世界的大ヒットを記録した大河ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)。スピンオフまで制作されるなど、その人気はいまも計り知れないが、このシリーズを永遠に変えたエピソードが存在すると米Screenrantが報じている。
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あのターガリエン&ドラゴンの重要性
『GOT』には数々の衝撃的な瞬間があるが、シーズン1でショーン・ビーン演じるエダード・“ネッド”・スタークが処刑される場面ほど衝撃的な出来事は少ない。原作「氷と炎の歌」を知る視聴者はネッドの死を予想していたものの、初見の視聴者にとっては、これほど重要なキャラクターが序盤で命を落とす展開は予想外だった。
ネッドはシーズン1の中心人物であり、主人公の一人のように見えた。そんな彼の死は大きな転換点となり、「ウェスタロスには安全なキャラクターはいない」という現実を視聴者に突きつけた。そのため、第9話「ベイラー大聖堂」は『GOT』を永遠に変えたエピソードとしてよく語られる。
しかし、実際に本作を決定的に変えたのは、シーズン1の最終話「炎と血」だとScreenrantは指摘する。
この回では、ネッドの死の余波やスターク家の分断が描かれる一方、デナーリス・ターガリエン(エミリア・クラーク)が火葬台に足を踏み入れ、三匹の幼いドラゴンとともに現れる衝撃的なラストを迎える。これこそがシリーズにおける大転換点であり、以降『GOT』がファンタジー要素に深く傾倒していくことを示していた。
それまでのシーズン1では、魔法や超自然的な要素は控えめに扱われていた。しかし「炎と血」の最後の瞬間が、シリーズにおけるそれらの影響力をはっきりと示し、物語の未来を大きく方向づけたのだ。
以降の7シーズンにおいて、ドラゴンは物語の基盤となった。もしドラゴンが存在しなければ、デナーリスが権力を握ることも、ウェスタロスを脅かす存在になることもなかっただろう。そうなれば政治的な展開や最終的な結末も大きく異なっていたはずである。ホワイトウォーカーとの戦いにおいても、デナーリスと彼女の軍勢、そしてドラゴンなしでは成り立たなかった。
こうして、北での戦いの大きな転換点の多くはドラゴンに結びついており、ファンタジー要素は物語の中核を占めるようになった。「炎と血」はその始まりであり、『GOT』を真の意味で永遠に変えたエピソードだったのである。
(海外ドラマNAVI)