『ビッグバン★セオリー』が打ち切りになった理由

2007年より12シーズンにわたって放送された長寿シットコム『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』は、人気が中だるみになることなく視聴率は好調だったが、なぜ打ち切りになったのだろうか?

 

続ける意思がなかった…?

Slash Filmによると、番組が終了した一番の理由は、主人公の一人シェルドン・クーパー役を演じたジム・パーソンズに続ける意思がなかったからだという。

2020年、ジムは『ドクター・フー』で10代目ドクターを演じたデヴィッド・テナントのポッドキャスト番組に出演し、『ビッグバン★セオリー』の終了を決める前に2年間の出演契約を交わした際の心境について言及。「契約書にサインした時、心の中で“これが最後になるんじゃないか”って少し思ったけど、“絶対にない”とは言えないし、どうなるかは分からなかった」と語った。どうやら、その頃から終わりが近づいていると感じていたようだ。

また、ジムは仕事で疲れ果てていただけでなく、ペットの犬が死を迎えつつあったことにも動揺していたとのこと。その他にも、番組終了の1年前からブロードウェイ・ミュージカル『ボーイズ・イン・ザ・バンド』に出演し始め、東海岸と西海岸を往復して多忙を極めていたことも理由の一つとして挙げられている。

ジムは仕事の掛け持ちについて、「想像できるだろうけど、複雑な道のりだった」「番組の降板について感じていたことが、すべて正しかったと実感した」と述べている。

さらに悪いことに、『ボーイズ・イン・ザ・バンド』の出演中にジムが脚を痛めたことも、状況を悪化させたという。公演を1回休まざるを得なかったジムは、「それから数日間は、何も分からなかったから一番怖い時期だった。崖っぷちでグラグラ揺れているような気分だったし、犬の死と崖下の間でダークな何かが見えたんだ。もし舞台に戻れなかったら、どうなっていたか分からない」と回想。様々なことが重なり、『ビッグバン★セオリー』の続行に前向きになれなかったのではないかと思われる。

最終的に、ジムの意向で『ビッグバン★セオリー』は幕を閉じたが、シェルドンの幼少時代を描く前日譚スピンオフ『ヤング・シェルドン』が7シーズンにわたって放送された。続いて、『ヤング・シェルドン』のスピンオフ『Georgie & Mandy's First Marriage(原題)』が誕生し、米CBSにて放送開始されたばかり。『ビッグバン★セオリー』ユニバースは拡大を続けている。

『ビッグバン★セオリー』全12シーズン、『ヤング・シェルドン』シーズン1~6は、U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

 

Photo:『ビッグバン★セオリー』© Warner Bros. Entertainment Inc