今年で放送開始20周年を迎えるSFアクションドラマ『バトルスター・ギャラクティカ』でクリエイターを務めたロナルド・D・ムーアが、このシリーズが現在製作されていたら、どんな作品になっていたかについて語っている。
サンディエゴ・コミコンにクリエイターが登壇!
2004年より、4シーズンにわたって米Syfyにて製作された『バトルスター・ギャラクティカ』は、1970年代に人気を博したSFドラマ『宇宙空母ギャラクティカ』のリブート版。『ブレードランナー』のエドワード・ジェームズ・オルモス、『Major Crimes ~重大犯罪課』のメアリー・マクドネル、『HAWAII FIVE-0』のグレイス・パーク、『LUCIFER/ルシファー』のトリシア・ヘルファーらが出演。
基本的に本家シリーズとコンセプトを同じくしたリブート版は、人類が機械生命体「サイロン」の攻撃でほぼ壊滅した後、生存者たちが宇宙艦「バトルスター・ギャラクティカ」に乗り込み、新たな故郷を求めて繰り広げるサバイバルが描かれた。
サンディエゴ・コミコン2024のパネルにムーアが登壇し、『バトルスター・ギャラクティカ』が現在製作されたら、どんな作品になるかとの質問に、「私たちの生活や歴史における特定の時期に書いたので、おそらく物語自体は違うものになるでしょう」と回答した。ムーアが本シリーズに着手し始めたのは、2001年9月11日に起きた米同時多発テロ事件のわずか1カ月後だったという。
「番組の開発が進むにつれ、イラクやグアンタナモ湾で事件が起こり、愛国者法や現代世界におけるテロリズムや原理主義など、自由と安全保障に関する多くの問題を取り扱いました。私は番組で、その瞬間の自分たちが何者であるかを語りたかったのです。ですから、もし今、『バトルスター・ギャラクティカ』をゼロから作るとしたら、どうなるか分かりません」
『バトルスター・ギャラクティカ』の製作当時、世界で起きている問題を番組の内容に反映させたというムーア。新たにシリーズがリブートされることになったら、現在起きている数々の問題が取り上げられることになりそうだ。
またムーアは番組が復活した場合、前回と同様にオリジナル版のコンセプトを守るつもりだという。「『宇宙空母ギャラクティカ』として認識してもらいたいのです。宇宙を駆け抜ける軍艦、そして空母であり、終末的な攻撃を受けた後にサイロンから逃げる、寄せ集めの民間艦隊を描くのです。彼らの社会についての物語ですからね」と説明している。
さらに、生存者たちが残そうとした文明や、彼らにとって何が重要なのか、民主主義とは何なのかという詳細まで掘り下げようとすれば、過去20年間で起きたことを踏まえなければならないため、同じ番組にはならないとも語った。
なお、現在ムーアはApple TV+の歴史改変ドラマ『フォー・オール・マンカインド』シーズン5の撮影に取り組んでいる。(海外ドラマNAVI)
Photo:『バトルスター・ギャラクティカ』 (c) 2004 USA Cable Entertainment Development, LLC All Rights Reserved