「夏にぴったりな映画!」映画『ツイスターズ』小芝風花&津田健次郎インタビュー

全国の劇場で公開中の映画『ツイスターズ』の日本語吹替版声優を務めた小芝風花と津田健次郎にインタビュー! 本作の見どころやアフレコの様子についてお話を伺った。

『ツイスターズ』日本語吹替版声優の小芝風花&津田健次郎インタビュー全文

――まず、ご自身が吹替を担当した役、そして演じている俳優に対する印象を教えてください。

小芝:ケイト役はデイジー・エドガー=ジョーンズさんが演じていますが、竜巻に立ち向かっていくシーンで、恐怖の感情がちゃんと残っているところが素敵だなって思いました。正義のヒーローではなく、過去のトラウマに向き合っていく。竜巻が好きであると同時に、恐ろしさを把握しているうえで立ち向かっていく姿がリアルで引き込まれるなって思いました。

津田:グレン・パウエルさんは、嫌な奴を演じるのが非常に達者だなあと改めて感じました。冒頭なんか特にそうですよね。で、徐々に彼の本質が見えてくるっていう。ワイルドでイケイケな男かと思いきや繊細な一面も持ち合わせている。そういうギャップがタイラーの魅力かなと思います。

――アフレコで難しかったシーンはありますか? また、どんなことを心掛けましたか?

小芝:ケイトはわりと普通の顔で冗談を言ったり、タイラーに嘘を吐いたり、そういう茶目っ気がある人なので、そういうシーンは楽しくできるように意識しました。

津田:冒頭は、ケイトとの距離感が難しかったですね。ライバル状態でけん制し合っているけど、どこかお互いに興味も持ってる。でも、なかなか距離も縮まらず…みたいな。この繊細な距離感は、現場でもテイクを重ねたところではありましたね。

――小芝さんは今回2回目の吹替かと思いますが、オファーを受けたときの気持ちをお聞かせください。

小芝:最初はうれしい気持ちでいっぱいでした。いろんなお芝居の形がある中で、また吹替も挑戦してみたいなっていう気持ちがあったので。ただ、いざ収録が近づいてくると「どんな感じでやったらいいんだっけ?」と思って。『ツイスター』を吹替版で見て、俳優さん本人のお芝居と、それに対する声の当て方を参考にして臨みました。

実際やってみて、やっぱり難しかったですね。私が収録した段階では津田さんの声だけ入っていた状態だったので、道しるべにさせていただきました。ほかのキャラクターはみんな英語だったので、テンションの具合とかもわからない中でのアフレコでした。

最初に声を当てたシーンは、冒頭ではなくてタイラーとの掛け合いからだったんです。そこで雰囲気を掴んでから、最初から通しでやりました。完成して、全員の声が入ったものをスクリーンで見たとき、反省点がありつつも感動しました。

ツイスターズ

――ご自身が俳優として演じるお仕事もされていますが、洋画の吹替はどういう違いがありますか?

小芝:感情の作り方が全然違いますね。アフレコ経験がある役者さんと共演する機会があって、吹替のコツってありますか? と聞いたら「とにかく自分を消すこと」とアドバイスをもらいました。とにかく、演じている俳優さんのお芝居に寄せていく必要がある。

日本とアメリカでは、喋り方のテンポも違うじゃないですか。感情じゃなくて、客観的に見ていなきゃいけないところが、すごく難しいなとあらためて思いました。

――津田さんは、タイラーのような役柄が新鮮でした。

津田:珍しいですよね。あまりやってこなかったタイプのキャラクターなので楽しみでした。前半はやっぱり難しかったですね。テンポが速くて「イェーイ!」っていう感じなので(笑)テンションが高いシーンが多いので、そのへんは振り切ってやっていこうという思いでした。ある程度ガワがとれて、本音が出てくる段階になるとやりやすかったですね。

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――本作には「ふたご竜巻」や巨大な「MEGA竜巻」、雷を纏う「暴れ竜巻」など、さまざまな竜巻が登場しますが、一番印象的なものは?

小芝:「ふたご竜巻」ですね。

津田:僕もです。だって、2個の竜巻がわーって来るんですよ!

小芝:「火柱竜巻」も怖かった…!

津田:怖かったですね。石油精製所を巻き込んじゃって。竜巻って車も浮くし、家も吹き飛ばされて、もうダメだって思っちゃいましたね。

小芝:スピードもめっちゃ速いんですよね。

津田:そう、時速500kmですよ! 本編で「ここに掴まってろ!」っていうセリフがありますが、掴まってられる!? って。見てるだけで怖かったです。

ツイスターズ

――最後に、映画を見た感想とおすすめポイントを教えてください。

小芝:とにかく大迫力なので、大きいスクリーンで見ていただきたいです。アフレコの時は小さい画面でチェックするんですが、それでもこんな竜巻が襲ってきたら怖いだろうなって思いました。完成したものをスクリーンで見たとき、4DXじゃなくても「ちょっと揺れた!?」ってくらい迫力があって。そして、4DXになると、本当にもうすごい! 吸い込まれちゃうんじゃないかっていう臨場感があってアトラクションのようで楽しかったです。夏にぴったりな映画だと思います。

津田:本作を35mmフィルムで撮影したと聞いて、そのこだわりに驚きました。フィルムならではのざらざら感があるんですよね。しかも、監督のリー・アイザック・チョンさんは『ミナリ』も手掛けていますが、本作はまた全然違う。その表現の幅広さに、映画好きとしてぐっときました。

タイラーとケイトは、重要人物としてドラマがしっかり描かれるわけですが、それ以外のキャラクターにも一人ひとりドラマがあるのもいいですよね。個人的にはケイトのお母さんが、いいなーって思いました。いろんな面を持つ映画なので、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめる、素敵な夏休み映画になっています。

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『ツイスターズ』公開情報

映画『ツイスターズ』は大ヒット公開中。(海外ドラマNAVI)

Photo:(c) 2024 UNIVERSAL STUDIOS,WARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENT,INC.