10月末からNetflixで解禁された政治ドラマ『ザ・ディプロマット』シーズン2。観る者を驚かせた衝撃のラストについて、クリエイターのデボラ・カーンがIndie Wireに語った。
(この記事はネタバレを含みます)
多くの犠牲者が出る展開に…
『ジ・アメリカンズ』のケリー・ラッセルが大使に任命されたエリート外交官を演じるポリティカルドラマ『ザ・ディプロマット』。10月31日(木)のシーズン2配信前にシーズン3への更新が発表され、どのようにつながるのか注目を集めていたが、そのラストは予想を上回る衝撃を与えるものだった。
いずれは副大統領に…という周囲の思惑を知らずに、駐英米国大使に任命された主人公ケイト・ワイラー。シーズン2では現職の副大統領グレース・ペンが満を持して初登場。『ザ・ホワイトハウス』でエミー賞を受賞したアリソン・ジャネイがグレース役を演じるとあってキーキャラクターになるのではと見通しを立てていた視聴者は多いにちがいないが、その予想通り驚きの展開に大きく関わることになる。
「初めて見た時、視聴者はなんて嫌な人なんだろうと思う」とグレースの第一印象について話すクリエイターのカーン。「グレースはケイトを嫌うだろうし、ケイトもきっとそうだろうって。それからすぐにブロマンス的な展開になるの。“嘘でしょ、彼女こそ私たちがまさに求めているリーダーだし、小さい頃になりたかった夢の人だわ”って。それからケイトは彼女がしたことを知って、また彼女を嫌いになる。でも彼女が“なぜ”そうしたのかを知って“私もまったく同じことをしたに違いない”って気がつくの。ハルに対しても“あなただって同じことをしたはず”って言うのよ。視聴者が複雑すぎる問題に直面するキャラクターたちの思考に入り込めるように努力したの。ホラーみたいよね。結果的に多くの犠牲者が出ることになってしまったけれど、もうひとつ考えていた結末では、もっと多くの犠牲者が出る大惨事になっていました。無傷では済まなかったの」
現場でケリーとアリソンが真剣勝負を繰り広げた日についてカーンは「アリソンはそれを楽しみにしていたと思うけど、私たちはみんなそれが少しこわかった」とコメント。「実はあのシーン、一番若いスタッフのひとりである脚本家ジュリアナ・マールにそのシーンの脚本を任せたの。彼女は見事にやってくれたんだけど、みんな緊張していた。最初のリハーサルの日、何度かシーンを確認して進めていたらクルーたちが全員集まって来て立ち位置とか、必要なものを確認したりしてくれたの。そこで読み合わせが終わると、文字通りクルー全員から拍手が巻き起こった。あんなのこれまで一度も見たことがない」と、成功を確信していたという。
アリソンが起用されたことでグレースという役が予定よりも大きなものになったことを認めたカーン。シーズン3にもグレース役でアリソンが再登場することは確実と思われる。
この取材はシーズン3への更新が発表される前だったため、カーンは明言を避けていたが「アイデアがある」とやる気を表明。「でもライタールームに持ち込んで“これよりいいアイデアを出して”と言うのが好き。何も持たずに参加することはないけれど、その場で生まれる有機的なプロセスにしたいの。どのアイデアにも固執したくない。自分のアイデアが常に一番だとは思っていないし、賢い6人がそれぞれのアイデアを出してくれるから」と話しており、さらに高みを目指したものを制作する意欲を見せている。
(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflix『ザ・ディプロマット』シーズン2独占配信中