『ドクター・フー』デヴィッド・テナント、頭蓋骨寄贈を希望「ハムレットに使って」

『ドクター・フー』『グッド・オーメンズ』などで知られる英国の人気俳優デヴィッド・テナント。TVに映画に舞台と、英国の映像・演劇に欠かせない彼は、自身の頭蓋骨も舞台で使って欲しいと考えているという。

 

デヴィッド・テナントの頭蓋骨もいつか…?

デヴィッドは、2008年に『ハムレット』の舞台に出演。この作品で彼は主人公ハムレットを演じ、ヨリックの死を嘆きながら彼の頭蓋骨に語りかける場面があるのだが、このときに使われたのは本物の人間の頭蓋骨だった。

この経験を経て、このほどポッドキャスト『Off Menu(原題)』に出演したデヴィッドは、自身の頭蓋骨も将来の舞台作品で使用されることを強く望んでいると語った。

「本物の頭蓋骨を使っていました」と語り始めたデヴィッド。「実在した人物の頭蓋骨で、その方はアンドレ・チャイコフスキーというクラシック音楽家です。彼は自身の頭蓋骨を『ハムレット』の公演で使ってもらうためにロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)に寄贈していたんです」

「だから、重さを偽る必要はありませんでした。私はアンドレを抱えていて、彼がヨリックだったのです。決して不気味な意味ではなく、私は本当に、本当にワクワクしましたよ」

デヴィッドは続ける。「この場面は死というものと向き合う瞬間で、演じる必要はありません。かつてこの地上を歩いていた人間の目を見つめること。それは非常に力強い体験でした」

コンサートピアニストであるアンドレは、1982年に46歳で結腸がんのために亡くなった。彼は『ハムレット』の公演のために自身の頭蓋骨をRSCに遺贈したことで広く知られている。

俳優たちが実際の頭蓋骨を持つことに抵抗があったため、長年使用されることはなかったが、2008年、ついにデヴィッドがハムレットとして手にすることになった。

デヴィッドは自身の頭蓋骨も同じように使ってほしいと強く願っているものの、RSCが二つ目の頭蓋骨を受け入れるかどうかはわからないと話している。

英国生物人類学・骨考古学協会(BABOA)によると、100年未満の人間の遺骨を「予定された目的」で保持することは違法であり、もしそのような遺骨を保持する場合は、人体組織管理庁(HTA)からの許可を得なければならないという。

舞台で使用することは公開展示(頭蓋骨を公に展示すること)として「予定された目的」に該当する可能性がある。

舞台の使用には本人の同意のほか、適切な法的権限、使用許可を得る必要があるが、もしデヴィッドが生前に頭蓋骨の使用に同意し、適切な許可証が揃えば、少なくともイギリスでは将来の『ハムレット』の公演で彼の頭蓋骨を使用することも可能になるかもしれない。

デヴィッドが主演するヒットドラマ『グッド・オーメンズ』はPrime Videoにて独占配信中(海外ドラマNAVI)

Photo:Instagramアカウント@davidtennantcomより