2023年にシーズン10で幕を閉じた『ブラックリスト』。主演ジェームズ・スペイダーの魅力にはまったファンも多いだろう。そんなジェームズが、二役を見事に演じた隠れた名作について、米Screenrantが報じている。
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ジェームズ・スペイダーのスター性を堪能できる
ジェームズは『ブラックリスト』で新たな世代のファンに知られるようになったが、実は80年代の過小評価されたスリラー作品こそが『ブラックリスト』に匹敵するといえる。
彼は1980年代のティーン映画でキャリアをスタートし、すぐにスクリーン上で自在に姿を変える“カメレオン俳優”であることを証明する。90年代に主演級の俳優へとステップアップすると、ヒーローから悪役まで幅広い役柄に挑戦。2013年に『ブラックリスト』が始まった頃には、法廷ドラマ『ボストン・リーガル』のアラン・ショア役で成功を収め、テレビ俳優として地位を確立した。
『ブラックリスト』で演じたレイモンド・“レッド”・レディントン役は、彼にとってまさに本領発揮の場となる。海軍将校から犯罪者、そして情報提供者へと立場を変えていく複雑なキャラクターで、典型的なアンチヒーローであるレッドは、ジェームズにしか演じられない役だった。
そんな彼の演技力の真髄を示すのが、1987年の映画『殺しのナイフ/ジャック・ザ・リッパー』だ。まだ大ヒット作に出演する前の段階だが、すでに完成された俳優であることを証明している。彼は同作で二役を見事に演じきっているのだ。
物語は、100年前のロンドンで起きた切り裂きジャック事件を模倣した殺人がアメリカ・ロサンゼルスで発生。容疑者の疑いをかけられたまま殺された弟の汚名を晴らすべく、双子の兄が事件の真相に迫る。
本作は『ブラックリスト』とは設定や雰囲気こそ異なるが、ジェームズの圧倒的な演技力を堪能できる。二役を演じるのは容易ではないが、彼は双子の個性を明確に描き分けつつ、血縁ならではの共通点も巧みに表現している。『ブラックリスト』の成功の大きな要因がジェームズのスター性にあったことは間違いないが、その魅力はすでに『殺しのナイフ』で存分に発揮されていた。
一見すると安っぽい作品に見えかねない『殺しのナイフ』だが、説得力あるコンセプトと高い撮影技術・照明によって、現代のロサンゼルスをヴィクトリア朝ロンドンのように変貌させ、不気味な雰囲気を演出している。
優れたサスペンスは、謎解きだけでなく、物語を推し進める強いキャラクターと刺激的なプロットが欠かせない。『殺しのナイフ』はその両方を兼ね備えており、ジェームズの二役に加え、脇を固めるキャストも充実。最後まで「犯人は誰なのか?」という緊張感を持続させている。
(海外ドラマNAVI)