
ロバート・ジョーダンのベストセラー小説「時の車輪」シリーズを原作とするAmazon Prime Videoのファンタジードラマ『ホイール・オブ・タイム』が、今年3月から4月にかけてお披露目されたシーズン3をもって打ち切られた。米Deadlineなど複数のメディアが報じている。
原作シリーズすべてを映像化するはずが…
原作シリーズは1990年から2013年までに全14冊が発表された。原作者のジョーダンが2007年に死去して以降は、彼の草稿などをもとにブランドン・サンダースンが執筆する形で続けられた。
2021年11月に始まったドラマ版は、Amazonにおいてシリーズ初回の見られた回数が2021年として1位、歴代でもトップ5に入るほどの好成績でスタート。しかしシーズンを重ねるごどに徐々に成績は下降し、シーズン1・2はシーズン全話が配信完了となるまでニールセンのランキングでトップ10入りしていたのに対し、シーズン3は配信開始後4週目にトップ10圏外に。4月17日のシーズン最終話リリース後に一旦ランキングに戻った時の順位も10位に留まった。ニールセンのランキングはあくまでも全米での視聴率を示すものであり、世界的には複数の国でAmazonランキングの首位を獲得していたが、ファンタジー大作がゆえに制作費が高い本作の場合、シーズン3の反響は新シーズンへと継続するには不十分と考えられたようだ。シーズン3全話が配信されてから1ヵ月経ったタイミングで、シーズン4は制作されないことが明らかに。
シーズン1解禁の半年前にシーズン2へ更新されたように、シーズン2・3継続は早々に決まったのに対しシーズン4更新がなかなか発表されないことを受けて、今月上旬にファンがキャンペーンを開始。Amazon側に更新を求める署名は16万人以上集まっていたが、実を結ばなかった。
打ち切りの可能性があったため、シーズン3のフィナーレは多少の締め括りをする内容となっていた。とはいえ、シリーズ開始当初にAmazon側が原作をすべて映像化する意思を示していたことを考えると、ドラマ版が短命に終わったことは残念だろう。特に、シーズン3は出来としてはシリーズ最高とも言われていただけにもったいない感は否めない。
実際、クリエイターのレイフ・リー・ジャドキンスは、シーズン3フィナーレを受けて新シーズンが実現した場合の展望を次のように語っていた。「(シーズン4に向けて)シーズン3終盤にいくつもの要素を仕込んでおきました。これで原作シリーズでも特に重要な6冊目にある象徴的なストーリーを綴る準備が整いました。5冊目に描かれている重要な瞬間のいくつかも盛り込む予定で、シリーズの中で最もワクワクする部分に差し掛かろうとしているところです。この原作シリーズの素晴らしい点の一つは、『ゲーム・オブ・スローンズ』とは逆に、進むごとにどんどん良くなっていくこと。それこそがドラマシリーズに求められることなんです。評価の高いドラマの多くは、シーズン3、4あたりで本領を発揮するようになります。僕が思うに、この作品もそうなる可能性を秘めていますし、このまま続けてきちんと完結させたいですね」
『ホイール・オブ・タイム』シーズン1~3はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)にて配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:『ホイール・オブ・タイム』© Amazon MGM Studios