ゴジラ新作『モナーク』主演アンナ・サワイにインタビュー「ゴジラは可哀想な子」

「モンスター・ヴァース」の世界観をベースに描かれる、ゴジラのドラマシリーズ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』。11月17日(金)よりApple TV+で独占配信が開始した本作で、主人公の一人ケイトを演じたアンナ・サワイにインタビュー! 本作の見どころや撮影現場の裏話、さらには好きな怪獣について語ってもらった。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』ケイト役のアンナ・サワイ《インタビュー》

――本作は2014年の『GODZILLA ゴジラ』や2019年の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』といった「モンスター・ヴァース」の一つという位置づけです。それ以外にも、日本の東宝によるゴジラ作品がたくさんありますが、本作の出演が決まる前にゴジラ作品を見たことはありましたか?

もともと日本の作品より海外の作品を見ることが多いので、1番最初に見たゴジラ作品は「モンスター・ヴァース」1作目の『GODZILLA ゴジラ』(2014年)だったかと思います。

本作の出演が決まってからは、ほかのキャストと一緒に映画を見返して「ゴジラの性別って何なんだろう?」なんて、普段ではあまり考えないことを話し合ったりしました。マネージャーからも歴代のゴジラについて解説した本をもらって、それを読み込むこともしましたね。

――「モンスター・ヴァース」といえば、その名の通りモンスターこと怪獣が見どころの一つかと思います。本作にもたくさんの怪獣が登場しますが、中でもアンナさんお気に入りの怪獣はいますか?

やっぱりゴジラですね。私が演じたケイトはゴジラと対面するシーンがあるんです。それを撮影するにあたって、ゴジラをよりリアルにイメージするために、目を開く瞬間の動画をたくさん見ました。そのとき「ゴジラって怖そうに見えるけど、勘違いされているんじゃないかな? 何も悪いことをしていないのに…。可哀想な子だな」って思ったんです。

それからは、ゴジラをとても愛おしく思うようになりました。鳴き声を出すときに、口の横が動く姿も、動物らしくてかわいいなって思います。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』

――ゴジラたち怪獣はCGかと思いますので、撮影では実物を見ることができない難しさがあると思うのですが、どういった苦労がありましたか?

現場ではボールを怪獣に見立てることもあり、動いている姿を想像しながら演技するのは、私にとってチャレンジでもありました。ただ、撮影の合間にこんな感じになるよっていう仮の映像は見せてもらえるので、そういった助けを借りながらイメージを膨らませましたね。

――本作では日本が舞台のシーンもありますが、撮影の裏話をお聞かせください。

普段見慣れている新宿の都庁前で撮影したときは、とても不思議な気持ちになりました。自分にとって日常的な場所に、日本と海外のグループが一つのチームを組んで撮影している。そこに自分も加わっていることがとてもうれしかったです。

差し入れとして、柿の葉寿司を持って行ったことがあったんですが、海外勢は「食べたことない!」って興味を持ってくれて楽しかったですね。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』

――特に本作は、日本の描写が現実に忠実なように感じました。

昔の海外作品って、ちょっとこの日本違うよね? っていうことがありましたよね(笑) 今回、グローバルな作品に日本人として加わる責任は感じていました。だから、ちょっとしたことでも違和感は全部伝えるようにしていました。

たとえば、日本語のセリフについて「こういう言い回しの方がいいと思う」といった感じ。英語から日本語に直訳すると、ちょっと不自然な場合があるので…。でも、スタッフのみなさんは快く受け入れてくれてありがたかったです。

――本作は『GODZILLA ゴジラ』のあと、サンフランシスコが破壊された世界が舞台になっています。ゴジラ=災害という印象を抱き、東日本大震災を思い出さずにはいられませんでしたが、そのあたりは意識されていたのでしょうか?

まさに! 私も東日本大震災を経験していて、今回の役作りではかなり意識しました。当時は、緊急地震速報のアラームが鳴るたびに鳥肌が立って…。人生の中で、トラウマになるような大災害の経験は、東日本大震災くらい。生き残れるのか? と考えることって、日常生活の中ではあまりないですよね。そんな災害を経験した人は、本作を見ると感じることがあるんじゃないでしょうか。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』

――アンナさんは、これまで『Giri / Haji』や『Pachinko パチンコ』、そして今後は『SHOGUN 将軍』が控えるなど、数々のグローバルな作品に出演されています。本作含め、すべてジャンルが異なるように思いますが、作品を選ぶ際の決め手は何ですか?

私は常に、今までやったことがないことに挑戦したいと思っています。本作に関しては、その前に重めの作品に携わっていたこともあって、楽しいことがやりたいなと考えていました。そんなときに『モナーク』のお話をいただいて、人間らしいキャラクターたちを通して怪獣が描かれていくというところに大きな魅力を感じました。

また、純日本人という枠を超えたい想いがあったのですが、今回は日系アメリカ人役に挑戦しています。今まで自分がいけなかったところへ到達できたという意味でも、新しいチャレンジでした。

――ドラマシリーズだけでなく、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』など映画作品にも主演されています。両方のよさをご存じであるアンナさんが考える、ドラマシリーズならではの魅力は何でしょうか。

映画はすごく派手で、お金もたくさんかけられるという意味でも素敵だと思いますが、テレビドラマは作品の時間が長い分、キャラクターをより深く探れます。

「モンスター・ヴァース」に関していえば、映画シリーズは怪獣たちがメインという印象が強いですよね。本作は全部で10話ありますし、3世代にわたる家族をフォーカスしています。さまざまなキャラクターが登場するので「このキャラ、自分に似てるかも?」と共感できるポイントが見つかると思います。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』

――最後に、日本のゴジラファンにメッセージをお願いします。

見どころはずばり、怪獣たちがいつ出てくるんだろう? というドキドキ感ですね。いざ登場すると大迫力で、期待を裏切らないと思います!

「モンスター・ヴァース」シリーズをずっと追っている方は、モナークという組織をご存じだと思います。モナークがどのようにして始まったのか、そして現代にどんな影響を与えているのか…。その謎解きをぜひ楽しんでください。

そして、ゴジラ初の実写ドラマシリーズに参加している日本人キャストがアンナ・サワイでよかったなと思っていただけるような仕上がりになっていると嬉しいです。ケイト含むキャラクターたちを通してゴジラやそのほかの怪獣たちの姿を楽しんでいただけたら幸いです。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』配信情報

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』は、Apple TV+で独占配信中。2024年1月12日まで毎週金曜日に新エピソード配信。

(海外ドラマNAVI)

Photo:画像提供 Apple TV+ / 映像提供 Apple TV+