『刑事コロンボ』トリビア集!あなたはいくつ知ってる?

1968年の全米放送開始から今年で50周年、日本上陸からだと46年目を数える『刑事コロンボ』。日本でも根強い人気を誇り、中には何十回と観返して作品を掘り下げるマニアの方も多いとか。そこで今回、本シリーズをより楽しんで観ていただくための「コロンボ・トリビア」をご紹介。あなたはいくつ知っていますか?

【刑事コロンボ・トリビア その1】オリジナルでは、コロンボが主役ではなかった

オリジナルは、1960年のアンソロジードラマ『The Chevy Mystery Show(原題)』の一編「Enough Rope」を元にした1962年の舞台劇『Prescription:Murder』(単発ドラマとして製作された記念すべき第1作「殺人処方箋」のもとになった作品)。主役はジョセフ・コットン演じる犯人の精神科医ロイの方だったが、事件を担当するコロンボ警部役を務めたトーマス・ミッチェルの演技が大評判を呼び、観客の心を鷲掴みにした。ところが、トーマスが体調を崩し、突然亡くなったことから、惜しまれつつこの舞台は終わりを告げ、テレビドラマ化へとつながる。

 

【刑事コロンボ・トリビア その2】変化するオープニング映像

エピソード10/第2シーズン第1作目「黒のエチュード」から、本編のダイジェスト映像が冒頭に流れる構成にチェンジ。エピソード1「殺人処方箋」は、単発ドラマだけにオープニングを飾るクレジット・タイトルの映像が007ばりに豪華でオシャレ! エピソード2「死者の身代金」からエピソード9「パイルD-3の壁」までの第1シーズンは物語の進行と共にクレジット・タイトルが表示されるのみだった。
※なお、エピソード38/第6シーズン「ルーサン警部の犯罪」以降は放送の都合上からかダイジェスト映像が入ったり入らなかったり不定期となった。

【刑事コロンボ・トリビア その3】TVドラマのレジェンド大集合。4度犯人を演じた"常習犯"も

かつてのTVドラマのヒーローたちがゲスト(犯人役)で集結!

『バークにまかせろ』ジーン・バリー…「殺人処方箋(#1)」
『0011/ナポレオン・ソロ』ロバート・ヴォーン…「歌声の消えた海(#29)」「さらば提督(#37)」
『スター・トレック/宇宙大作戦』レナード・ニモイ…「溶ける糸(#15)」
『スター・トレック/宇宙大作戦』ウィリアム・シャトナー…「ルーサン警部の犯罪(#38)」「4時02分の犯罪(#63)」
『アイ・スパイ』ロバート・カルプ…「指輪の爪あと(#4)」「アリバイのダイヤル(#12)」「意識の下の映像(#21)」「殺人講義(#56)」
『スパイ大作戦』マーティン・ランドー…「二つの顔(#17)」
『秘密命令』のパトリック・マクグーハン…「祝砲の挽歌(#28)」「仮面の男(#34)」「完全犯罪の誤算(#52)」「復讐を抱いて眠れ(#67)」※出演作のみ表示

などなど。往年の作品をチェックすると、ゲストたちの新たな魅力が堪能できる。

【刑事コロンボ・トリビア その4】脇役俳優マイケル・ラリーを探せ

『刑事コロンボ』マニアの間では有名な脇役俳優のマイケル・ラリー。様々な役でなんとシリーズ43作品に出演! 「魔術師の幻想(#36)」ではマイケル・ラリー本人の名でヨーロッパ随一の綱渡り師役を演じている(顔がわからない方はMichael Lally COLUMBOで画像検索してみて!)。ちなみに、「黒のエチュード(#10)」では『ベスト・キッド』のパット・モリタが召使い役で、「殺しの序曲(#40)」ではジェイミー・リー・カーティスがウェイトレス役で出演しているので、こちらも要チェック!

【刑事コロンボ・トリビア その5】ピーターはアイデアマン

主演のピーター・フォークは、コロンボのキャラクター作りはもとより、脚本のアイデアも積極的に提案している。例えば、あるエピソードでは、最後のオチがどうしても納得できず苦心していた時、歯医者の待合時間に読んだ"歯形の物証(例えば、チューイングガムに残る歯形)"を思い出しアイデアを提供。また、あるエピソードでは、パーキングメーターから回収された小銭の指紋が決め手となるが、これもピーターが提案したキャンディ・マシン(小銭を入れて取手を回すとキャンディが出てくる)をヒントに生まれている。どのエピソードかは本編でご確認を!

【刑事コロンボ・トリビア その6】初舞台が事件を追う刑事役!

