『シークレット・インベージョン』ニック・フューリーを11年吹き替えてきた竹中直人の心境とは【インタビュー】

2023年7月30日 2024年5月29日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

現在Disney+（ディズニープラス）で配信中のMCU（マーベル・シネマティック・ユニバース）最新作『シークレット・インベージョン』。本作でサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーの日本版吹き替え声優を務めている竹中直人を直撃！　10年以上にわたって同役を吹き替えてきた心境や、本作の見どころについて語ってもらった。

（本記事には『シークレット・インベージョン』第1話の重大なネタバレが含まれます）

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『シークレット・インベージョン』竹中直人インタビュー

――本作はニック・フューリーが主役ですが、初めて聞いたときはどう思いましたか。

MCU作品は常に全員が主人公ですからね。すべてのキャラクターを平等に愛情深く丁寧に描いています。だから、これといった特別感はなかったですね。

――竹中さんはサミュエル演じるニック・フューリーの日本語吹き替えを2012年公開の『アベンジャーズ』から11年にわたって演じられていますが、当時と現在とで心境の変化はありますか？

『アベンジャーズ』と比べると、『シークレット・インベージョン』は非常に生々しい印象を抱きました。『アベンジャーズ』でのニックは、全身黒のスーツにアイパッチという、実にヒーローらしいコスチュームに身を包んでいる。

ところが本作ではトレードマークのアイパッチはなく、毛糸の帽子を被って服装も地味です。ニックの奥さんも登場するなど、すごく生活の匂いがしますよね。“老い”に向かっている描写もある。自分も共に年を重ねているので、よりリアルに感じました。

『キャプテン・マーベル』のときは、若かりし頃のニックが登場しますが、その時ともまた違う趣がある。声優という仕事は非常に面白いなって実感します。

――すでにすべてのエピソードのアフレコが終了しているとのことですが、どのように収録されたのでしょうか？　エピソードがあれば教えてください。

事前に台本や映像は渡されません。スタジオに入ったその日に初めて台本をもらって初めて映像を見ます。毎週1話ずつ収録するのですが、この先どんな展開になるのか全くわからないまま吹き替えを収録します。でもそれはそれでとても面白かったです。収録中も緊張感に満ち溢れ、終わった瞬間はヘロヘロになりました。

特に第1話は難しかったです。ラストでまさかマリア・ヒルが死んでしまうなんて！　ずっとニックのそばにいた人だから、本当に悲しかった。「（彼女を殺したのは）私じゃない」という台詞は、どんな声色なんだろうって悩みました。

――サミュエルに会ったのは、2019年の『スパイダーマン：ファー・フロム・ホーム』ワールドプレミアかと思います。

そうです。ロサンゼルスでぼくはニックのコスプレをして、めちゃくちゃ恥ずかしかったです（笑）でも、サミュエルが僕に気付いて抱きしめてくれたんですよ。『アベンジャーズ』で来日した時に会っているのですが、覚えていて下さって本当に嬉しかったです！

――本作の収録を終えた今、サミュエルに会ったらどんなことを話したいですか？

照れちゃって何も話せないです。でも、また会えたらうれしいですね。

――今年11月に公開を控えている『マーベルズ』にもニックが出演することが明らかになっていますが、どんな展開を期待しますか？

想像できないですね。『シークレット・インベージョン』から『マーベルズ』まで、ほかの作品を挟まずに公開されるわけでしょう？　とにかく楽しみです！

――竹中さんにとって、声優という仕事はどういったものなのでしょう。

声優は、吹き替えを通して役を疑似体験できるので面白いです。

そしてロマンティックな仕事でもあります。演じる俳優の台詞だけではなく、呼吸音やリップ音も一緒に演じます。憧れの俳優の中に入った気分になりますね。でもアニメとは違い、実写版の声優はオリジナル俳優のイメージを変えてしまう可能性もあるのでとても責任のある仕事です。しかしニックは、ここまで演じさせて頂いたので最後まで演じられたら嬉しいです。

――最後に、本作の視聴者に対してメッセージをお願いします。

アフレコとはいえ、僕自身、常に緊張感に包まれた収録でした。皆さんもさぞや緊張しながらご覧になっていると思います。まだまだとんでもない展開が皆さんをお待ちしています！ぜひとも最後まで手に汗をにぎり、画面にかぶりつきで見て下さい!!　次回『マーベルズ』に見事に繋がっていきます！