50年以上前に放送開始となり、今でも人気を誇るとともに日本の作品にも影響を与えたミステリードラマ『刑事コロンボ』(全69話)が、NHK BSプレミアム4Kにて12月4日(月)より放送される。
よれよれのレインコートと葉巻、ボサボサ頭、そして「うちのカミさんがね」をはじめとした名セリフの数々に象徴されるおとぼけキャラに見せて、鋭く抜け目なく真実に迫るコロンボ刑事。彼と犯人の攻防を描く本作は、1968年にアメリカでスタートされるとすぐさま話題となり、単発ドラマのはずがシリーズ化されて日本でも大ヒット。米NBCで1968年に始まった旧シリーズ(計45本)は1978年に終了するが、およそ10年後の1989年に放送局を米ABCに変えて新シリーズ(計24本)がスタート。最終的に2003年まで続いた。
そのシリーズ全作でコロンボを演じたのがピーター・フォーク。本来は主役ではなかったコロンボに彼がいろいろと肉付けして、今でも語り継がれるスタイルを創り上げたおかげで、海外ドラマを代表する名探偵が誕生した。また、倒叙形式(最初に犯人とその手口を明かし、物語が進むにつれてアリバイを崩していくスタイル)である同シリーズは、毎回エピソード序盤で犯行を犯す犯人がどうやって罪を逃れようとし、それをコロンボが追い詰めていくかが見どころだが、その筋書きのカギとなる部分に関してもピーターは何度もアイデアを提供している。
もともとはアンソロジードラマの一編だった作品を、舞台劇を経てピーター主演で単発ドラマ化した記念すべきシリーズ第1話「殺人処方箋」でのコロンボは、フョードル・ドストエフスキーの「罪と罰」で謙虚を装いながら犯人を追い詰めるペトロヴィッチ判事がモデル。髪はキッチリ整えられ、レインコートを腕にかけ、スーツもよれていないという、珍しいコロンボを見ることができる。1927年生まれのピーターは70代に突入した2000年代前半まで同役を演じ続け、シリーズ終盤でのコロンボは白髪頭に! シリーズ全話を通して、そうしたコロンボの進化、変化を見てみては。
同作はまた、犯人役が豪華な点も特徴の一つ。『0011/ナポレオン・ソロ』のロバート・ヴォーン、『スター・トレック/宇宙大作戦』のレナード・ニモイとウィリアム・シャトナー、『スパイ大作戦』マーティン・ランドー、『秘密命令』のパトリック・マクグーハン、『サイコ』のジャネット・リー…と、一部挙げただけでも凄い顔ぶれだ。犯人役の中にはそれぞれ別の人物として複数回出演している人も数人おり、彼らの犯人の演じ分けを楽しむのもいいだろう。また、監督ものちにアカデミー賞監督賞を手にするスティーヴン・スピルバーグとジョナサン・デミなど実力派が揃う。主演のピーターもシリーズ序盤で一度メガホンを取った。
『刑事コロンボ』第1話「殺人処方箋」あらすじ
精神分析医のレイ・フレミングは、患者の若い女優と愛人関係にあった。妻のキャロルから、離婚してこのスキャンダルを公表すると言われたレイは、愛人と共謀して妻の殺害計画を実行。自宅で強盗に襲われて殺されたように工作し、その後、キャロルに変装した愛人とともに大芝居を打って完璧なアリバイを作ったはずだったが…。
『刑事コロンボ』放送情報
NHK BSプレミアム4Kにて12月4日(月)朝4:20より放送スタート(全69話)
※月~金曜日 午前4時台に放送開始(日によって開始時間が異なるため、詳しくは公式ホームページでご確認を)
(海外ドラマNAVI)
Photo:『刑事コロンボ』© 1967 Universal City Studios LLLP. All Rights Reserved.