Netflix『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』モデルになった本人が幼稚でずさんだと批判

『Glee/グリー』や『9-1-1:LA救命最前線』などの人気シリーズを世に送り出したクリエイターのライアン・マーフィーが手がけるNetflixオリジナルシリーズ『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』の配信が先週よりスタート。さまざまな批評が寄せられるなか、この事件の当事者がドラマを痛烈に批判している。米Deadlineが伝えた。

 

大ヒットアンソロジーシリーズの第二章

15人以上を手にかけた殺人鬼を描き大ヒットした『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』に続くアンソロジーシリーズ第二弾にあたる『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』。まだ、非公式の情報ではあるがシーズン3では実在したシリアルキラーのエド・ゲインが題材となり、『サンズ・オブ・アナーキー』のチャーリー・ハナムが主演を務めると報じられている。

シーズン2では、両親を殺害した罪で1996年に有罪判決を受けたライル&エリック・メネンデス兄弟の事件に焦点を当てる。メネンデス兄弟は当初、容疑者とみなされていなかったが、事件から数カ月後に親の遺産で豪遊していたことから関与を疑われ、最終的に弟エリックが精神科医のジェローム・オジールに犯行を告白したことで真相が明らかに。裁判では、父親からの虐待(性的虐待を含む)により命の危険を感じたためだったと主張したが、兄弟で一緒に有罪判定が確定し、終身刑が言い渡された。

シリーズの配信がはじまると、エリックはライルのFacebookにて声明を発表。このドラマは人物描写が不正確で悪意があるとし、「意図的にやったとしか思えません。ライアン・マーフィーが悪意なく我々の人生をこのように幼稚でずさんに描くことはないでしょう」と述べた。

声明の中で、エリックはNetflixのドラマが不正確であると繰り返し、このような表現では男性が受ける性的虐待についての認識を後退させると主張。「マーフィーは、ライルや私を卑劣で最低な人物として描き、我々の名誉を傷つけることで恐ろしい物語を作り上げています」と訴えた。

エリックとライルは1996年に仮釈放のない終身刑を言い渡され現在も服役中だが、兄弟の弁護士であるマーク・ジェラゴス氏は新しい家族の証言によって故殺(殺害の意思はあっても計画的犯行ではないもの)に減刑されることを「控えめに期待している」と米Peopleに述べている。

エリック・メネンデスからの批判に対し、クリエイターは?

本作でライルを演じ、大ブレイクが期待されているニコラス・アレクサンダー・チャベスが出演する新作ドラマ『Grotesquerie(原題)』のレッドカーペットでインタビューに応じたマーフィーは、「エリックはドラマを見ていないので、そこが興味深いですね。だからちょっとおかしいと思います」とこの批判についてコメント。

「エリックが見てくれることを願っています。もし見てくれたら、クーパー・コッチの演技を誇りに思うだろうと思います。これは30〜35年前の事件です。ドラマでは多くの視点が提示されています。毎エピソードで、事件に関わった人々や報道した人々による新しい理論が示されます。議論になっているのは、例えば兄弟が近親相姦関係にあると描かれている点です。そんなことは起きていないと言う人もいれば、起きたと言う人もいます」

また、視聴者はどうこの事件が終わりを迎えたかをすでに知っていると指摘し、「二人の人間が残酷に撃たれたことを知っています。誰が無実で、誰が有罪で、誰がモンスターなのか、あなた自身で考えてください。また、今まで話題にされることがなかった“男性が被害者の性的虐待”についても話してください。私たちは責任を持って語ってきました。ドラマの6割はエリックとライルが虐待・被害について話し、どれほどの感情を乗り越えてきたのかが語られています。実際、エリック役のクーパーが見事に演じている裁判での30分のシーンがあります。自分の身に何が起きたのか、なぜあんなことをしたのかを語っています」

Netflixの公式概要にあるように、本作を見て「本当のモンスターは誰なのか?」を考えてみてほしいと熱く話した。

『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』はNetflixにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』はNetflixにて独占配信中