英BBCの人気時代劇ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』でギャングのトミー・シェルビー役で主演しているのはキリアン・マーフィーだが、『ワイルド・スピード』シリーズなどで知られるアクション俳優、ジェイソン・ステイサムに主役が渡るところだったという。
キリアンがクリエイターを説得
『ピーキー・ブラインダーズ』で描かれるトミー・シェルビーは策略家で威圧感があり、米Esquireのインタビューにてクリエイターのスティーヴン・ナイトが、主役の最終候補となったジェイソンとキリアンと面談した当時を振り返っている。
「ロサンゼルスで二人に会って役について話し合い、ジェイソンを選びました」と明かしたナイトは、筋肉隆々のジェイソンの方が体格的に威圧的な存在感を放っているため、トミー役に相応しいと思ったのだという。また、変わったキャラクターを演じることが多いキリアンに比べ、ジェイソンは『MEG ザ・モンスター』シリーズでメガトン級のサメと格闘する生粋のアクション俳優であり、役のイメージに合っていたからだと理由を述べている。今、ファンが知っているトミーと、当初にナイトが抱いていたキャラクター像とは大きく異なっていたようだ。
そんなナイトの心境をキリアンは承知しており、それでも自分がトミー役を演じるべきだと説得したのだとか。英The Guardianの取材でキリアンは、「少し説得が必要でした。最初は、僕に必要な身体性があるかどうかについて疑問があったかもしれませんが、それは理解していました。僕は、最高に体格が堂々としている訳ではありませんからね」と回顧している。
主役に抜擢!
その後にキリアンはナイトに宛てて、「覚えておいてください。僕は俳優です」とだけ打ったシンプルなテキストを送り、俳優としての実力に自信があることをほのめかし、そのテキストを見たナイトはキャスティングについて考え直したそうだ。
こうして、トミー・シェルビー役に抜擢されたキリアンにとって『ピーキー・ブラインダーズ』は代表作の一つとなり、主役を逃したことでジェイソンは、2013年公開の『ワイルド・スピード EURO MISSION』でメガ・アクションフランチャイズに参加。後に自身のキャラクターが主人公の一人となるスピンオフ映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』にも主演したことから、双方にとって最高の結果になったと言えるだろう。
なお、『ピーキー・ブラインダーズ』については映画版の製作が伝えられているが、現時点で進捗状況は不明だ。『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン1~6はNetflixにて配信中。
(海外ドラマNAVI)
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