イスラエル発のNetflixシリーズ『ファウダ -報復の連鎖-』のプロデューサーやキャストたちが、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃を受けて行動を起こしている。米Indie Wireらが報じた。
Netflix『ファウダ -報復の連鎖-』
『ファウダ』は、1970年代の第四次中東戦争を舞台にヨルダン川西岸地区の対テロ潜入部隊を描くNetflixオリジナルシリーズ。シーズン1で、彼らは“パンサー”として知られるハマスの大物テロリストを追う。
イスラエル国防軍の元特殊部隊兵士という経験を基にプロデューサーとして本作を手掛け、主人公ドロン役で主演も務めるリオル・ラズ(『クラウデッド・ルーム』)は、共同制作者アヴィ・イサハロフらと共にハマスとの現実での戦いに参加した。
“イスラエルのジェームズ・ボンド”とも呼ばれるリオルは、10月10日にInstagramに現地からの動画を投稿。「私は、イスラエル南部の住民を支援するために、精力的に戦う何百人もの勇敢なボランティアに加わり南へ向かった。爆撃を受けたスデロットの町に派遣され、2家族を救出した。恐れることはない!」とコメントした。
動画では、爆撃機が攻撃をする様子が写っているのが分かる。スデロットはガザ地区からほんの数マイルしか離れておらず、多くの犠牲者を出した。
また、『ファウダ』に出演しているトメル・カポン、ツァヒ・ハレヴィらも戦線へ向かったと伝えられている。
イスラエルの現実を映し出している
10月7日(土)から始まったハマスの攻撃、イスラエルの応酬により、双方の死者は現地時点(10月13日)で2700人を超えた。ガザで報復しているイスラエルは、ハマス側に人質の解放を要求しているため、攻撃の中でガザでは電気と水が遮断されている。
『ファウダ』に出演するガイ・シャロームは、同作が現在のイスラエルの現実を映し出しているとThe Hollywood Reporter Romaに語った。
「私は、第四次中東戦争にエジプトの奇襲を受けるイスラエルの前哨基地を警備する兵士を演じた。50年後、“民間人”のガイが、演じたキャラクター“兵士”ヤロンのように感じるとは誰が想像しただろうか?土曜日の朝、私はサイレンで起こされ、その音とともにハマスの戦闘員がやってきた」とガイは言う。
「私は泣いたし、きっと長い間泣き続けるだろう。しかし、私たちの精神が壊れることはない。私は、献血、資金、物資の提供など、できる限りの方法で助け合うイスラエル人の団結に感動している」と続けた。
2015年に配信が始まった『ファウダ』は、2023年9月にシーズン5への更新が発表されたばかり。(海外ドラマNAVI)
Photo:©Courtesy of Netflix