2019年に最終回を迎えたファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。そのあまりに衝撃的なフィナーレを巡り、放送から6年が経った今もなお、賛否両論が巻き起こっている。そんななか、本作でジェイミー・ラニスターを演じたニコライ・コスター=ワルドーが、この反発は「予想されたこと」だったと振り返っている。
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フィナーレへの反発は「当然」だった?
2019年5月に放送された最終話では、多くのキャラクターがそれぞれの運命を辿った。ニコライ演じるジェイミーもサーセイの腕の中で、崩れ落ちるレッドキープとともに命を落とした。しかし、この結末に納得がいかないとするファンの怒りは収まらず、最終シーズンの撮り直しを求める署名活動には、現在までに180万人以上が参加している。
だが、ニコライは、そもそも全員が満足する結末などあり得なかったと考えている。
「どうやって全員を満足させる結末を作れるというのか? それは非常に難しいことだ」また、反発は「テレビドラマの結末が気に入らなかっただけ」だとし、「人々がどんな意見を持つのも当然だとは思うけれど、本当にうんざりだ」と心境を明かしている。
「ファンは“お別れ”に腹を立てている」元共演者たちの見解
ニコライだけでなく、共演者たちもまた、フィナーレに対するファンの失望について独自の見解を述べてきた。ティリオン・ラニスターを演じたピーター・ディンクレイジは、2021年のThe New York Timesのインタビューで、「前に進むべき時が来た」と話している。
ピーターは、ドラマが権力争い以上のものだったにもかかわらず、ファンが「誰が玉座に座るのか?」という一点にばかり注目していたことに疑問を呈した。そして、反発の根底には「ファンは“私たちと別れたことに腹を立てている”」感情があると指摘。
さらに「ドラマはあのタイミングで終わらせなければならなかった。なぜなら、このドラマが本当に優れていたのは、固定観念を覆すことだったからだ。悪役が英雄になり、英雄が悪役になったのだ」と語り、結末の必然性を強調している。
2024年のRolling Stoneのインタビューでも、ピーターはフィナーレが好きだったという考えを改めて表明。「私の意見に賛同しなくてもかまわない。私がフィナーレを好きだと言うよりも、嫌いだと言ったほうが、もっと評判が悪くなるでしょう」と、周囲の意見に流されない姿勢を見せている。
また、「他人の意見を代弁することはできないし、それが制作の面白いところだ。誰もが違う意見を持ち、それについて書いたり話したり議論したりできる。素晴らしいことだ」と続け、議論が巻き起こること自体が、作品の成功を物語っていると結論づけた。
「これは、うまくやれている証拠だと思います。すべてがうまくいっているなら、それは何かがおかしいということですから」と、ユーモアを交えて締めくくっている。
ニコライは新作歴史ドラマに出演
『ゲーム・オブ・スローンズ』終了後も俳優としても活躍を続けるニコライ。彼がウィリアム征服王(ウィリアム1世)を演じる最新シリーズ『King & Conqueror(原題)』は、ジェームズ・ノートン(『グランチェスター 牧師と刑事の殺人捜査』)も出演する歴史ドラマだ。あらすじによると、二つの家系が数十年にわたる抗争を繰り広げ、権力を争う物語が描かれるという。本シリーズはイギリスのBBC Oneにて8月26日より放送中。
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参考元:People