ピーターは28歳で本格的に俳優活動を始めるまでに、複数の大学に通ったり、船乗りになったり、なぜかCIAの面接に足を運んだりと、迷走を続けていた。そんな中、ニュー・スクール・オブ・ソーシャル・リサーチという学校で、「舞台に立てば文学士の資格が取れる」という理由から演劇学を専攻。そこでE・マクファーデンのメロドラマ『ダブルドア』の舞台に立ち、何の因果か事件を捜査する刑事役に抜擢。学芸会レベルを除けばピーターにとって、これが晴れの初舞台。そこで刑事役に選ばれるとは...やっぱり運命を感じてしまう。

【刑事コロンボ・トリビア その7】6代続いたドッグの舞台裏

1972年の「黒のエチュード(#10)」で初登場したコロンボの愛犬ドッグは、1998年、最後の出演となった「復讐を抱いて眠れ(#67)」まで、6代でその大役をつないだ。犬種は原産国フランスのバセットハウンド(オス)。老犬だった初代は、1973年「断たれた音(#16)」で2代目に代わるが、ピーターによればこの2代目は若すぎたため、メイクさんが白粉パフを鼻面にかけて"老けメイク"していたのだとか。

【刑事コロンボ・トリビア その8】スピルバーグとの深い縁

若き日のスティーブン・スピルバーグが「構想の死角(#3)」で監督を務めたことは有名だが、彼にまつわる作品がもう1本?! 「愛情の計算(#23)」の舞台となるハイテク・ロボット研究のシンクタンクで、大人顔負けの頭脳を持った天才少年が登場するが、彼の名はスティーブン・スペルバーグ(笑) ちなみに新シリーズでは、スピルバーグをモデルにした「狂ったシナリオ(#47)」もあり、ジョーズが出てくる「ルーサン警部の犯罪(#38)」もありと、何かと縁を感じてしまう。

【刑事コロンボ・トリビア その9】葉巻はやめない=シリーズ存続

コロンボのトレードマークの一つである葉巻は、スーパーで買ったカナダ産やメキシコ産の安物。「これをやった方がよく喋れる」のがやめられない理由だそうだが、エピソード37/第5シーズンの最後を飾る作品「さらば提督」のラストシーンで、禁煙を促されたコロンボは、「まだまだやめませんよ!」と、葉巻とシリーズの存続の両方に掛けたセリフで締めくくっている。

【刑事コロンボ・トリビア その10】撮影開始ひと月でピーターはクビ寸前?

実は『刑事コロンボ』の撮影が始まってひと月経った頃、ピーターは撮影所から追い出されていた。理由は脚本にあれこれ口を出し過ぎる点と、監督をやりたいと希望したこと。その後、プロデューサーと局の偉い人との三者会談が行われ、なんとか穏便に。こじれていればシリーズは終わっていたが、良い方向に風が吹き、「パイルD-3の壁(#9)」という名作をピーター・フォーク"監督"が生み出すことになる。

【刑事コロンボ・トリビア その11】ピーター本人のぶっ飛びカミさん

コロンボの「うちのカミさんがね」というセリフは有名だが、ピーターによれば彼の妻シェラのぶっ飛び方は、「コロンボのカミさんなんて足元にも及ばない」そう。ある日、足にトゲが刺さってごきげん斜めだったシェラは、ファンらしき運転手から親しげに「やあ、ごきげんよう。ピーターは元気かい?」と話しかけられると、顔も見ずに「今朝、死んだわ」とひと言。さらに、本シリーズなどで夫が授賞したエミー賞の像を帽子掛けにするなど、とにかく破天荒。ピーターが「うちのカミさんがね」と言う時、シェラの顔を思い浮かべていたのだろうか...。

【刑事コロンボ・トリビア その12】カミさん&親戚ネタベスト1

カミさん、親戚ネタは『刑事コロンボ』の毎回楽しみの一つだが、皆さんはどんなエピソードが心に残っているだろうか? これはトリビアではないが、これこそコロンボ家の質素で庶民的で笑えるネタを象徴しているのはないかというセリフを勝手にセレクト。カミさんネタは「歌声の消えた海(#29)」。夫婦でメキシコへの豪華客船旅行とはなんて優雅な、と思っていたら、「缶詰買ってメキシコへ行こう!に当たっちゃってね」という下りで大爆笑。親戚ネタは「野望の果て(#20)」。「弟は38歳ですが、子供の頃の半ズボン、まだ履いてますよ」は、"とにかく明るいコロンボ"のかわいいジョーク? 後にも先にも、声を出して笑ったのはこの2つ。

Photo:『刑事コロンボ』© 1971 Universal City Studios LLLP. All Rights Reserved. © 1988 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved. (C) Everett Collection/amanaimages (C) Capital Pictures/amanaimages トーマス・ミッチェル(C) Mary Evans/amanaimages パトリック・マクグーハン(C) MPTV/amanaimages スティーブン・スピルバーグ(C) AVTA/FAMOUS ピーター・フォークと妻のシェラ(C) Matt Brown/FAMOUS