Netflixがドラマ部門と包括契約部門の幹部を何人か解雇したと、米Deadlineが伝えている。その中には『クイーンズ・ギャンビット』『セックス・エデュケーション』といったNetflixを代表するオリジナルシリーズの数々に関わってきた人も含まれるという。
人気ドラマの関係者も容赦なくクビに?
解雇された一人は、7年以上にわたってNetflixオリジナルシリーズ部門を統括し、名作「赤毛のアン」を現代的な視点も交えてドラマ化した『アンという名の少女』の製作総指揮も務めていたアレックス・セイポット。セイポットは、『スター・トレック:ディスカバリー』や『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』のプロデューサーで知られるカリンダ・バスケス、『DMZ ニューヨーク非武装地帯』のクリエイターであるロベルト・パティーノらとの包括契約などを担当してきた。セイポットのもともとの拠点はロンドンで、『セックス・エデュケーション』『このサイテーな世界の終わり』といったイギリスを舞台にしたシリーズに尽力してきた。
5年以上Netflixのドラマシリーズ部門の責任者を務めてきたピート・コロナも今回解雇された。アフリカ系ラテン、先住民族系ラテンの映画制作者を手助けしてきたことで知られるコロナは、過去にはマーベルでも勤務。Netflixではアーノルド・シュワルツェネッガー初主演ドラマ『FUBAR』や人気ホラーシリーズ『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』に携わっていた。
彼ら以外には、包括契約部門を率いてきたローラ・デラヘイも去ることに。2016年からNetflixに貢献してきた彼女は、高い評価を受けたリミテッドシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』に関わっていた。また、『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』『アッシャー家の崩壊』といったマイク・フラナガンによる一連のシリーズを担当し、『ミッドナイト・クラブ』でのフラナガンの共同クリエイター、リア・フォングとの包括契約も実現させていた。
2022年5月に150名ほどの役員たちをレイオフし、その翌月にはさらに300名レイオフしていたNetflix。当時の対象は主に米国だったが、同国以外の従業員でもその対象になった事例もあった。2022年9月にはチーム再編に伴いアニメ部門の約30名をレイオフ。直近では先月、法務チームを再編するため弁護士数名が退任していた。
ハリウッドでは今もなお全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが継続しており、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』など大ヒット作の製作スケジュールにも支障を来たしている。
全米映画俳優組合と全米脚本家組合(WGA)のダブルストライキが起きた今年、人員削減を行っているのはNetflixだけではない。AmazonやDisney、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーやパラマウントといった企業が軒並み人員カットに踏み切っている。
先月発表された四半期報告ではウォール街の予想を上回り、900万人近くの加入者が追加され、もうすぐ新たな値上げも予定されているNetflix。同社の目玉とも言えるドラマ部門と包括契約部門を再編し、どのような展望を見据えているのか。その動向が注目されている。(海外ドラマNAVI)
参考元:米Deadline
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