大人気ドラマシリーズ『一流シェフのファミリーレストラン』での演技で、2023年から3年連続でゴールデングローブ賞テレビ部門の主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞したジェレミー・アレン・ホワイトが出演する映画『フォーチュンクッキー』が6月27日(金)より公開される。今最もハリウッドで注目される俳優とも言えるジェレミーのこれまでの経歴を振り返ってみよう。
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『シェイムレス 俺たちに恥はない』で11年に渡りリップ・ギャ …
映画『フォーチュンクッキー』とは?
フォーチュンクッキー(運勢が書かれた紙が入っているクッキー)をきっかけに、孤独な女性が新たな一歩を踏み出す姿をオフビートなユーモアを交えて描いた『フォーチュンクッキー』は、ジム・ジャームッシュ(『コーヒー&シガレッツ』)やアキ・カウリスマキ(『街のあかり』)の作品を彷彿させると話題を呼び、第39回インディペンデント・スピリット賞ではジョン・カサヴェテス賞を受賞。映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家たちから90パーセントフレッシュという高い支持を獲得した注目作だ。
撮影5日前!『フォーチュンクッキー』奇跡のキャスティング秘話
ジェレミーが本作で演じるのは、主人公ドニヤが出会う自動車整備士のダニエル役。実はこのキャスティングは撮影のわずか5日前まで決まっていなかったという。そこでババク・ジャラリ監督が相談したのが、友人である映画監督のアントニオ・カンポスだった。トム・ホランド主演の『悪魔はいつもそこに』などで知られるカンポス監督は、2008年の『アフタースクール』で、まだ10代だった頃のジェレミーを起用している。
「“ジェレミーに連絡してみたら?”って言われたんだけど、正直“ありえない、彼が出演してくれるわけない”って思ったよ」とジャラリ監督は振り返る。半信半疑で脚本を送ったところ、脚本を気に入ったジェレミーからすぐに出演快諾の返答が届く。そしてその数日後には、車でサンフランシスコの撮影現場にやって来たという。
撮影初日、ジェレミーが臨んだのは、主人公ドニヤを演じるアナイタ・ワリ・ザダとの共演シーン。演技初挑戦となるアナイタは、「ジェレミーは、私が演技をするのが初めてだと知っていたので、すごく優しくしてくれました」と語る。ジェレミーとの共演によって、アナイタは演技への感覚を一気に掴んでいったという。
キャスティングにおいて俳優の人間性を重視しているというジャラリ監督は、ジェレミーについて「求められていることを完全に理解していた」とその現場での振る舞いを高く評価している。アナイタとジェレミーがダイナーで会話をするシーンでは、突然アナイタが笑い出してしまい、つられてジェレミーも笑ってしまうという微笑ましい撮影裏話も明かしている。
幼少期から輝く才能!ジェレミー・アレン・ホワイトのキャリアを紐解く
1991年、ニューヨーク・ブルックリンに生まれたジェレミーは、幼少期よりバレエやジャズダンス、タップダンスに親しみながら育った。俳優として活動していた両親の影響もあり、マンハッタンのヘルズ・キッチンに位置する、舞台芸術に特化した名門校プロフェッショナル・パフォーミング・アーツ・スクール(PPAS)に進学。俳優ジェシー・アイゼンバーグや歌手アリシア・キーズらも卒業生に名を連ねるこの学校で、本格的に演技を学び始める。
15歳で映画『Beautiful Ohio(原題)』に出演し、俳優としてのキャリアをスタート。その後、『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』や、エズラ・ミラー主演の映画『アフタースクール』などに出演。2007年には、第64回ヴェネツィア国際映画祭でクィア獅子賞を受賞した『The Speed of Life(原題)』で、退屈を持て余すティーンエイジャーの主人公サマーを演じた。
高校卒業後すぐに本格的なキャリアを歩み始め、2011年からは大ヒットコメディシリーズ『シェイムレス 俺たちに恥はない』でギャラガー家の長男フィリップ役に大抜擢。2021年までの11シリーズにわたって同役を演じ、人気と実力を着実に高めていく。主演を務めた映画『アフター・エブリシング』や『サイコハウス 血を誘う家』をはじめ、映画やTVシリーズに精力的に出演。
そして2022年、Huluオリジナルシリーズ『一流シェフのファミリーレストラン』で、悩める若きシェフの主人公カーミーを演じ、一躍スターダムを駆け上がる。同作はシーズン1が第75回エミー賞で最多となる10部門受賞、シーズン2では第76回エミー賞で主要4部門を含む全11部門受賞、ゴールデングローブ賞でも5冠を達成した。ジェレミー自身も、本作での演技で、ゴールデングローブ賞テレビ部門主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を3年連続で受賞している。待望のシーズン4も6月26日(木)よりDisney+(ディズニープラス)「スター」にて一挙独占配信されることがわかっている。
また、映画『アイアンクロー』ではザック・エフロンと共演。プロレス界の伝説的な一家フォン・エリック家の四男を演じるために肉体を鍛え上げ、体を張った熱演で映画ファンを魅了した。その存在感はスクリーンにとどまらず、カルバン・クライン(Calvin Klein)のアンバサダーを務め、2024年春のアンダーウェアキャンペーンに起用されるなど、そのビジュアルと肉体美でファッション界からも熱い視線を集めている。
止まらない快進撃!ジェレミーの話題作が続々待機中
ジェレミーが米ロック界の重鎮ブルース・スプリングスティーンを演じることで注目を集めている伝記映画『Deliver Me from Nowhere(原題)』は今年10月に米国公開予定。
さらに、2026年公開のスター・ウォーズシリーズ最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』では、ジャバ・ザ・ハットの息子ロッタ・ザ・ハット役に抜擢。加えて、イタリアの名女優イザベラ・ロッセリーニと共演した『The Painted Bride(原題)』では主演を務める。
さらに、アリ・アスターがプロデューサーを務めるA24製作の新作『Enemies(原題)』(監督:ヘンリー・ダナム)では、オースティン・バトラーとダブル主演を務めることが発表され、ハリウッド若手トップ俳優の競演に早くも注目を集めている。同作には、西島秀俊や『SHOGUN 将軍』のアンナ・サワイも出演しており、国際色豊かな豪華キャストが揃う話題作となっている。
ショート予告編が解禁
自動車整備士のダニエル役を演じたジェレミーの、抑えたトーンの中で揺れ動く感情を巧みに表現した演技は、「引き算された非常に素晴らしい演技」(Rolling Stone)、「ジェレミーの存在が映画を活気づける!」(The Hollywood Reporter)など絶賛された。世界が注目する新世代スター、ジェレミー・アレン・ホワイト。注目作が次々と控える今だからこそ、『フォーチュンクッキー』での味わい深い演技を、ぜひ劇場のスクリーンで見届けてほしい。
『フォーチュンクッキー』は6月27日(金)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイトシネクイント、アップリンク吉祥寺ほか全国公開。(海外ドラマNAVI)