『SHERLOCK/シャーロック』や『ドクター・フー』で知られる人気クリエイターのスティーヴン・モファットが、新たに手掛ける『Number 10(原題)』――英国首相官邸を舞台にしながら政治を描かない異色コメディドラマ――について語っている。
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『SHERLOCK/シャーロック』クリエイター、英国首相官邸が舞台のドラマを制作へ
英BBCの大ヒットドラマ『SHERLOCK/シャーロック』の …
社会の縮図を描く職場コメディ
タイトルの「Number 10」とは、ロンドンにある通称“ダウニング街10番地”のこと。本作の公式概要では、「政府は架空だが、問題は現実的なもの。建物とその中にいる人々についての物語だ。首相だけでなく、地下で陰謀論を語るカフェの店員や壊れたエレベーターを直す技術者、オフィスの一角を奪い合う野心的なアドバイザー、そしてもちろん猫も登場する」と紹介されている。
英Radio Timesのインタビューでモファットが、本作の方向性について次のように発言。「ずっと気になっていたんです。あの“おもちゃの街”のような小さな通りが英国を動かしているって、中で一体何が起きているんだろうってね。だから、『Number 10』は政治の話ではありません。みんな政治ドラマだと思うだろうけど、実際は違うんです」と説明している。一般的に想像されるような政治ドラマではなく、政治色をできるだけ排した職場コメディになるという。
モファットは、新作を紹介するにあたって、過去に手掛けた青春コメディ『Press Gang(原題)』を引き合いに出している。このシリーズは1989年から5シーズンにわたって放送された作品で、イギリスの地方紙の若者編集部を舞台に、ユーモアとドラマを織り交ぜた群像劇。『Number 10』も同様に、首相官邸という“職場”を舞台に、様々な人物が織りなす群像コメディとして描かれるようだ。
さらに彼は、作品の雰囲気を「究極の『Upstairs Downstairs(原題)』」と表現している。こちらのシリーズは1971年から1975年にかけて放送されたイギリスの大ヒットドラマで、上流階級の一家(upstairs)と彼らに仕える使用人(downstairs)の世界を対比的に描き出した群像劇。この作品を挙げたモファットは、「上階が国を動かし、地下階ではチョコバーを売っている」と説明している。つまり『Number 10』は、権力の中枢と日常的な労働が同じ建物に共存する、極端に縮図化された「官邸版 『Upstairs Downstairs』」だと言えそうだ。
物語に党派性はなく、どの政党が政権を担っているかも明示されないとのこと。モファットは、「本当の政治の世界に政治はほとんど存在しません。5年に一度の総選挙の時だけ政治が爆発するけど、それ以外はただ国を運営しようとしているだけですからね」と語り、政治的なリアリズムよりも、そこに集う人々の人間模様に焦点を当てる姿勢を強調している。
英Channel 4製作の『Number 10』は、2025年12月に撮影開始予定。
『SHERLOCK/シャーロック』シーズン1~4は、U-NEXT、Huluにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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参考元:英Radio Times