンスター:エド・ゲインの物語』に登場しているという共通点も見られる。
仮に『マインドハンター』がシーズン3まで制作されていれば、実際の面会シーンこそなくとも、エド・ゲインという存在に触れる展開が描かれていた可能性もあるのかもしれない。
『マインドハンター』と『モンスター:エド・ゲインの物語』は、Netflixにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)