マーベル、Netflix、HBOなどの大手がサンディエゴ・コミコン欠席へ

1970年からカリフォルニアのサンディエゴで開催されているコミコンは、毎年大きな盛り上がりを見せる。だが、今年はそうならないかもしれない。マーベルやNetflixなどいくつもの大手が今回は参加しないと、米Varietyが伝えている。

目玉となるスター不在の可能性を考慮して…

世界中から注目を集める北米最大のファンイベント、サンディエゴ・コミコン。年に1度、数日間にわたって開催される祭典は、本来であれば大作映画や人気ドラマの最新情報が明かされる場でもあり、ファン・メディアに向けた大事なプロモーションの機会となっていた。パンデミック中は中止を余儀なくされ、同イベントを主催する非営利団体は前例のない財政的苦境に追い込まれたが、2022年夏にはマスク着用やワクチン接種などの対策を取ることで見事に復活。目玉イベントが行われるホールHでは『スター・トレック』ユニバース、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』、『ウォーキング・デッド』やマーベルといった大ヒット作のキャストやスタッフが集い、大いに賑わった。しかし今年はこうした大作はやってこないかもしれない。

というのも、ユニバーサル・ピクチャーズ、マーベル・スタジオ、ルーカスフィルム、ソニー・ピクチャーズ、Netflixなどが、7月20日から23日にかけて開催予定の今年のサンディエゴ・コミコンに参加しない方針を表明しているためだ。

この背景にあるのは、ハリウッドを揺るがしているストライキ。全米脚本家組合(WGA)のストライキが始まって既に50日以上が経過したが、新たに俳優たちの労働組合SAG-AFTRAも全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)との契約が6月30日に満了を迎えるのを前に交渉中で、その結果によっては役者たちもストライキに入る可能性がある。そうなれば、コミコンでパネルを行っても作品の登壇者が誰もいないといった事態が起こり得るわけだ。

こうした不確実性を事前に回避するべく、大手は今回は参加しないという決断を下したようだ。そう判断したマーベル・スタジオとルーカス・フィルム、ディズニーでは『キャプテン・マーベル』シリーズの新作『マーベルズ』や『ロキ』シーズン2、『スター・ウォーズ』シリーズの新しいドラマ『アソーカ』やリブート版の『ホーンテッドマンション』などのパネルが行われるのではないかと期待されていた。『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』といった人気ドラマの最新シーズンが控えるHBOの不参加もファンには痛手だろう。

そんな中、『Blue Beetle(原題)』や『アクアマン』シリーズの新作『Aquaman and the Lost Kingdom(原題)』といったDC映画を抱えるワーナー・ブラザースは、まだ参加の可能性を残しており、様子見している状態。『ホイール・オブ・タイム』シーズン2や『ザ・ボーイズ』のスピンオフ『The Boys: Gen V(原題)』が今年後半より配信予定のAmazonも何らかの形で参加したいとして、その方法を模索しているという。

コミコンの広報担当者はVarietyの取材に応じ、俳優たちのストライキに伴う影響について断言することは避けながらも、開催に向けて前向きな姿勢であることを明言。「すべての関係者にとって有益なものであることが証明され、誰もが愛することを仕事として続けることができる形で迅速に解決することが私たちの望みです。その時まで、私たちは夏のイベントがこれまで通り楽しく、教育的で、祝うべきものになるよう一生懸命取り組み続けていきます」(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety