『スーパーナチュラル』史上“最も異色”のクロスオーバーが称賛される理由とは?

15シーズンにわたり放送された米CWの超常現象ドラマ『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』。兄弟サムとディーンの活躍を描く本作は、CW最長寿シリーズとして多くのエピソードが制作された。

長期シリーズでありながら作品の魅力を維持するため、数々の“クロスオーバー”が試みられたが、中でも最も異色な1本が話題となっている。

 

兄弟の相棒が登場

それは、DCシリーズ『レジェンド・オブ・トゥモロー』シーズン5第9話「私の知らない私」に登場した、異色のクロスオーバー回だ。このエピソードでは、『スーパーナチュラル』本編の主人公であるウィンチェスター兄弟は登場しないものの、象徴的存在である彼らの愛車“ベイビー”(シボレー・インパラ)が登場。

『レジェンド・オブ・トゥモロー』のキャラクター、サラ・ランス、チャーリー、ジョン・コンスタンティンがその車に遭遇し、劇中で『スーパーナチュラル』の撮影現場に紛れ込んだという“メタ”な展開が描かれた。

サラはベイビーの後部座席にある死体を小道具だと説明し、誰が『スーパーナチュラル』のシーズン15を撮影しているのかに興味津々。

一見ただのギャグ回のように見えるが、長年CWを代表してきた両シリーズをつなぐ粋な演出としてファンから評価されている。

キャストのDC作品への広がりも注目

この“異色なクロスオーバー”に加え、両シリーズに出演した俳優たちがDC作品に関わっている点にも注目が集まっている。

ディーン役のジェンセン・アクレスはアニメ映画『バットマン:アンダー・ザ・レッド・フッド』でレッドフッドの声を担当したほか、トゥモローバースのアニメシリーズでバットマンも演じている。また、カスティエル役のミシャ・コリンズは、ドラマ『Gotham Knights(原題)』でハーヴィー・デント役を務めた。

さらに、『スーパーナチュラル』でルビーを演じたケイティ・キャシディは、その後『ARROW/アロー』シリーズでローレル・ランス/ブラックキャナリーとしてブレイク。計152エピソードに登場し、アローバースの中心的キャストとなった。

他にも、ジョン・ウィンチェスター役のジェフリー・ディーン・モーガンと、ベラ・タルボット役のローラ・コーエンは映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に出演。

DCユニバースとCW作品、そして『スーパーナチュラル』との多層的なつながりが浮かび上がってくる。

こうした背景もあり、『レジェンド・オブ・トゥモロー』と『スーパーナチュラル』のクロスオーバーは、単なるネタ回にとどまらず、CWユニバース全体のファンにとって“ご褒美”ともいえるエピソードとなっている。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』©︎Warner Bros. Entertainment, Inc.