米ABCにて2009年から2016年まで放送された犯罪捜査ミステリー『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き』。日本でも人気の高いこのシリーズは、実はシーズン9の製作が予定されていたが、突然シーズン8での終了が決定した。一体何があったのか。
本記事は、『キャッスル ～ミステリー作家は事件がお好き』最終回のネタバレがあるのでご注意ください。
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『キャッスル ～ミステリー作家は事件がお好き』のネイサン・フ …
なぜ8シーズンで終了したのか
シーズン7の終了後、ネイサン・フィリオン（リチャード・キャッスル役）とスタナ・カティック（ケイト・ベケット役）がサインした延長契約は1年だったため、この時点でシーズン8が最後になるのでは、という憶測が流れていた。
米Deadlineによると、シーズン8を通して視聴率は低下し続け、平均視聴者数はシリーズ最低の記録だったという。『キャッスル』はABCで最も人気のあるシリーズの一つだっただけに、局にとってはショッキングな事態だった。その後、シーズン9の予算削減や、エピソードの短縮、主要キャストの降板などについて報じられるようになった。
このような状況の中で、スタナとタマラ・ジョーンズ（ラニ・パリッシュ役）のシーズン8以降の出演は雲行きが怪しくなり、二人は2016年にシリーズを卒業することが決定（スタナは解雇されたが、タマラは解雇か自身の決断かは明らかにしていない）。一方、ネイサンとほかの主要キャストはシーズン9のための1シーズンの更新に合意した。『キャッスル』というドラマはキャッスル＆ベケットのコンビを中心に展開していたことを考えると、スタナ抜きでシリーズを進めるという決定は、最も熱狂的な視聴者たちを間違いなく困惑させた。
そして、主演コンビの一人だけが解雇されたという事実はさまざまな憶測を呼び、シリーズの苦境に拍車をかけ、結果的にシーズン9までの更新を発表した1週間後に打ち切りが決まった。
想定外の最終回
急転直下で打ち切りが決まった時にはすでにシーズン8の最終回間近だったため、製作陣にはベストな最終回を用意する時間も残されていなかった。
シーズン9へ続いていた場合、まずシーズン8はキャッスルとベケットがふたりともアパートで撃たれ、手を取り合って意識を失うというクリフハンガーで終了。そして、シーズン9でキャッスルが生き延びたことが明らかになる、はずだった。
実際のシーズン8は、キャッスルとベケットが撃たれた後に7年後の世界へと飛び、ふたりが子どもたちに囲まれている絵で終わりを迎えた。このラストシーンについては、死ぬ間際に見た幻影説、死後の世界説などさまざまな解釈がなされた。
シーズン9へ続いていたら？
もしシーズン9が実現していたら、シリーズは探偵としてのキャッスルにフォーカスし、ベケットの死の真相を探る展開が用意されていたという。キャッスルとベケットの軽快なやり取りが好きだったファンにとって、復讐に執念燃やすキャッスルの姿はあまり見たいものではないかもしれない。
実は、シーズン6終了後にショーランナーが交代（アンドリュー・W・マーロウからアレクシス・ホーリー＆テレンス・ポール・ウィンター）しており、この頃からシリーズはキャッスルの探偵業を発展させるためにより彼を中心にした内容に方向転換を始めた。今となっては、スタナを降板させる準備がこの頃から始まっていたと考えることもできる。シーズン7以降、『キャッスル』の人気は急激に翳りを見せたが、それはこの番組が愛されていた理由を失い始めたにほかならないだろう。
『キャッスル ～ミステリー作家は事件がお好き』全8シーズンはDisney+（ディズニープラス）で配信中。（海外ドラマNAVI）
