人気同名サバイバル・ビデオゲームをドラマ化した米HBOの『THE LAST OF US』では、謎の寄生菌の感染爆発により、人類が絶滅の危機に瀕する世界が描かれる。菌に感染した者はゾンビのような姿になるが、撮影中に「ゾンビ」という言葉は禁止されていたのだという。
作品の主役はキャラクター
ドラマ版の舞台は、人体に寄生する菌類の感染拡大により、文明が崩壊した20年後の世界。主人公ジョエルは、菌に抗体を持つ身元不明の少女エリーを隔離地域から脱出させ、二人は生き残りを懸けて感染者が蔓延るアメリカを横断することになる。
ドラマ版では、寄生菌に感染した者は転化し、感染していない人間を襲って食す欲望を備えるようになるため、その特徴からしてゾンビと比較されてもおかしくはない。では、なぜ「ゾンビ」が禁句だったのだろうか? シーズン1で4話にわたり撮影監督を務めたエベン・ボルターが、米ポッドキャスト番組『The Credits(原題)』に出演した際、その理由を明かした。
「撮影現場で“Z(ゾンビ)ワード”は禁止されていたんだ。禁句のようなものだね。彼らは“感染者”であり、これはゾンビ番組ではないんだ。もちろん、緊張感を高めて怖がらせる演出はあるけれど、あくまで作品の主役はキャラクターであり、感染者は彼らが対処しなければならない障害物にすぎないからね」。“ゾンビ”と呼ぶと、ゾンビ番組としてジャンル化されてしまい、中心となる人間キャラクターの存在がかすんでしまうとの懸念が理由のようだ。
劇中では、菌に感染すると感染者同士だけでなく、全国の地中深くに潜んでいる菌糸と意識を共有することができるとの説明があった。また、感染者同士の繋がりは科学的な根拠があり、自然環境で菌のパッチに接触すると、感染者の位置を認識することも可能だ。
形態の変化も?
さらに、アウトブレイクの日から時間が経過するにつれて菌は感染力を増し、致命的で恐ろしい形態に進化し、独自の強みを持つようになる。第2話「感染」では、クリッカー感染体が初登場した。この感染体は頭部にある菌板の成長によって目が見えなくなり、狩りをするために非常に敏感なエコロケーションを使用できるよう適応していく。一方で何年も寄生菌に感染したままの被害者は、全身を弾力性のある菌板で覆われ、銃撃にも耐え、人間を引き裂く力を持つ“ブローター”になるとも説明されている。
さらに感染者が力を増していくなか、ジョエルとエリーは無事に目的地へ辿り着くことが出来るのか?『THE LAST OF US』はU-NEXTにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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