NASAが『スター・トレック:ピカード』で描かれたミッションに実際に着手?

大人気SFフランチャイズ『スター・トレック』では数多くのミッションが展開されるが、なんとNASA(米航空宇宙局)が、『スター・トレック:ピカード』(以下、『ピカード』)シーズン2で描かれたミッションに近い計画を実現しようとしているという。米Screen Rantが報じた。

『ピカード』で描かれたミッション

『ピカード』シーズン2では、ジャン・リュック・ピカード(パトリック・スチュワート)が2024年のロサンゼルスへ旅立ち、彼の祖先で、NASAによるエウロパ探査のミッション・スペシャリストである宇宙飛行士ルネ・ピカード(ペネロープ・ミッチェル)と会う。ルネはエウロパ計画のミッションで、知覚を持つとされる微生物を発見して地球へ持ち帰り、その微生物は気候変動による荒廃から地球を救うカギとなった。

エウロパとは?計画の内容は?

“エウロパ”は、17世紀にガリレオ・ガリレイが発見した「ガリレオ衛星」と呼ばれる木星の四大衛星の一つ。エウロパの表面は氷に覆われているが、地下には広大な内部海が存在するのではないかと考えられている。

そして、現実でも『ピカード』に続けとばかりに、2024年10月にNASAが、5年かけて木星の衛星に到達する探査機「エウロパ・クリッパー」を打ち上げる予定だ。

探査機はエウロパを約50回にわたって周回し、エウロパの地表下に、生命体が生きられる場所があるかどうかを判断することが目的だという。『ピカード』のように、異星生命体との接触を目指しているわけではないが、エウロパは地球の海洋を合わせたよりも大きな内部海が存在する証拠を示しており、そこで生命が誕生して生息している可能性もあると注目されている。

またNASAは、“メッセージ・イン・ボトル”を「エウロパ・クリッパー」に搭載して送ることも計画している。公式サイトでは、「生命が存在する可能性のある海洋世界エウロパを探査するために18億マイルを旅するNASAのエウロパ・クリッパー宇宙船に、あなたの名前を刻んでミッションに参加しませんか」と、ワクワクするような文言でミッションへの参加が呼びかけられている。

まるで、現実を予言したかのようなエウロパ計画が描かれる『スター・トレック:ピカード』は、シーズン1~3がAmazon Prime Videoにて配信中。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『スター・トレック:ピカード』Trae Paatton/Paramount+ © 2022 CBS Studios Inc. All Rights Reserved.