人気のフレンチミステリー『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』(『モルガン 天才捜査コンサルタントの殺人事件簿』)のクリエイター、ニコラ・ジャンが亡くなっていたことが分かった。米Deadlineが報じている。
-
フランスのテレビ業界を席巻!『アストリッドとラファエル』が牽引する「コージー・ミステリー」ブーム
2019年に、フランスで誕生すると瞬く間に世界的な人気を博し …
家族に着想を得た大ヒットドラマ『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』
『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』の主人公は、高い知的スキルなどの一連の特性を持つ人(High Intellectual Potential=HIP)の一人であるモルガン。シングルマザーで清掃員だった彼女が、並外れた知能を持つがゆえの突飛な行動で周囲と衝突しながらも、その特殊な才能を見出されて捜査コンサルタントとして警察で活躍する姿を描くミステリードラマだ。
2021年4月に本国フランスでシーズン1が放送された際の累積平均視聴者数は1150万人に上り、日本でも人気の『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』を超えて、フランスのテレビ史上3番目に視聴されたドラマシリーズに。今では、全世界における視聴者数は2億8000万人以上と推計されている。2024年に誕生したアメリカ版リメイク『ハイ・ポテンシャル』も、新作ドラマにもかかわらず「2024~2025年シーズンに最も見られた海外ドラマのランキング」でトップ5に入っていた。
そんな国境を越えて愛される作品は、ジャンのアイデアから生まれたという。彼の息子の一人がHPIと診断されたため、そこから本作の着想を得たそうだ。
フランスの脚本家協会(SACD)によると、ジャンはおよそ1週間前の9月29日(月)に急死したとのこと。63歳だった。死因は明かされていない。
SACDの理事を務めるフローレンス・フィリポナは、故人について次のように語った。
「ニコラ・ジャン氏は13年前にこの業界に入り、驚異的なスピードで頭角を現しました。独学で型破りな経歴を持つ彼の綴る物語は濃密で、彼はすぐに才能あふれる脚本家として欠かせない存在になりました。彼は、制約に縛られることなく自由な発想で独自のコンセプトを生み出す才能に恵まれていました。さらに、そんな自分のビジョンを一緒に掘り下げてくれる優秀な脚本家たちを集めることもできました。なぜなら彼は、分かち合うことと寛大さを大切にしていたからです。彼はとても誠実で、働き者でもありました。アイデアが尽きることはなく常に頭がフル回転していて、労を惜しまず取り組む人でした。自然を愛し、犬が大好きでした。静かな強さの裏に、優しい心を持っていました。そして、友人たちは皆、彼が空を飛ぶことに対して強い情熱があったことを知っています。彼はこの話題になると、話が止まらないほどでした。自由を愛する人だった彼は、空へと飛び立ってしまいました…」
「親愛なるニコラ。あなたは63歳でした。2025年9月29日、突然この世を去り、道の途中であなたを失った私たちには、深い悲しみと、あなたの魅力的な人柄の記憶だけが残されました。あなたは私たちにとってこれからも変わらぬインスピレーションの源です。私たちはあなたを決して忘れません」
50歳の頃に業界人りしたジャンは、南フランスを舞台にした長寿ソープオペラ『Demain Nous Appartient(原題)』の脚本家として長く活動。『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』のほかには、『羊たちの沈黙』を彷彿とさせるサスペンスドラマ『ラ・モント』や、1970年代に南仏ニースで実際に起きた失踪事件をもとにした『アニエス失踪事件~37年間におよぶ母の愛と執念の物語』などを手掛けていた。
『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』シーズン1~3はHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)
2019年に仏France 2でスタートすると日本を含む国外 … 人気のフレンチミステリー『アストリッドとラファエル 文書係の … 2024~2025年シーズンに最も見られた海外ドラマは何だろ …『アストリッドとラファエル』シーズン6は?関係者がSNSで状況報告
『アストリッドとラファエル』監督が新たに手掛けた、風変わりな犯罪ドラマとは?
2024~2025年シーズンに最も見られた海外ドラマは?トップ100発表