神谷浩史に新たなハマり役!吹替版『テッド ザ・シリーズ』の魅力【レビュー】

2024年1月11日(木)から動画配信サービス、U-NEXT(ユーネクスト)にて独占配信されている『テッド ザ・シリーズ』。その吹替版が3月7日(木)より独占配信スタートということで、今回は本作の見どころと吹替版の魅力を紹介する。

『テッド ザ・シリーズ』の魅力

全世界で大ヒットしたコメディ映画がドラマシリーズとなって登場!

1985年、8歳の少年ジョン・ベネットのお願いが奇跡を呼び、命を持ったテディベアのテッド。一躍、全米中で人気者になったテッドだが、27年後にはすっかり落ちぶれてしまっていた。

愛くるしい見た目に反して、毒舌、下ネタ、Fワード連発というテッドと、中年となったジョンとの友情をギャグとシニカルなユーモアたっぷりで描いたコメディ映画『テッド』(2012)は、全世界で大ヒット。世界興行収入5億496万ドルを記録し、R指定映画における2012年の最高記録を樹立した。

2015年には続編となる『テッド2』も公開された大人気映画シリーズが、ドラマ版となる『テッド ザ・シリーズ』として2024年に新たに登場。本作も映画版と同じく、テッド役をセス・マクファーレンが続投し、製作総指揮、脚本、監督、ショーランナーも担当している。

米国では、1月11日の配信開始後3日間でPeacock史上最も視聴された作品として、変わらない人気ぶりを示しており、日本では、U-NEXTにおいて字幕版の全8話が独占配信中、吹替版も3月7日より独占配信がスタートしている。

今度の舞台はハイスクール! 思春期のジョンとテッドが高校に通う学園モノ

本作は映画シリーズの前日譚。舞台は1993年、ベネット家で暮らす16歳となったジョンがテッドと一緒に高校に通うという、アメリカンハイスクールや思春期の10代における特有のネタを、相変わらずのギャグや、下ネタ、シニカルなユーモアに、テッドの毒舌を交えた学園モノだ。

さらに、ベネット家の外観は、1950年代にアメリカで放送されていたホーム・コメディドラマ『ビーバーちゃん』と同じということからも分かるように、古き良きアメリカンシットコムとホームコメディのテイストとパロディが作品のベースとなっており、1話約30分前後の構成によって、たたみかける笑いのテンポの良さも魅力。ちなみにセットで言うと、ジョンたちが通うボストン郊外のジョン・ハンコック高校の外観は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の時計塔を再利用しているそうだ。

出演は、テッドの声にセス・マクファーレン、ジョン役にマックス・バークホルダー(『パージ』)、ジョンの父マット役にスコット・グライムズ(『宇宙探査艦オーヴィル』『アメリカン・ダッド』)、ジョンの母スーザン役にアラナ・ユーバック(『スキャンダル』『リメンバー・ミー』)、ベネット家に住むジョンの従姉ブレア役にジョルジア・ウィガム(『Marvel パニッシャー』)。そして、スペシャルゲストにナレーターとしてイアン・マッケランも出演している。

吹替版テッド役の神谷浩史に注目! 毒舌な神谷の本領発揮!?


本作も映画版と同様に、80年代から90年代にかけてのスラング、時事ネタ、原題と邦題が違うようなサブカルネタが満載の作品となっている。そのため、英語が得意という方でもなかなか理解しづらく、字幕では字数制限や、字幕を読むために映像から目を離さないといけないので、笑いどころのタイミングを逃してしまうなどということもあり、オリジナルキャストの原音を楽しみたいという方以外には、ぜひ吹替版をオススメしたい。

そんな本作の吹替版で、テッドの声を演じているのが神谷浩史だ。映画版では、有吉弘行や遠藤純一がテッドの声を担当していたが、今回は10代のジョンに合わせて、彼らよりも若い声の神谷が演じている。

神谷浩史

神谷については、アニメでは『進撃の巨人』のリヴァイ役や、海外ドラマの吹替えは『BELOW THE SURFACE 深層の8日間』など、イケボのイメージを持たれる方も多いと思う。

しかし、アニメ『おそ松さん』など多くのギャグアニメに出演しており、ラジオやYouTubeなどでは切れ味バツグンのツッコミや毒舌ぶりを披露していることからも、テッドはハマリ役。それほど多くの海外ドラマシリーズに吹替えで参加していないこともあり、神谷にとって、海外ドラマの吹替え代表作になりうる作品かもしれない。

そのほかの吹替えキャストには、ジョン役に河西健吾、ブレア役に上坂すみれ、マット役に渡辺穣、スーザン役に浅野まゆみ、ナレーションに銀河万丈、さらに雨蘭咲木子などが名を連ねている。その中でも、河西と神谷の無邪気でおバカなティーンのじゃれ合い演技や、リメイク版アニメ『うる星やつら』で共演中の神谷と上坂による掛け合いも見どころだ。

河西健吾

実力のあるキャストの吹替えにより、ドラマに集中できるハイクオリティな吹替版も提供されている『テッド ザ・シリーズ』。ぜひこの機会に吹替版でも楽しんでほしい。

(文/豹坂@櫻井宏充

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