スティーヴン・スピルバーグ、『THE LAST OF US』クリエイターに手紙を送って称賛!感銘を受けたエピソードは?

数々の大ヒット映画を世界に送りだしてきた巨匠スティーヴン・スピルバーグが、米HBOのゾンビドラマ『THE LAST OF US』のクリエイターに手紙を送り、称賛したという。スピルバーグが、特に感銘を受けたエピソードも明らかになっている。

美しきラブストーリーに感銘

人気ビデオゲームをドラマ化した『THE LAST OF US』の舞台は、寄生感染症のパンデミックでゾンビ化した人間が蔓延る崩壊した世界。娘を亡くして失意の中にいたジョエル(ペドロ・パスカル)が、感染抗体を持つ少女エリー(ベラ・ラムジー)をワクチン精製のために仲間の元へ送り届けるミッションを課され、二人は絆を育みながら過酷なサバイバルへと身を投じていく。

The Hollywood Reporterのインタビューで、シーズン1第3話「長い間」でエピソード監督を務めたピーター・ホアーが、スピルバーグからクリエイターのクレイグ・メイジンが手紙を受け取った舞台裏話を披露。第3話では、ジョエルの友人で、同性愛者のビル(ニック・オファーマン)と彼とパートナーとなるフランク(マーレイ・バートレット)の愛の物語が描かれる。

自分たちのアイドルが存在を認めてくれた

「私が直接受け取った訳ではないのですが、(スピルバーグの手紙が)『THE LAST OF US』で私が監督したエピソードを執筆したクレイグ・メイジンに届いて、彼がその手紙を私とニック・オファーマン、マーレイ・バートレットと(撮影監督の)エベン・ボルターにシェアしてくれたんです。中年男のグループが、自分たちのアイドルが自分たちの存在を認めてくれたことに歓喜していました」

どうやらスピルバーグは、シーズン1の中でも異色となった、世紀末的な世界で二人の男性が繰り広げる、数年にわたる美しきラブストーリーに大きな感銘を受けたようだ。

性別ではなく愛にフォーカス

このエピソードについてホアーは、メイジンの脚本が「性別ではなく愛にフォーカス」していたため、普遍的な物語として万人に訴えかけたのではないかと分析。同性愛者ではないメイジンが、ビルとフランクのラブストーリーを執筆したことについても語っている。

“あるグループ”の人たちの物語だと感じさせたくなかった

「クレイグはストレートかもしれないですが、最高に温かいハートを持っています。ビルのキャラクターについて何度も話し合いました。みんなが“ビルはゲイなんだ”と言うから、私は“そうなのかい? そうかもしれない。でも、彼は自分自身を、その言葉で定義していないよね”と答えました。クレイグは、何年も結婚生活を送っている自身の経験から知っていることを基に脚本を書きました。彼は、人間関係の成否を決定する要素を心得ていて、それは普遍的なものです。私は、“あるグループ”の人たちの物語だと感じさせたくありませんでした。もしそうであれば、これほど成功しなかっただろうし、狭い範囲の物語だと感じたのではないでしょうか」

ゾンビ化した人間たちとの戦いよりも、キャラクターが築いていく絆や関係によりフォーカスした『THE LAST OF US』は記録的なヒットとなり、シーズン2へ更新されている。シーズン1はU-NEXTにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『THE LAST OF US』©2023 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc./ スティーヴン・スピルバーグ ©babiradpicture/118